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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X25
審判 査定不服 外観類似 登録しない X25
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X25
管理番号 1226642 
審判番号 不服2009-22508 
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-11-18 
確定日 2010-10-28 
事件の表示 商願2008- 31905拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「愛されブラ」の文字を標準文字で表してなり、第25類「ブラジャー」を指定商品として、平成20年4月23日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4872909号商標(以下「引用商標」という。)は、「愛するブラ」の文字を標準文字で表してなり、平成17年1月31日登録出願、第25類「ブラジャー」を指定商品として、同年6月17日に設定登録されたもので、現に有効に存続している。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、前記1のとおり、「愛されブラ」の文字を標準文字で横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「アイサレブラ」の称呼を生ずるものであり、また、これよりは特定の観念を生じさせないものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「愛するブラ」の文字を標準文字で横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「アイスルブラ」の称呼を生ずるものであり、また、これよりは特定の観念を生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、外観においては、両商標はいずれも5文字からなる標準文字で表され、その書体が同一であるばかりでなく、第1文字目が漢字、第2文字目及び第3文字目が平仮名文字、第4文字目及び第5文字目が片仮名文字という同一の構成からなるところ、商標の構成中で最も看者の目に留まりやすい語頭における「愛」及び第4文字目から第5文字目の「ブラ」の3文字を共通にするものである。また、両商標の構成上の差異は、比較的看者の目に留まりにくい「愛」と「ブラ」に挟まれた第2文字目から第3文字目の「され」と「する」の文字にあるにすぎないものであって、両商標を時と処を異にして離隔的に観察した場合、この第2文字目から第3文字目が「され」であったか、「する」であったかの印象は薄れ、全体としてみた場合、直ちにその差異を認識できるともいえず、視覚上、両商標は近似した印象を看取させるものである。
次に、称呼においては、両称呼は、いずれも6音からなり、称呼上重要な要素を占める語頭音の「ア」、第2音の「イ」、第5音の「ブ」、第6音の「ラ」の4音を、その配列も含めて同じくし、異なるところは、第3音において「サ」と「ス」の音及び第4音において「レ」と「ル」の音に差異を有するにすぎないものである。
そして、この差異音である「サ」と「ス」の音及び「レ」と「ル」の音は、いずれも50音図中、サ行及びラ行に属する同行音であって、子音を共通にする近似音であり、しかも、これらの差異音が聴者にとって比較的聴別され難い中間に位置するものであるから、これらを一連に称呼するときは、全体として、語調、語感が近似したものとなり、称呼上互いに相紛れるおそれがあるものといわざるを得ない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛らわしいものであるから、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一である。
(2)請求人の主張について
請求人は、「サ」と「ス」では、その子音を共通にするものの、前者が解放母音「a」であるのに対して後者が狭母音「u」であり、その調音の位置・方法を異にし、「レ」と「ル」では、その子音を共通にするものの、前者が母音「e」であるのに対して、後者が母音「u」であり、その発音形態(口の開き方と舌の位置)を著しく異にすることから、両差異音は、調音位置・音質を異にする音であるから、明瞭に聴別し得るものであり、また、6音という比較的短い音構成における2音の相違は、商標全体に及ぼす影響は決して小さくないものであることから、両商標は全体の語調・語感を明らかに異にするため十分聴別可能な相紛れることのないものである旨主張する。
しかしながら、前記3(1)のとおり、本願商標と引用商標の差異音である「サ」と「ス」の音及び「レ」と「ル」の音は、いずれも50音図の同行音であって、子音を共通にする近似音であり、しかも、これらの差異音が聴者にとって比較的聴別され難い中間に位置するものであるから、それぞれの母音の調音方法等が異なるとしても、これらを一連に称呼するときは、全体として、語調、語感が近似したものとなり、称呼上互いに相紛れるおそれがあるものといわざるを得ない。
また、請求人は、両商標は「ブラ」の語を共通とするものの、語頭において、「愛され」のような受動的な表現と「愛する」のような能動的な表現では、それぞれ異なった印象を以て需要者に認識されるとみるのが相当である旨主張する。
しかしながら、請求人が、本願商標及び引用商標から生ずる観念であると主張する「愛されるブラジャー」又は「ブラジャーを愛する」、「ブラジャーが愛する」という観念自体が、いずれも一般的な言語表現とはいえず、その具体的な意味でさえ明らかではないものであるから、これらを本願商標及び引用商標に係る指定商品の需要者である一般消費者が直ちに想起できるということ自体にも無理があることから、受動的な表現と能動的な表現との違いがあるとしても、異なった印象をもつものとはいえないものである。
したがって、これらの点についての請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-08-25 
結審通知日 2010-08-31 
審決日 2010-09-13 
出願番号 商願2008-31905(T2008-31905) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X25)
T 1 8・ 262- Z (X25)
T 1 8・ 263- Z (X25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 寺光 幸子 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 岩崎 良子
安達 輝幸
商標の称呼 アイサレブラ、アイサレ 
代理人 田中 光雄 
代理人 鮫島 睦 
代理人 佐々木 美紀 
代理人 寺田 花子 
代理人 勝見 元博 

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