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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X0911
管理番号 1226529 
審判番号 不服2009-16580 
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-09-08 
確定日 2010-10-14 
事件の表示 商願2008- 36709拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類「電池,蓄電器,電気通信機械器具」及び第11類「業務用加熱調理機械器具,電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」を指定商品として、平成20年5月13日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した商標は以下の通りであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4787577号商標(以下「引用商標1」という。)は、「エレキデル」の片仮名を標準文字で表してなり、平成15年11月20日登録出願、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品として、同16年7月16日に設定登録されたものである。
(2)登録第4924029号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ELECTEL」の欧文字を標準文字で表してなり、平成17年2月25日登録出願、第9類「測定機械器具,配線用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,家庭用テレビゲームおもちゃ,火災報知器,ガス漏れ警報機,盗難警報器,保安用ヘルメット,電子出版物,票数計算機,運動用保護ヘルメット」を指定商品として、同18年1月27日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)商標の類否について
商標が類似するかどうかは、最終的には、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり、具体的にその類否判断をするに当たっては、両商標の外観、観念、称呼を観察し、それらが取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであって、決して上記3要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないが、少なくともその一つが類似している場合には、当該具体的な取引の実情の下では商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められる場合を除いて、出所の混同を生ずるおそれがあると認めるのが相当である(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)(平成11年(行ケ)第422号 平成12年6月13日判決)。
以下、これを踏まえて本願商標と引用商標1及び2について判断する。
(2)本願商標と引用商標1について
本願商標は、別掲のとおり、黒色の「エレ」の文字と赤色の「来てる」の文字が連続して「エレ来てる」と表されている。そして、各文字部分は、色に差異はあるものの同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔でまとまりよく一体に書されており、そこから生ずる「エレキテル」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。また、観念については、その構成から、直ちに意味を理解、認識できるものとは認められず、既成の観念を有しない造語といえるものである。
してみれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して「エレキテル」の称呼を生ずるというべきである。
他方、引用商標1は、「エレキデル」の片仮名を書してなるところ、該文字は辞書等に掲載されていない文字であり、特定の意味を持って親しまれた既成の観念を有しない造語といえるものであり、該構成文字に相応して「エレキデル」の称呼が生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標の類否について検討するに、本願商標から生ずる「エレキテル」の称呼と引用商標1から生ずる「エレキデル」の称呼とは、5音の同数音であり、称呼の識別上比較的印象の弱い4音目の「テ」の音と「デ」の音に差異を有し、他の音を同一にするものである。
そして、該差異音「テ」と「デ」は、いずれも母音(e)を共通にし、舌尖を上前歯のもとに密着して発する音であって、清音と濁音という微差すぎない近似音であることから、該差異音が称呼全体に及ぼす影響は少なく、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合は、全体としての語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。
そうとすれば、本願商標と引用商標1とは、外観において相違し、観念ついては共に造語であることから比較することのできないことを考慮したとしても、これらが上記称呼の類似性を凌駕するということができず、かつ、両商標の取引の実情等において、商品の出所の混同を生ずるおそれはないとみるべき特段の事情が存するものとも認められない。
そして、本願商標の指定商品中「電池,蓄電器,電気通信機械器具,家庭用電熱用品類」は、引用商標1の指定商品中「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具」と同一又は類似の商品と認められるものであるから、本願商標と引用商標1とは、これを同一又は類似の商品に使用した場合、商品の出所の混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(3)本願商標と引用商標2について
本願商標は、別掲のとおりの構成からなるものであり、上記(2)のとおり「エレキテル」の称呼が生ずるものである。
他方、引用商標2は、「ELECTEL」の欧文字を横書きしたものであるところ、該文字は辞書等に掲載されていない文字であり、特定の意味を持って親しまれた既成の観念を有しない造語といえるものであるところ、このように一般に知られていない欧文字を称呼する場合には、我が国で親しまれた英語の読みに倣って発音するとみるのが自然である。
そうとすると、英語で「elect(エレクト)」、「electroric(エレクトロニック)」、「electrical(エレクトリカル)」と発音されることに倣えば、「ELECTEL」よりは「エレクテル」の称呼を生ずるとみるのが相当である。
そこで、本願商標と引用商標2の類否について検討するに、本願商標から生ずる「エレキテル」の称呼と引用商標2から生ずる「エレクテル」の称呼とは、5音の同数音であり、称呼の識別上比較的印象の弱い3音目の「キ」の音と「ク」の音に差異を有するものであり、他の音は同じくするところ、該差異音は、いずれも邦語の50音図における同行音(カ行)に属しともに軟口蓋破裂音の無声子音と前舌又は、後舌の狭母音とからなる音節であって、構音上極めて近似した音といえるものであるから、かかる音構成にあって、該音の違いは微差といえるものである。そうすると、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合、両者は全体の語感・語調が近似し、彼此聞き誤るおそれのあるものと判断するのが相当である。
そうとすれば、本願商標と引用商標2とは、外観において相違し、観念ついては共に造語であることから比較することのできないことを考慮したとしても、これらが上記称呼の類似性を凌駕するということができず、かつ、両商標の取引の実情等において、商品の出所の混同を生ずるおそれはないとみるべき特段の事情が存するものとも認められない。
そして、本願商標の指定商品中「電池,蓄電器,電気通信機械器具」は、引用商標2の指定商品中「配線用又は制御用の機械器具,電池,電気通信機械器具」と同一又は類似の商品と認められるものであるから、本願商標と引用商標2とは、これを同一又は類似の商品に使用した場合、商品の出所の混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(4)請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、『エレ』と『キテル』音の間に一息入れて、2音節風に称呼される」旨主張しているが、その主張を裏付ける証左の提出がないから、上記主張は、採用することができない。
また、請求人は、過去の審決例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張するが、請求人が挙げている審決例は、対比する商標の構成態様において本願商標と異なるものであり、また、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断するべきものであって、過去の審決例の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、請求人の主張は、採用することはできない。
(5)結語
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標

(色彩は原本参照)

審理終結日 2010-08-06 
結審通知日 2010-08-17 
審決日 2010-08-30 
出願番号 商願2008-36709(T2008-36709) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X0911)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 原田 信彦 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 大森 友子
末武 久佳
商標の称呼 エレキテル 
代理人 平井 安雄 
代理人 栫 生長 

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