ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X44 審判 全部申立て 登録を維持 X44 審判 全部申立て 登録を維持 X44 審判 全部申立て 登録を維持 X44 |
---|---|
管理番号 | 1225167 |
異議申立番号 | 異議2010-900027 |
総通号数 | 131 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-11-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-02-01 |
確定日 | 2010-09-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5276713号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5276713号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5276713号商標(以下「本件商標」という。)は,「うぇるあいどっとこむ」と「Wellai.com」とを上下二段に横書きしてなり,平成21年5月13日に登録出願,同21年10月1日に登録査定,第44類「美容,理容,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康管理に関する情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,動物の美容,介護,高齢者の介護に関する情報の提供,その他の介護に関する情報の提供,高齢者又は障害者の養護及び介護に関する情報の提供」を指定役務として,同21年10月30日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人の引用する商標 登録異議申立人「ウエラ アクチエンゲゼルシャフト」(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,その商標権は,いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第3165444号商標は,別掲(1)のとおりの構成からなり,平成4年9月30日に登録出願,商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同8年6月28日に設定登録されたものである。 (2)登録第4193509号商標は,別掲(2)のとおりの構成からなり,平成9年3月21日に登録出願,商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同10年10月2日に設定登録されたものである。 (3)登録第4409420号商標は,別掲(3)のとおりの構成からなり,1999年2月10日にドイツ連邦共和国でしたパリ条約に基づく優先権を主張して,平成11年8月10日に登録出願,商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として,同12年8月18日に設定登録されたものである。 (4)登録第4450981号商標は,別掲(4)のとおりの構成からなり,平成11年8月17日に登録出願,商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として,同13年2月2日に設定登録されたものである。 (5)登録第5098678号商標は,別掲(5)のとおりの構成からなり,平成19年6月11日に登録出願,商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として,同19年12月14日に設定登録されたものである。 (6)登録第5216441号商標は,「WellaTherm」の欧文字を標準文字で表してなり,平成20年8月1日に登録出願,商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として,同21年3月19日に設定登録されたものである。 (7)国際登録第735028号商標は,「WELLA.BEAUTIFUL HAIR」と「NEEDS AN EXPERT」の各欧文字を上下二段に横書きしてなり,2000年4月25日に国際登録,商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として,平成13年7月27日に設定登録されたものである。 (8)国際登録第826642号商標は,「WELLA-HAIR IS OUR PASSION.」の欧文字を横書きしてなり,2003年8月19日にドイツ連邦共和国でしたパリ条約に基づく優先権を主張して,2004年2月13日に国際登録,商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として,平成17年9月9日に設定登録されたものである。 (9)国際登録第911820号商標は,別掲(6)のとおりの構成からなり,2006年4月25日にドイツ連邦共和国でしたパリ条約に基づく優先権を主張して,2006年10月24日に国際登録,商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として,平成20年10月10日に設定登録されたものである。 (10)国際登録第997661号商標は,別掲(7)のとおりの構成からなり,2008年8月21日にドイツ連邦共和国でしたパリ条約に基づく優先権を主張して,2009年2月17日に国際登録,商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として,平成22年2月19日に設定登録されたものである。 以下,これらを一括して引用各商標という。 3 登録異議の申立ての理由(要点) (1)申立人は,1880年にドイツで創業し,1960年代から日本での事業を開始した歴史の古い企業として,美容・理容業界のみならず,一般消費者の間で周知・著名なヘアケア製品の老舗である(甲第12号証)。そして,その商標「WELLA」は,ヘアケア製品を中心とする各商品及び役務の区分において,引用各商標を含め申立人にとって極めて重要な商標である(甲第13号証)。 ところで,本件商標の欧文字部分は,「Wellai」なる商用ドメインを示しており,また,その構成中の「i」は,「情報。知識。案内所。」を意味する「information」の頭文字として,商標を含む種々の単語や文字列と組み合わされて使用されていること,また,各種情報の提供を目的として商号や商標に「i」を結合した構成からなるドメイン名が採用されていることは周知の事実である。さらに,美容・理容の分野では,各メーカーが新製品の使用法や最新の美容・理容術の教授を目的としたウェブサイトを通じてその普及に努めていることも広く認知されていることである。 そうした中,申立人の周知・著名な商標及び略称である「WELLA」と同一文字列の「Wella」に,『情報。知識。案内所。』を意味する「information」の頭文字として多用されている「i」を結合した「Wellai」なる商用ドメインを表示する商標を使用すれば,あたかも申立人と組織的・資本的な関連を有する企業より提供される役務であるかのように,需要者・取引者のみならず広く一般に誤認され,出所の混同を招くことが明らかである。 また,本件商標は,その構成中に申立人の周知・著名な略称「Wella」を含むものでありながら,その使用について申立人の承諾を得たものではない。 さらに,引用各商標の欧文字「WELLA」と,本件商標中の「Wella」とは,同一の称呼『ウェラ』を生ずるので称呼上類似する。 以上のとおり,本件商標は,申立人の周知・著名な商標及び名称との混同を招くおそれが強く引用各商標と類似の商標であり,また,その指定役務も同一又は類似のものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第8号,同第10号,同第11号及び同第15号に該当し,その登録は,商標法第43条の2第1号の規定により,取り消しを免れない。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は,「うぇるあいどっとこむ」と「Wellai.com」との文字を二段に書してなるところ,上段の「うぇるあいどっとこむ」は,下段の「Wellai.com」の読みを特定していると無理なく認識し得るものである。そして,下段の「Wellai.com」は,後半の「.com」がトップ・レベル・ドメインの一種を表す表記であることから,全体がドメイン名と認識され,「Wellai」の部分が独立して自他商品・役務の識別標識として認識される場合もあるものといえるから,本件商標からは,「ウェルアイドットコム」又は「ウェルアイ」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。 これに対し,申立人は,下段の構成中「i」は,「情報,知識,案内所」を意味する「information」の頭文字として商標や商号,ドメイン名等に多用されているものであるから「Wella」の部分のみが着目される旨主張するが,同書・等間隔で「Wellai」と一体的に表された構成にあっては,「i」の部分のみが申立人の主張する意味で分離して観察されるというのは,極めて不自然であり,また,申立人はその主張の根拠となる証拠を提出していない。 したがって,本件商標は,その構成から,「ウェルアイドットコム」又は「ウェルアイ」を生じ,特定の観念を生じないものというのが相当である。 一方,引用各商標は,前記2のとおり,文字及び図形又は文字からなる商標であるところ,いずれも,その構成中に「WELLA」(又は「Wella」)を含むものであり,これらからは,「ウェラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 そこで,本件商標から生ずる「ウェルアイドットコム」及び「ウェルアイ」の称呼と引用商標から生ずる「ウェラ」の称呼を比較すると,両称呼は,音構成の差及び構成音数の差等により明瞭に聴別し得るものである。 そして,本件商標と引用各商標とは,それぞれの構成に照らし,外観上判然と区別し得る差異を有するものであり,また,両商標とも観念を生じないものであるから,観念上は比較することができない。 そうすると,本件商標と引用各商標とは,その外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 申立人は,「WELLA」は,申立人の周知・著名な商標であって,かつ,申立人の著名な略称である旨主張し,甲第2号証ないし甲第13号証を提出した。 しかしながら,これらの証拠は,「WELLA」(又は「Wella」)の文字を含む商標の登録の事実を示すものと申立人のウェブサイトの抜粋であって,申立人が「WELLA」を実際に商品・役務に使用している事実が明らかにされていないばかりか,「WELLA」を使用した商品及び役務の販売数量,売上高,市場占有率及び広告宣伝の規模等の具体的事実を立証する証左はなく,また,「WELLA」が,申立人の略称として広く認識されていることの事実を立証する証左もない。 そうすると,これらの証拠からは,「WELLA」が,申立人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであり,かつ,著名なものとは認められず,また,これが申立人の略称として著名なものとも認められない。 加えて,前記(1)で認定したとおり,本件商標と「WELLA」の文字を含む引用各商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異のものといえる。 そうすると,本件商標をその指定役務に使用しても,これに接する需要者が「WELLA」商標又は申立人を連想,想起するようなことはなく,該役務が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく,その出所について混同を生ずるおそれはない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第8号について 前記(2)で認定したとおり,「WELLA」は,申立人の著名な略称とはいえないから,たとえ,本件商標の構成中に「Wella」の文字列が含まれるとしても,本件商標は,他人の著名な略称を含むものとはいえない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第8号に該当しない。 (4)むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第8号,同第10号,同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1)登録第3165444号商標 別掲(2)登録第4193509号商標 別掲(3)登録第4409420号商標 別掲(4)登録第4450981号商標 別掲(5)登録第5098678号商標 別掲(6)国際登録第911820号商標 別掲(7)国際登録第997661号商標 (色彩については原本参照のこと) |
異議決定日 | 2010-08-31 |
出願番号 | 商願2009-35188(T2009-35188) |
審決分類 |
T
1
651・
25-
Y
(X44)
T 1 651・ 271- Y (X44) T 1 651・ 26- Y (X44) T 1 651・ 23- Y (X44) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 田中 幸一 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
小林 由美子 小川 きみえ |
登録日 | 2009-10-30 |
登録番号 | 商標登録第5276713号(T5276713) |
権利者 | キユーピー株式会社 |
商標の称呼 | ウエルアイドットコム、ウエルアイコム、ウエルアイ |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 加藤 義明 |
代理人 | 山崎 和香子 |