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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
取消200130333 審決 商標
取消200630868 審決 商標
取消2009301023 審決 商標
取消200330505 審決 商標
取消2009301094 審決 商標

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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 038
管理番号 1225098 
審判番号 取消2009-300991 
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-11-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-09-02 
確定日 2010-10-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第4098626号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4098626号商標(以下「本件商標」という。)は、「InfoTera」の文字を書してなり、第38類「電子計算機端末による通信,ファクシミリによる通信,衛星テレビジョン放送,報道をする者に対するニュースの供給」を指定役務として、平成8年6月5日に登録出願、平成9年12月26日に設定登録され、その後、平成19年10月23日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由の要旨を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによってもその指定役務について使用された事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取消されるべきものである。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)本件商標を使用する役務について
被請求人は、その前身である「株式会社富士通ソーシアルシステムエンジニアリング」(以下「FSS」という。)時代の1996年5月に郵政省一般二種電気通信事業者の認定を受け、その後企業又は個人向けに提供する「インターネット接続サービス」及びそのアプリケーションサービスに本件商標を1996年10月以降使用してきている(ただし、個人向け「インターネット接続サービス」は2007年1月31日をもってその提供が停止された。)。この「インターネット接続サービス」は、顧客において自己の電子計算機端末からインターネットを利用して、メールの送受信やホームページの情報発信その他の情報受発信を可能とするものであり、当該役務が本件商標の指定役務中の「電子計算機端末による通信」に含まれることは明らかである。
(2)本件商標の使用について
ア 証拠方法について
(ア)1996年10月に本件商標にかかる役務の提供を開始した旨の記載がある「富士通アドバンストソリューションズ」の沿革紹介記事(被請求人ウェブサイトからの打ち出し。乙第1号証)
(イ)被請求人のウェブサイトを通じて配信している「InfoTeraサービス」のカタログ(被請求人ウェブサイトからの打ち出し。乙第2号証)
(ウ)「InfoTeraインターネットサービス」カタログ(2001年作成。乙第3号証)
(エ)顧客との商談に際し使用するプレゼンテーション資料「InfoTeraインターネットサービス」(2006年6月作成。乙第4号証)
(オ)顧客との商談に際しサービスの具体的内容・費用を示す「InfoTeraハウジングサービスメニュー(詳細)」(2008年4月1日作成。乙第5号証)
(カ)個人向け「インターネット接続サービス」が2007年1月31日をもって提供を廃止する顧客への通知書及びこれに関する資料(乙第6号証の1及び2)
(キ)西武学園文理中学高等学校との平成20年11月4日付け「サービス契約書」抜粋写し(乙第7号証)
イ 乙第2号証及び第3号証には、本件商標を各文字に色彩を施したロゴが表示されているが、黒文字で表記された本件商標とは色彩は異なるも、「InfoTera」の文字構成は明確に判別でき、かつ、「インフォテラ」の称呼が変更するものでもなく、本件商標と社会通念上同一のものである。
ウ 乙第2号証は、2009年11月17日にウェブサイトから打ち出した資料ではあるが、上記乙第1号証他の証拠からすればこの日までに継続的に上記で述べた役務に使用されてきたことは明らかであり、本件審判請求の予告前に被請求人のウェブサイトに掲載されていることも合理的に推認できるものである。また、かかる使用の態様は、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告その他の取引書類を内容とする情報を電磁的方法により提供する行為」に該当し、乙第3号証以下の取引書類における標章の使用とともに、標章についての「使用」に該当することは明らかである。
なお、個人向け「ダイアルアップ接続サービス」は、2007年1月31日をもってその提供が停止されたが、乙第6号証の1及び2は、本件商標の下で2007年1月31日までに提供された当該役務の停止に伴う通知であり、これによりそれまでに個人向け「ダイアルアップ接続サービス」が提供されていたことは明らかである。
一方、乙第7号証は、被請求人が実際に本件商標の下で「インターネット接続サービス」の一種の応用形態である「合否照会ASPサービス」(乙第4号証参照)を提供していることを示す、西武学園文理中学高等学校との「サービス契約書」の写しであるが、その契約の対象たるサービス名は「合否照会ASPサービス(高校対応)(平成20年度分)」と記載されているも、契約書に添付の「実施確認書」には、「InfoTeraデータセンタ」を通じて顧客学校の各受験者との「合否照会ASPサービス」が運用されることが記載(「実施確認書」最終ページ参照)されており、「InfoTera」なる商標の下、当該サービスが提供されていることは明らかである。この「合否照会ASPサービス」は、顧客学校の受験者が入学選抜試験の合否をインターネットや携帯電話機端末を通じて問い合わせるためのものであり、当該サービスの具体的内容は契約書添付の「実施確認書」に記載(「1.3 作業分担」の項参照)されているとおり合否照会システムの運用・管理などであるも、要は、電子計算機端末による各受験者と顧客学校間の情報通信を仲立ちする回線を提供するものであって、当該サービスは「電子計算機端末による通信」であることは疑いない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標が個人向け「ダイアルアップ接続サービス」及び企業向け「インターネット接続サービス」の応用サービスである「合否照会ASPサービス」を可能ならしめる回線の提供、すなわち、「電子計算機端末による通信」に使用されたのは明らかであり、本件審判請求の予告登録前3年以内の間にその指定役務について被請求人によって使用されていた。
よって、答弁の趣旨どおりの審決を求める。

4 当審の判断
乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
乙第1号証は、平成21年11月13日にプリントアウトされた被請求人(商標権者)ウェブサイトの被請求人の沿革を紹介するページであり、「1996年10月/FSS インターネット接続サービス(InfoTera)を開始」した旨が記載されている。
乙第2号証は、平成21年11月17日にプリントアウトされた商標権者のウェブサイトの商標権者の業務を紹介するページであり、見出しとして「InfoTeraサービス/(インターネット接続サービス)」と表示し、サービス提供の概念図中に「InfoTera」の文字が使用され、「InfoTeraは、インターネット各種サービスのアウトソーシング業務を行っています。サーバの提供から、回線・セキュリティ・保守・監視・サポート・ラック提供まで、様々なサービスを用意しています。」と記載されている。
乙第3号証は、商標権者が2001年に作成した「InfoTera/(インフォテラ)/インターネットサービス」と題するカタログであり、「InfoTeraでは以下のサービスをご用意しています。」として、「端末型ダイヤルアップIP接続サービス」、「LAN型ダイヤルアップIP接続サービス」及び「専用線IP接続サービス」が記載され、また「InfoTeraではお手軽なバーチャルドメインサービスから本格的な専用サーバまで、様々な情報発信方法をご用意しています。」として、「バーチャルドメインサービス(情報発信)」、「バーチャルドメインサービス(情報発信とインターネット利用)」及び「専用サーバレンタルサービス(情報発信)」が記載されている。
乙第4号証は、商標権者が2006(平成18)年6月に作成した「InfoTera インターネットサービス/第1.0版」と題する、顧客へのプレゼンテーション用資料であり、「InfoTera インターネットサービス」の見出しの下、「InfoTeraではインターネット各種サービスのアウトソーシング業務を行っています。万全なセキュリティ対策を施し、設計・開発・構築から監視・運用・保守サービスまでをご提供します。」と記載され、サービス詳細として、「IDCサービス」及び「合否照会ASPサービス」が記載されている。
乙第5号証は、2008年4月1日現在の「InfoTeraハウジングサービスメニュー(詳細)」の一覧表であり、サービス名として、「スペースリソース」、「オペレーション」、「セキュリティ」、「インターネット接続」、「システムリソース」が記載され、それぞれについて、更に詳細に初期費用、月額費用、サービス項目などについて記載されている。
乙第6号証の1は、「InfoTeraダイアルアップ接続サービスの廃止について」と題する、商標権者による会員に対する通知書であり、「この度、サービスの見直しの結果、ダイヤルアップによるインターネット接続サービスを下記の通り廃止させて頂く事といたしました。」と記載され、「2.廃止させて頂くサービス詳細」として、「インターネット接続サービス」、「メールボックス」及び「ホームページ」と記載され、「3.利用可能日」として、「?2007年1月31日(水)まで」と記載されている。
乙第6号証の2は、「定期保守に伴うサービスの一時停止について」と題する、商標権者による会員に対する通知書であり、「1.定期保守時間」として、「平成19年1月27日(土)PM1:00?PM5:30 以下のサービスが一時的にご利用できなくなります」及び「メールの送受信」、「ホームページの情報発信」、「ダイヤルアップによりホームページの閲覧」の各サービスが記載され、「2.その他」として、「2月1日をもちましてダイヤルアップによるインターネット接続サービスを廃止させて頂きます。」と記載されている。
甲第7号証は、平成20年11月4日に商標権者と西武学園文理中学高等学校とが締結した「合否照会ASPサービス(高校対応)(平成20年度分)」に関する「サービス契約書」であり、契約書に添付の実施確認書には、サービス期間を「平成20年12月15日?平成21年3月31日」とし、「業務処理メニュー」として、「合否照会アプリケーション」、「合否情報登録アプリケーション」及び「携帯電話コンテンツ提供サービス」が記載されており、さらに実施体制、作業分担等が記載されているほか、「1.5 その他サービスにおいて特に定める事項」において、「InfoTera(データセンタ)の信頼性について」、「InfoTera(データセンタ)の電源供給について」、「InfoTera(データセンタ)の耐震性について」、「サーバ等の停止について」等の記載がされ、「サーバ等の停止について」の項には、「InfoTeraプロバイダ側の都合(・・・)のためにサービスを停止することがあります。」などと記載されている。
以上の認定事実によれば、商標権者の前身であるFSSが1996(平成8)年10月ころから本件商標と社会通念上同一と認められる「InfoTera」の商標を「インターネット接続サービス」に使用を開始し、商標権者は、個人向け同サービスについては2007(平成19)年1月31まで提供していたことが認められ、企業向けのサービスについてはその後も継続していることが認められる。そして、「インターネット接続サービス」は本件取消請求に係る指定役務「電子計算機端末による通信」に包含される役務である。
(3)結論
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る指定役務の「電子計算機端末による通信」の概念に属する「インターネット接続サービス」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものということができる。
そして、請求人は、被請求人の答弁に対して何ら弁駁するところがない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-05-13 
結審通知日 2010-05-17 
審決日 2010-05-31 
出願番号 商願平8-60357 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (038)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 信彦 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 井出 英一郎
内山 進
登録日 1997-12-26 
登録番号 商標登録第4098626号(T4098626) 
商標の称呼 インフォテラ 
代理人 原 隆 
代理人 山口 栄一 
代理人 田島 壽 
代理人 青木 篤 

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