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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X25 審判 査定不服 観念類似 登録しない X25 審判 査定不服 外観類似 登録しない X25 |
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管理番号 | 1225092 |
審判番号 | 不服2009-5233 |
総通号数 | 131 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-11-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-03-10 |
確定日 | 2010-10-06 |
事件の表示 | 商願2008- 33320拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲(1)に表示するとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品とし、平成19年9月28日に登録出願された商願2007-101656に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同20年4月28日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、原審における同21年1月30日付け手続補正書により、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりであり、現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4244688号商標(以下「引用商標1」という。)は、「FALKE」の欧文字と「ファルケ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成10年2月13日登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボン吊り,バンド,ベルト,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、同11年2月26日に設定登録され、その後、同21年1月20日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 (2)登録第4266832号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)に表示するとおりの構成よりなり、平成10年2月13日登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボン吊り,バンド,ベルト,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、同11年4月23日に設定登録され、その後、同21年3月31日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 (3)国際登録第902798号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)に表示するとおりの構成よりなり、2006年9月14日に国際登録、第25類「Clothing, headgear.」を指定商品として、平成19年10月19日に我が国において設定登録されたものである。 以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標との類否について 本願商標は、別掲(1)に表示するとおり、青地の長方形内に、ややデザイン化された白抜きの文字で「FALKEn」(「F」の文字の下の横線部は赤で着色されている)の欧文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して「ファルケン」の称呼を生ずるものであり、また、これよりは直ちに特定の観念を生じさせないものである。 他方、引用商標1は、前記2(1)のとおり、「FALKE」の欧文字と「ファルケ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して「ファルケ」の称呼を生ずるものである。そして、該「FALKE」の文字が、「ハヤブサ(隼)、タカ(鷹)」等(株式会社小学館 独和大辞典 第2版)の意味を有するドイツ語であるとしても、我が国におけるドイツ語の普及度を考慮した場合、引用商標1に接する一般の取引者、需要者が、これを直ちにドイツ語であると理解するとはいい難く、むしろ特定の観念を有さない一種の造語と判断するのが自然である。 引用商標2は、別掲(2)に表示するとおり、灰色地の正方形内の中央やや下側に、橙色地の正方形を配し、該正方形内には白抜きの図形と、その図形の上に重なるように白抜きの文字で「falke」の欧文字を配した構成よりなるところ、顕著に表示された「falke」の欧文字部分は、残余の図形部分とは、常に一体のものとして把握、認識しなければならない特段の事情は見いだせず、視覚的にも分離して観察されるとみるのが相当であることから、該文字部分に相応して、「ファルケ」の称呼を生ずるものであり、また、引用商標1と同様、これよりは特定の観念を生じさせないものである。 引用商標3は、別掲(3)に表示するとおり、上部の黒地の半円部分には「FALKE」の欧文字(各文字とも横縞模様に装飾されている)を配し、下部の灰色地の半円部分には、白抜きの「CLIMA 360」の欧文字と数字を配し、上部及び下部の半円部分を合わせた全体の円の円周に沿って時計回りに白地の矢印状の図形を配した構成よりなるところ、顕著に表示された上部の「FALKE」の欧文字部分と下部の「CLIMA 360」の欧文字と数字の部分は、残余の図形部分とは、常に一体のものとして把握、認識しなければならない特段の事情は見いだせず、視覚的にも分離して観察される。 また、該文字部分等についても、上部の「FALKE」と下部の「CLIMA 360」とは、上部と下部とに明確に分かれており、しかも、文字の書体等も異なり、観念上の結び付きもないことから、これらの文字部分等も分離して観察されるのが相当である。 そうすると、引用商標3は、上部の「FALKE」の文字部分に相応して、「ファルケ」の称呼を生ずるものであり、また、引用商標1と同様、これよりは特定の観念を生じさせないものである。 そこで、本願商標から生ずる「ファルケン」の称呼と、引用商標から生ずる「ファルケ」の称呼とを比較するに、両者は「ファルケ」の3音を共通にし、語尾における「ン」の有無の点に差異を有するにすぎないものである。 そして、その差異音である「ン」の音は、鼻音であって、それ自体の音の響きが弱いために、破裂音であって強く発音されやすい前音の「ケ」の音に吸収され易く、しかも、明確に聴取し難い語尾に位置することから、該差異音が両称呼の全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえない。 そうすると、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体として、語調、語感が近似したものとなり、称呼上互いに相紛れるおそれがあるものといわざるを得ない。 また、本願商標の「FALKEn」の文字と、引用商標1及び3の「FALKE」の文字とは、デザイン化の有無及び語尾の「n」の有無の違いはあるものの、「FALKE」の文字を共通とし、また、本願商標の「FALKEn」の文字と、引用商標2の「falke」の文字とは、デザイン化の有無、語尾の「n」の有無及び大文字と小文字の違いはあるものの、同じ綴り字を共通にすることから、本願商標と引用商標とは、外観上、近似した印象、連想等を生じさせるおそれがあることは否定できない。 してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、称呼において相紛らわしいものであり、また、外観においても、近似した印象を与えるものであるから、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。 (2)請求人の主張について 請求人は、(ア)4音と3音という短い音構成からなるにもかかわらず、「ン」の有無の相違が認められる両商標をそれぞれ一連に称呼した場合には、語調・語感が相違し、互いに相紛れるおそれはないと言えること、(イ) 本願商標の周知・著名性は、タイヤだけでなく、被服の分野にも及んでおり、被服に使用された本願商標に接した場合に、本願商標の使用者である本願出願人を想起することがあっても、引用商標の所有者を想起することは、上記取引の実情より考えられないことであり、商品の出所の混同が生ずる余地がないことは明らかであること、(ウ)過去の登録例、審決例、裁判例を挙げて、本願商標も引用商標とは非類似である旨主張している。 しかしながら、本願商標と引用商標が類似することは前記3(1)のとおりであり、かつ、請求人の提出した証拠を総合しても、本願の指定商品との関係で本願商標が周知・著名性を有する等、前記判断を覆すべき事情は見当たらない。 また、請求人が挙げる過去の登録例、審決例、裁判例は、対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の登録例、審決例、裁判例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。 したがって、これらの点についての請求人の主張は採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(1) 本願商標 別掲(2) 引用商標2 別掲(3) 引用商標3 |
審理終結日 | 2010-08-03 |
結審通知日 | 2010-08-09 |
審決日 | 2010-08-23 |
出願番号 | 商願2008-33320(T2008-33320) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(X25)
T 1 8・ 262- Z (X25) T 1 8・ 263- Z (X25) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小林 薫 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
安達 輝幸 岩崎 良子 |
商標の称呼 | ファルケン |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 足立 泉 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 中田 和博 |