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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 130 |
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管理番号 | 1225038 |
審判番号 | 取消2010-300042 |
総通号数 | 131 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-11-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2010-01-13 |
確定日 | 2010-09-27 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2515948号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第2515948号商標(以下「本件商標」という。)は,「TEDDY BEAR」の欧文字を横書きしてなり,平成2年7月13日に登録出願,商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同5年3月31日に設定登録,その後,同15年1月21日に商標権存続期間の更新登録がなされ,さらに,同15年2月5日に指定商品の書換登録があった結果,指定商品を第30類「菓子及びパン」とするものである。 第2 請求人の主張 請求人は,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 請求人が調査した結果,本件商標は,商標権者により,少なくとも過去3年以内に日本国内でその指定商品には使用されていないことが判明した。したがって,本件商標は,取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)本件商標は,有名な「小熊のぬいぐるみ」の「テディベア」を請求人がその世界的著名性を利用して自己の利益の為に出願,登録したもので,その目的は,不正なものといわざるを得ない(甲第1号証)。 (2)被請求人は,上場企業として食品業界で日本を代表とする企業と考えれば,このような姑息な利益を得る目的として「登録商標」を所有していること自体,反社会的であり理解出来ない。自己の事業である食用油での事業が十分成り立っているのであるから,あえてこの様な他人の登録商標を登録して利益を維持する意味があるとは思えない(甲第2号証)。 (3)被請求人は,自ら商品を製造販売することもせず「株式会社ワンダーランド」に本件商標を貸与して使用料を得る目的で登録維持していることは「上場企業」の正当な業務とは思えない。 以上の理由により,本件商標の取消しを求める。 第3 被請求人の答弁 被請求人は,結論同旨の審決を求める,と答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,乙第1号証及び乙第2号証を提出した。 答弁の理由 1 通常使用権の存在 本件審判の被請求人である「日清オイリオグループ株式会社」は,大阪府豊中市春日町四丁目4番11号に所在する「株式会社ワンダーランド」との間で,本件商標に係る商標権について,平成7年3月1日付けで通常使用権の許諾契約を締結し(乙第1号証及び乙第2号証),株式会社ワンダーランドは,現在に至るまで,「菓子」について本件商標を使用してきた(乙第2号証)。 株式会社ワンダーランドは,菓子製品の企画及び卸売の事業を行っている会社であり,同社が企画した菓子は,取引先である日本全国の問屋及び小売店に卸売りされ,小売店を通じ一般消費者に販売されている(乙第2号証)。株式会社ワンダーランドは,同社が企画・販売するクッキー,キャンディー,チョコレート又はラムネといった商品の包装並びに商品に関する広告,価格表及び取引書類に本件商標を付し,これらを,同社の取引先である問屋及び小売店に対し,販売又は頒布してきた。 2 「菓子」についての本件商標の使用 乙第2号証の添付Aは,株式会社ワンダーランドが発行し,取引先に対して頒布した通年(オールシーズン)用の商品力タログ及びホワイトデー用の商品カタログ(2008年度版及び2009度番)の抜粋とその注文書の写しである。同商品カタログには,商品のパッケージ写真と,その中身であるクッキー,キャンディー,チョコレート又はラムネといった写真が掲載されている。 乙第2号証の添付Aのホワイトデー用カタログ「2008 WHITE DAY CATALOG」は,2008年(平成20年)のホワイトデーに向けて作成され,2007年(平成19年)8月下旬から取引先に頒布されたカタログであり,ここにはホワイトデー用の菓子商品が掲載されている。 一例として,T-5ページには,K8-823という商品(ハート型のクッキーと熊の形のキャンディー及びチョコレートが入っている。)とK8-825という商品(ハート型のクッキーと熊の形のキャンディーが入っている。)が掲載されているが,当該商品(「菓子」)の包装紙,包装袋又は包装用リボンには,いずれも本件商標が付されている。 また,実際に取引が行われた証明として,被請求人は,乙第2号証の添付Bの「売上伝票の写し」を提出する。同「売上伝票の写し」は,株式会社ワンダーランドが,取引先に対し,添付Aの商品カタログに掲載された商品を販売し,納品した際に実際に発行した売上伝票の写しであり,ここにもK8-823とK8-825の欄に,それぞれ片仮名の「テディベア」部分が表示されている。乙第2号証のAとして添付した2009年(平成21年)のホワイトデー用カタログ「2009 WHITE DAY CATALOG」も同様である。 ここで,前記商品カタログ及び商品の包装に付されたローマ字からなる「TEDDY BEAR」(又は「Teddy Bear」)の商標が本件商標と同一の商標であることはいうまでもない。 そして,前記商品カタログ,注文書及び売上伝票は,商標法第2条第3項第8号に規定する「商品に関する広告,価格表又は取引書類」に他ならないから,これらに本件商標を付して取引先に対し展示若しくは頒布する行為は,商標法第2条第3項第8号の「使用」に該当するものであり,また,商標を商品の包装に付する行為,及び,商品の包装に付したものを譲渡し,引き渡す行為は,それぞれ商標法第2条第3項第1号及び同第2号に該当するものである。 3 本件商標の使用時期 上記したとおり,本件商標が付された乙第2号証添付Aの商品カタログ及びその発注書は,それぞれ,平成19年(2007年)8月下旬,平成20年(2008年)3月下旬,及び,平成20年(2008年)8月下旬に,株式会社ワンダーランドにより発行され(乙第2号証の別紙),以後,同社の取引先に対し順次頒布されたものである。 また,これらのカタログに掲載されている,本件商標がその包装に付された「菓子」は,平成20年(2008年)2月4日,平成20年(2008年)7月8日,及び,平成21年(2009年)2月13日付で,前記取引先に対し販売(譲渡)され,納品(引き渡し)された(乙第2号証の添付B)。 しかして,これらの行為が,いずれも,本件商標の「使用」に該当することは,前記2のとおりであるから,本件商標が,本件請求の登録前3年以内の期間,すなわち,平成19年(2007年)1月29日から平成22年(2010年)1月29日までの間に「使用」されたことは明白である。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出に係る乙各号証から以下の事実が認められる。 (1)乙第1号証は,被請求人(商標権者)の知的財産管理室長による平成22年3月1日作成の陳述書であるところ,これからは,平成7年3月1日付けで,被請求人が,大阪府豊中市春日町所在の「株式会社ワンダーランド」に対し,本件商標に係る商標権の通常使用権を許諾し,その契約が少なくとも陳述書作成時まで継続していたことが認められる。 (2)乙第2号証は,株式会社ワンダーランドの代表取締役による平成22年3月1日作成の陳述書及び添付「A」「B」とするものであるところ,そのうちの陳述書からは,平成7年3月1日付けで,株式会社ワンダーランドが,被請求人と本件商標について商標使用許諾契約を締結し,その契約に基づき,本件商標を「菓子」について継続的に使用してきたことが認められる。 ア 添付「A」は,以下の(ア)ないし(ウ)に示すとおり,株式会社ワンダーランドによって発行され,取引先に対して頒布されたとする通年(2008年度版)用の商品力タログ及びホワイトデー用の商品カタログ(2008年度版及び2009度版)の抜粋写しとその注文書の写しである。 (ア)2008年のホワイトデー用カタログ「2008 WHITE DAY CATALOG」の抜粋写しのT-4ページ及びT-5ページには,その上部中央に多少デザイン化された「TeddyBear」の文字が付され,それを囲むように商品「クッキー」等菓子の荷姿が示されており,そこには,例えば,「K8-823」及び「K8-825」を品番とする商品が掲載され,各商品写真の下に商品の品番及び価格等と共に「ディベアモノグラム・KW」及び「ラブリーテディベアPA・WS」と記載されている。また,当該商品の包装紙,包装袋又は包装用リボンには,「Teddy Bear」(又は「TEDDY BEAR」)のローマ字が付されいる。 そして,そのカタログに掲載されている菓子についての注文書には,商品の注文の締め切りとして,できる限りホワイトデー商品は12月10日までとする旨の記載がされている。 (イ)2008年通年用の商品カタログ「2008 ALL SEASON CATALOG」の抜粋写しのT-7ページには,左上に「TeddyBear」の文字が付され,その下に,「ガム」,「ラムネ」,「キャンディ」等菓子の荷姿が示されており,それぞれの商品の包装袋に「Teddy Bear」又は「TEDDY BEAR」のローマ字が付されている。 (ウ)2009年のホワイトデー用カタログ「2009 WHITE DAY CATALOG」の抜粋写しのT-4ページには,その左上部に多少デザイン化された「TeddyBear」の文字が付され,その下に,「クッキー」等の荷姿がT-5ページに亘って示されており,そこには,例えば,「K9-524」及び「K9-525」を品番とする商品が掲載され,各商品写真の下に,商品の品番及び価格等と共に「テディベアフレンズYE・WM」及び「テディベアフレンズPI・WM」と記載されている。また,それぞれの商品の包装箱又は包装用リボンには,「Teddy Bear」(又は「TEDDY BEAR」)のローマ字が付されている。 そして,そのカタログに掲載されている菓子についての注文書には,商品の注文の締め切りとして,できる限りホワイトデー商品は12月10日までとする旨の記載がされている。 イ 添付「B」は,株式会社ワンダーランドが,2008年(平成20年)2月4日付け,同年7月8日付け及び2009年(平成21年)2月13日付けで発行した,取引先に対する売上伝票の写しであるところ,これらの「品名」欄等に記載された「テディベアモノグラム・KW」等の品名は,上記(1)の商品カタログに掲載されたものと符合する。 2 以上の事実を総合してみると,通常使用権者と認め得る株式会社ワンダーランドが,2008年及び2009年発行の商品カタログを頒布し,注文書に基づき,そのカタログに掲載されている「ガム」,「ラムネ」,「キャンディ」及び「クッキー」等の請求に係る商品中の「菓子」を,本件審判の請求の登録前3年以内(2008年(平成20年)2月4日,同年7月8日及び2009年(平成21年)2月13日)に,取引先に販売したことが認められる。 そして,上記商品カタログ,注文書及び売上伝票には,「TEDDY BEAR」及び「Teddy Bear」の文字が付されており,該文字は,本件商標と社会通念上同一と認められるものである。 3 まとめ 以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,通常使用権者によって,本件商標と社会通念上同一の商標を請求に係る商品中「菓子」について使用していたことを証明したものというべきである。 したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべき限りでない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-07-29 |
結審通知日 | 2010-08-02 |
審決日 | 2010-08-18 |
出願番号 | 商願平2-79470 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(130)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 杉山 和江 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
小川 きみえ 小林 由美子 |
登録日 | 1993-03-31 |
登録番号 | 商標登録第2515948号(T2515948) |
商標の称呼 | テディベア |
代理人 | 辻居 幸一 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 加藤 ちあき |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 藤倉 大作 |