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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X25 審判 査定不服 観念類似 登録しない X25 審判 査定不服 外観類似 登録しない X25 |
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管理番号 | 1225020 |
審判番号 | 不服2010-8370 |
総通号数 | 131 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-11-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-04-20 |
確定日 | 2010-09-24 |
事件の表示 | 商願2009-8422拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ARMY」の欧文字を標準文字で表してなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成21年2月9日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原審において、本願の拒絶の理由に引用した国際登録第867683号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、2005年9月30日に国際商標登録出願、第25類「Clothing, namely dresses, jackets, pants, and tops.」を指定商品として平成18年11月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり、「ARMY」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、我国で一般に親しまれた英語の成語であることから、その構成文字に相応して「アーミー」の称呼を生じ、「(一国の)軍隊」の観念を生じるものである。 他方、引用商標は、前記2のとおり、「ARMY」の欧文字と、その右下に「PINK」の欧文字を普通に用いられる方法で左横書きし、「PINK」の欧文字のやや右上に雲と思しき図形を、当該文字のやや右下に戦車と思しき図形を、さらに当該文字の左斜め下に、二人の銃を携えた兵士と思しき図形を描いてなるものである。そして、「ARMY」と「PINK」の文字の配置は、上下二段に、位置をずらして書き分けられていることから、視覚上も分離して観察されるものである。さらに、構成中の「PINK」の文字は、本願指定商品の分野においては、色彩の一つを表すピンク(桃色)を意味する平易な英語であることからすれば、当該文字は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか、又は、その機能が極めて弱いというべきものである。また、「ARMY」と「PINK」の文字を組み合わせた「ARMY PINK」が、一連の熟語として特定の意味合いを有するともいい難いものであるから、観念上、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、認識、把握されなければならない格別の事情も見いだせないものである。加えて、引用商標の構成中の戦車と思しき図形や銃を携えた兵士の図形部分からは、「軍隊」の観念を極めて容易に想起するところ、「ARMY」の文字部分から生ずる観念とも合致することとあいまって、「アーミー」の称呼、「軍隊」の観念が強く印象づけられる場合も少なくないというべきである。 そうとすると、簡易迅速をたっとぶ取引の実際においては、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「ARMY」の文字部分に着目し、これより生ずる称呼、観念をもって取引に当たる場合も決して少なくないものというのが相当であるから、引用商標は、その構成文字全体に相応した「アーミーピンク」の称呼のほかに「ARMY」の文字部分に相応した「アーミー」の称呼及び「(一国の)軍隊」の観念をも生ずるものと判断するのが相当である。 また、本願商標と引用商標の要部である「ARMY」の文字部分においては、構成文字を共通にすることから、外観においても近似するものである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、文字の外観において近似し、称呼及び観念を共通にする互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。 なお、請求人は、インターネット上の販売サイトにて、引用商標が「アーミーピンク」と認識されていること及び過去の商標の登録例や審決例を挙げ、本願商標と引用商標とは類似しない旨主張している。しかしながら、インターネット上に請求人が主張するような表示があるとしても、商標の類否の判断は、取引者、需要者がどのように認識するのかとの観点から個別具体的に判断すべきものであるところ、引用商標については、「ARMY」の文字部分が、自他商品の識別標識としての機能を果たすことは上記のとおりである。また、過去の登録例や審決例は、いずれも本願とは商標の構成態様を異にするばかりでなく、商標の類否判断は、上記のとおり、比較する両商標について個別具体的に考察し、検討されるべきものであって、他の登録例等の存在によって、判断が左右されるものではないから、請求人の主張は採用することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(引用商標) |
審理終結日 | 2010-07-22 |
結審通知日 | 2010-07-28 |
審決日 | 2010-08-10 |
出願番号 | 商願2009-8422(T2009-8422) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(X25)
T 1 8・ 262- Z (X25) T 1 8・ 263- Z (X25) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山田 忠司 |
特許庁審判長 |
芦葉 松美 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 内田 直樹 |
商標の称呼 | アーミー |
代理人 | 樺澤 襄 |
代理人 | 樺澤 聡 |
代理人 | 山田 哲也 |