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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X122535
審判 一部申立て  登録を維持 X122535
管理番号 1223154 
異議申立番号 異議2009-900425 
総通号数 130 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-10-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-11-09 
確定日 2010-08-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第5254192号商標の指定商品中、登録異議の申立てに係る指定商品についての商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5254192号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5254192号商標(以下「本件商標」という。)は、「PITON」の欧文字と「ピトン」の片仮名とを二段に横書きしてなり、平成20年7月23日に登録出願、第12類、第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同21年6月22日に登録査定、同年8月7日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のとおりの商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。
ア 登録第3198367号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成5年7月15日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同8年9月30日に設定登録され、同18年10月3日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
イ 登録第4321312号商標(以下「引用商標2」という。)は、「KITON」の欧文字を標準文字で表してなり、平成9年12月3日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同11年10月1日に設定登録され、同21年10月6日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
ウ 国際登録第699329号商標(以下「引用商標3」という。)は、「KITON」の欧文字を横書きしてなり、2006(平成18)年3月29日に国際商標登録出願(事後指定)、第9類、第14類、第16類、第19類、第25類及び第34類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同20年8月29日に設定登録されたものである。
エ 登録第2006643号商標(以下「引用商標4」という。)は、「VUITTON」の欧文字を横書きしてなり、昭和52年4月12日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同62年12月18日に設定登録され、平成10年1月27日及び同19年12月25日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同20年7月16日に指定商品を第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
オ 登録第4837164号商標(以下「引用商標5」という。)は、「VUITTON」の欧文字を横書きしてなり、2000年2月18日に、域内市場における調和のための官庁においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成12年8月16日に登録出願、第14類、第18類、第25類及び第38類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同17年2月4日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標からは「ピトン」の称呼を生ずるのに対して、引用商標1ないし3からは「キトン」の称呼を生じ、引用商標4及び5からは「ビトン」の称呼を生ずる。
本件商標の称呼と引用商標1ないし3の称呼とは、語頭の「ピ」と「キ」の差にすぎず、その差異音も共に破裂音であるうえに、母音(i)を共通にするため、語調・語感が近似しており、それぞれを一連に称呼したときは聴別し難く相紛らわしいものである。また、本件商標の称呼と引用商標4及び5の称呼とは、語頭の「ピ」と「ビ」の差にすぎず、しかも、その差異音は半濁音と濁音の差であるために、聴別し難く、それぞれを一連に称呼したときは極めて紛らわしいものである。
そして、本件商標の欧文字部分と引用各商標とは、「I」、「T」、「O」、「N」の4文字を共通にしているため、外観においても紛らわしいものであり、両商標の指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、その指定商品及び指定役務中の第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,エプロン,手袋,マフラー,耳覆い,帽子,防暑用ヘルメット」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
本件商標は、前記1のとおり、「PITON」の欧文字と「ピトン」の片仮名からなるものであり、その構成中の片仮名部分は、欧文字部分から生ずる読みを無理なく特定したものと認められるから、「ピトン」の称呼を生ずるものである。そして、その構成中の「PITON」の欧文字は、「ハーケン」等の意味を有する英語と認められるものであるが、我が国において一般に親しまれているとはいい難いものであるから、本件商標は、一種の造語と認識され、観念を生じないものである。
一方、引用各商標は、前記2(1)のとおりの構成からなるものであるから、それぞれ構成文字に相応して、引用商標1ないし3からは「キトン」の称呼を生じ、引用商標4及び5からは「ヴィトン」の称呼を生ずるものであり、いずれも特定の観念を生じるものではない。
そこで、まず本件商標から生ずる「ピトン」の称呼と引用商標1ないし3から生ずる「キトン」の称呼とを比較するに、これらの称呼は、共に3音構成からなり、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音において、「ピ」と「キ」の音の差異を有するものである。
しかして、該「ピ」の音は、両唇を合わせて破裂させる無声子音(p)と母音(i)との結合した音節であるのに対して、該「キ」の音は、後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する無声子音(k)と母音(i)との結合した音節であるから、調音方法を異にし、音質において明らかな差異を有するものであって、いずれも破裂音にしてそれ自体明瞭に発音され、明瞭に聴取し得るものということができる。
そうとすれば、これらの各音の差異は、わずか3音という短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、本件商標と引用商標1ないし3の称呼は、それぞれを一連に称呼するも、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。
次に、本件商標から生ずる「ピトン」の称呼と引用商標4及び5から生ずる「ヴィトン」の称呼とを比較するに、これらの称呼も、共に3音構成からなり、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音において、「ピ」と「ヴィ」の音の差異を有するものである。
しかして、該「ピ」の音は、上記のとおり、両唇を合わせて破裂させる無声子音(p)と母音(i)との結合した音節であるのに対して、該「ヴィ」の音は、下唇を上歯に接近させて、その間隙を通路として出て行く呼気の摩擦音(唇歯擦音)であるから、この両音も調音方法を異にし、音質において明らかな差異を有するものということができるうえ、両音にアクセントをおいて明瞭に発音されるものである。
そうとすれば、これらの各音の差異は、わずか3音という短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、本件商標と引用商標4及び5の称呼は、それぞれを一連に称呼するも、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。
また、本件商標と引用各商標とは、全体の外観において顕著な差異を有するばかりでなく、両商標の欧文字部分のみを比較してみても、本件商標の語頭部分は「P」であるのに対して、引用商標1ないし3の語頭部分は「K」であり、引用商標4及び5の語頭部分は「VU」であって、視覚上、字形が明らかに異なる文字の差異を有するものであり、しかも、本件商標と引用商標4及び5との比較にあっては、中間部分においても「T」の文字の数においても差異を有するものであるから、両商標における需要者の通常の注意力をもってすれば、本件商標と引用各商標の外観を見誤ることはないものというべきである。
さらに、本件商標と引用各商標は、前記のとおり、いずれも観念を生じないものであるから、観念については、比較することができない。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は見いだせない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
引用商標1


異議決定日 2010-08-12 
出願番号 商願2008-64087(T2008-64087) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (X122535)
T 1 652・ 261- Y (X122535)
最終処分 維持  
前審関与審査官 今田 三男津金 純子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 末武 久佳
小畑 恵一
登録日 2009-08-07 
登録番号 商標登録第5254192号(T5254192) 
権利者 有限会社モル・ティム
商標の称呼 ピトン 
代理人 山崎 和香子 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 加藤 義明 

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