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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X35
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない X35
管理番号 1223100 
審判番号 不服2009-5946 
総通号数 130 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-03-19 
確定日 2010-08-30 
事件の表示 商願2007-38075拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ギフトプラザ」の片仮名文字を横書きしてなり、第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成19年4月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『贈答品を取り扱っている場所・専門店』であることを表す語として広く使用されている『ギフトプラザ』の文字を書してなるものであるから、これを本願指定役務に使用するときは、役務の質、提供場所を普通に用いられる方法で表してなるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
ア 本願商標は、前記1のとおり、「ギフトプラザ」の文字からなるところ、その構成中「ギフト」の文字部分は、「贈り物」等を意味する英語「gift」の表音として一般的によく知られている外来語であり、また、「プラザ」の文字部分も、「広場、市場、ショッピングセンター」等を意味する英語「plaza」の表音として良く知られている外来語である。
そして、これら両語を一連に組み合わせた「ギフトプラザ」の文字からは「贈り物広場(市場)」程の意味合いを容易に看取させるものというべきである。
イ ところで、「ギフトプラザ」の文字が、原審説示の如く、本願の指定役務を提供する業界において、「贈答品を取り扱っている専門店」の名称として普通に採択、使用されている実情にあるところ、例えば、「Yahoo!電話帳」(http://phonebook.yahoo.co.jp/) を利用して「ギフトプラザ」を検索すると、以下のとおり、「ギフトプラザ」の文字を含む「贈答品店」が、全国に多数存在することが窺われ、その実情が十分に裏付けられるところである。
(ア)「ギフトプラザうえの」北海道登別市富士町/業種:贈答品店
(イ)「ギフトプラザクレール」岩手県大船渡市赤崎町/業種:贈答品店
(ウ)「ギフトプラザ三埼」埼玉県行田市佐間/業種:贈答品店
(エ)「ギフトプラザかねなか」新潟県南魚沼市六日町/業種:人形店、贈答品店、祝儀用品
(オ)「ギフトプラザ悠久」静岡県伊豆の国市/ 業種:贈答品店
(カ)「ギフトプラザアスター」岐阜県大垣市静里町/ 業種:贈答品店
(キ)「ギフトプラザ和幸」福岡県福岡市東区 / 業種:贈答品店
(ク)「ギフトプラザおおた」長崎県対馬市厳原町 / 業種:贈答品店
ウ 以上の実情からしても、「ギフトプラザ」の文字に接した取引者、需要者は、「贈答品を取り扱っている専門店(贈答品店)」の如き意味合いを理解、認識するにすぎないというべきであるから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に役務の質(提供場所、提供内容)を表示したものと理解するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。

(2)商標法第3条第2項について
ア 請求人は、本願商標は、使用により自他役務の識別力を獲得しているから、商標法第3条第2項の要件を具備している旨主張し、証拠方法として甲第1号ないし第49号証を提出している。
イ ところで、出願に係る商標が、指定役務に係る役務の質を表示するものとして商標法第3条第1項第3号に該当する場合であって、それが同条第2項に該当し、登録が認められるかどうかは、使用に係る商標及び役務について、使用開始時期及び使用期間、使用地域、当該役務に係る売上高等並びに広告宣伝の方法及び回数等を総合考慮して、出願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものと認められるかどうかによって決定すべきものであり、その場合に使用に係る商標及び役務は、出願に係る商標及びその指定役務と同一の場合に限られるものである。
ウ 上記の観点を踏まえて、請求人が提出した証拠を検討する。
(ア)甲第1号証によれば、売上高が40億2700万円(2007年8月)、店舗数が19店舗であること並びに店舗の所在地が福島県、山形県、宮城県及び栃木県の4県に所在することが認められる。
しかしながら、請求人の役務の提供場所が、福島県、山形県、宮城県及び栃木県の、わずか4県に限られていることからすると、本願商標が、その指定役務について使用された結果、請求人の業務に係る役務であることが一般の取引者、需要者にまで、全国的に広く認識されるに至ったものであるとは俄に認めることはできない。
(イ)甲第2号ないし第15号、第17号ないし第23号及び第28号ないし第43号証によれば、本願商標が、四角枠内の図形マーク(ハート型のロゴマーク)と共に使用されている例や、「GIFT PLAZA」の欧文字と共に使用されている例が多数認められるのに対し、「ギフトプラザ」の文字が単独で使用されているものは極めて少ない。
そうすると、本願商標と請求人が実際に役務に使用している商標とは、その構成態様を異にするものであるから、出願された商標と使用している商標とは同一とはいえず、したがって、商標法第3条第2項の要件である、出願商標と使用商標の同一性は認められないものである。
(ウ)甲第24号ないし第26号証は、「テレビスポット放送確認書」であるが、15秒CMが株式会社福島放送、株式会社山形テレビ及び株式会社仙台放送において、いずれも2008年1月に1日数回程度放送されたことが認められる。
しかしながら、本願商標に関するCM放送の放映地域は、福島県、山形県及び仙台(宮城県)を放送圏内とする限られた地域・範囲内での、僅か1月間の放送であることなどを勘案すると、全国の一般需要者が、これらのCM放送に接する機会が少なからずあったとは認め難いものである。
エ 以上のとおり、請求人提出の各証拠を総合しても、本願商標が、その指定役務に使用された結果、自他役務の識別力を獲得するに至ったと認めるに足る充分かつ客観性のある事実は見出せないから、本願商標が、商標法第3条第2項の要件を具備しているとの請求人の主張は、採用することができない。
オ なお、請求人は、「全国的に周知であるとの証明がされていない商標についても商標法第3条第2項の適用を受け,登録となった例がいくつもある」旨主張している。
しかしながら、商標登録出願に係る商標が上記条項に該当するか否かの判断は、当該商標の指定役務との関係における、その役務の取引の実情等を考慮して、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、請求人が挙げた商標登録例の存在によって、前記判断が左右されることはないというべきである。
また、請求人は、「甲第23号証で示すように、宅配は上記4県にとどまることなく全国へ配達可能であり、出願人によるホームページは全国で閲覧可能である。さらに甲第27号証に示す月刊セレクトは全国に配布されているから、ギフト業界において『キフトプラザ』の名称は広く知られ認識されるに至っている」旨主張している。
しかしながら、宅配やインターネットによる取引の実情・販売数量等のデータは一切不明であり、月刊セレクトによって本願商標が著名になっていることを示す具体的かつ客観的な証拠の提出もないものであるから、これらの存在を主張するだけでは、本願商標の著名性を立証したということはできない。

(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、提出された証拠によっては、本願商標が同法第3条第2項の要件を具備するに至ったものとは認めることができない。
したがって、本願商標を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-07-02 
結審通知日 2010-07-05 
審決日 2010-07-20 
出願番号 商願2007-38075(T2007-38075) 
審決分類 T 1 8・ 17- Z (X35)
T 1 8・ 13- Z (X35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 亨子今田 三男 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 小川 きみえ
小田 昌子
商標の称呼 ギフトプラザ 
代理人 菅原 正倫 

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