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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X0942
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X0942
管理番号 1222988 
審判番号 不服2009-444 
総通号数 130 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-01-05 
確定日 2010-09-08 
事件の表示 商願2007-91446拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「クリエイティブ公会計」の文字を標準文字で表してなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定商品及び指定役務として、平成19年8月24日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3148026号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成5年4月6日登録出願、第9類「コンピュ?タ?用の回路基板,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同8年4月30日に設定登録され、その後、同18年2月21日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決)、商標は、その構成部分全体によって他人の商標と識別すべく考案されているものであるから、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決)。
これを本件についてみるに、本願商標は、上記1のとおり「クリエイティブ公会計」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の各文字は、いずれも同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
そして、構成中の「クリエイティブ」の文字部分は、「創造的・独創的」(「大きな字のカタカナ語辞典第2版」株式会社学習研究社)の意味を有するよく知られた外来語であり、「公会計」の文字部分は、「国および公共団体で実施される会計。」(「広辞苑第6版」(株式会社岩波書店)」の意味を有する語であるから、本願商標は、「クリエイティブ」の文字と「公会計」の文字を組み合わせたものと容易に認識、把握されるが、構成文字全体をもって親しまれた既成の観念を有するものであるとはいい難い。
ところで、本願の指定商品中、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品である、「電子応用機械器具及びその部品」に関して、インターネット情報に以下の記載がある。
(1)「クリエイティブ」の語について
ア 「Vista アップデートセンター」の見出しのもと「CyberLink ソフトウェア & Windows Vista CyberLinkソフトウェアで、Vistaの準備は万全。再生、ライティング、クリエイティブなソフトウェアはアップデートされ、Windows Vistaオペレーティングシステムのために強化されました。」の記載(http://jp.cyberlink.com/stat/vista/jpn/index.jsp)。
イ 「クリエイティブソフトウェア」の見出しのもと「Mac用ソフトウェアで迷った時は、マックパーフェクトでジャンル別に、セキュリティ、ユーティリティ、ビジネス、クリエイティブ、ゲーム、ミュージックの人気ソフトがチェックできます。」の記載(http://macperfect.com/cts/affiliate/soft/act2soft_creative.htm)。
ウ 「アドビ、クリエイティブソフト『CS5』を5月28日から発売」の見出しのもと「アドビシステムズは12日、プロ用クリエイティブソフトの新バージョンとして『CS5』を発表。」の記載(http://www.rbbtoday.com/article/2010/04/12/67027.html)。
エ 「N-trigと富士通、ハンズオンコンピューティングの高速化と楽しさの追求を目指して提携」の見出しのもと「OEM企業の強力なコンピューター製品とISVの新しいクリエイティブなアプリケーションが一般消費者と企業の注目を集めてハンズオンコンピューティング市場が拡大する中、当社はそのサプライチェーンの継続的な強化と発展に注力していきます。」の記載(http://www.businesswire.com/portal/site/home/permalink/?ndmViewId=news_view&newsId=20090630005068&newsLang=ja)。
オ 「スクラッチ(Scratch)」の見出しのもと「初心者?上級者まで自分のアイデアでゲームやアート作品など幅広い作品を作ることのできるクリエイティブなソフトウェアです。」の記載(http://www.robolab.biz/wedo/profile.html)。
(2)「公会計」の語について
ア 「PPP(トリプル・ピー)は、発生主義・複式簿記に基づく公会計財務諸表を出力するソフトウェアです。2008年10月現在、唯一実稼働する公会計パッケージソフトウェア(弊社調べ)として、全国の地方公共団体で活用されているソフトウエアです。」
イ 「ソリューション」「ソフトウェア」の見出しのもと、「『総務省方式改訂モデルに基づく財務書類作成要領』に対応した公会計改革対応システム 『LOGFIN21 for BS/Light』は、総務省より発表された『総務省方式改訂モデルに基づく財務書類作成要領』に基づいて開発されたシステムです。当社では、総務省提案モデルのうち『総務省方式改訂モデル』を採用し、地方自治体様の各財務諸表の作成をサポートします。」の記載(http://www.jokan.co.jp/soft_logfinbs.html))。
ウ 「新地方公会計制度に対応した自治体財務諸表作成システムを販売開始」の見出しのもと、「当社は『IPKNOWLEDGE』という自治体向けの事務支援システムのシリーズ製品を通して自治体を長年に渡ってサポートしてきました。また、30年以上にわたり600以上の自治体向け財務会計システム導入に取り組んできました。今までの経験と実績を活かし、このたび新たな公会計制度に対応した財務情報システム『IPKNOWLEDGE財務情報 財務諸表作成システム(基準モデル版)V2』を開発しました。」の記載(http://pr.fujitsu.com/jp/news/2009/08/13.html))。
エ 「公会計システムの販売で県に著作権収入、岐阜県と東芝ソリューションが合意 」の見出しのもと、「岐阜県と東芝ソリューションは12月17日、県の持つ総合財務会計システムに関する著作権利用に関する覚書を取り交わした。著作権を持つ岐阜県は、東芝ソリューションが他の団体のためのシステムを開発することを認め、県がその対価を得るというもの。」の記載(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081217/321624/))。
そうとすると、本願商標は、その構成中の「クリエイティブ」及び「公会計」の各文字部分は、いずれも、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いというのが相当であり、その識別力において特段の軽重の差があるものではないから、殊更、「クリエイティブ」の文字部分が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものではない。
そうすると、本願商標は、前記のとおりの外観からして一連一体の造語として認識し、把握されるとみるのが自然であるから、その構成文字に相応して、「クリエイティブコウカイケイ」の称呼のみを生ずるものというべきである。
他方、引用商標は、別掲のとおり、多少図案化してなるが一般に知られている「CREATIVE」の欧文字を表したものと容易に認識できるものであるから、その構成文字より「クリエイティブ」の称呼及び「創作的な、独創的な」等(「研究社新英和大辞典」株式会社研究社)の観念を生ずるものである。
そして、本願商標から生ずる「クリエイティブコウカイケイ」の称呼と引用商標から生ずる「クリエイティブ」の称呼を比較しても、その音構成及び構成音数の差異より相紛れるおそれはない。
また、本願商標と引用商標は、それぞれの構成に照らし、外観についても判然と区別する差異を有するものであり、また、観念については、本願商標が親しまれた既成の観念を有するものではないから、比較することができない。
ほかに、本願商標と引用商標は、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとみるべき特殊の取引の事情も見いだせない。
したがって、本願商標と引用商標は、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした、原査定は、妥当でなく、その理由をもって本願を拒絶することはできない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
引用商標

(色彩は原本参照)


審決日 2010-08-24 
出願番号 商願2007-91446(T2007-91446) 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (X0942)
T 1 8・ 262- WY (X0942)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大橋 良成 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 末武 久佳
大森 友子
商標の称呼 クリエイティブコーカイケー、クリエイティブ、コーカイケー 
代理人 志賀 正武 
代理人 村山 靖彦 

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