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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X11
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X11
管理番号 1222980 
審判番号 不服2009-14495 
総通号数 130 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-08-11 
確定日 2010-08-19 
事件の表示 商願2008-19603拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「フォレストエアコン」の片仮名を標準文字で表してなり、第11類「乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置,化学物質を充てんした保温保冷具」及び第12類「陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,動力伝導装置,緩衝器,ばね,制動装置,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、平成20年3月14日に登録出願されたものであるが、その指定商品については、原審における同20年11月21日付け手続補正書により、第11類「業務用エアコンディショナー,自動車用エアコンディショナー」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2487473号商標(以下、「引用商標1」という。)は、「フォレスト」の片仮名を横書きしてなり、平成元年8月9日登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年12月25日に設定登録され、その後、同15年1月7日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年6月2日に指定商品を第11類「脱臭装置用多孔質セラミック製充填材,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,牛乳殺菌機,工業用炉,原子炉,飼料乾燥装置,ボイラー,暖冷房装置,冷凍機械器具,業務用衣類乾燥機,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。),業務用加熱調理機械器具,業務用食器乾燥機,汚水浄化槽,し尿処理槽,業務用ごみ焼却炉,太陽熱利用温水器,浄水装置,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(2)登録第2487474号商標(以下、「引用商標2」という。)は、「FOREST」の欧文字を横書きしてなり、平成元年8月9日登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年12月25日に設定登録され、その後、同15年1月7日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年6月2日に指定商品を第11類「脱臭装置用多孔質セラミック製充填材,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,牛乳殺菌機,工業用炉,原子炉,飼料乾燥装置,ボイラー,暖冷房装置,冷凍機械器具,業務用衣類乾燥機,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。),業務用加熱調理機械器具,業務用食器乾燥機,汚水浄化槽,し尿処理槽,業務用ごみ焼却炉,太陽熱利用温水器,浄水装置,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
以下、これらをまとめていうときは、「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 「商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生じるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかも、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断しなければならない」(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。しかるところ、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められる場合において、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、原則として許されない。他方、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも、許されるものである」(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁参照、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
以上のことを踏まえて、本願商標と引用商標との類否について判断する。
イ 本願商標は、前記1のとおり、「フォレストエアコン」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成中、前半部分の「フォレスト」の文字は、「森林、林野」(「コンサイスカタカナ語辞典」第2版 株式会社三省堂 2000年11月30日発行)等の意味を有する語であり、また、後半部分の「エアコン」の文字は、「エアコンディショナー」(前掲 「コンサイスカタカナ語辞典」)等の意味を有する語であり、該語は「空気調節装置、冷暖房装置、邦略してエアコン」(前掲 「コンサイスカタカナ語辞典」)等の意味を有する語であって、いずれも我が国では一般に親しまれた語であるばかりではなく、両者を結合して親しまれた熟語を形成しているものともいえないから、本願商標はこれら2語からなるものと容易に認識し把握されるというのが相当である。
そうとすると、本願商標は、その構成中、後半部分の「エアコン」の文字が本願商標の指定商品との関係において、「空気調節装置、冷暖房装置」等を表す商品の普通名称又は商品の品質を表すものであって、取引上普通に使用されているものであるから、出所識別標識としての機能を有しないか、その機能が極めて弱い部分といえるものである。
一方、本願商標の構成中の「フォレスト」の文字は、その指定商品との関係において自他商品の識別標識としての機能が無いか又は弱いとみるべき特段の事情は見いだせない。
そうすると、本願商標は、その前半部分の「フォレスト」の文字が取引者、需要者にとって出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められ、独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得るというのが相当であるから、本願商標は、その構成文字全体に相応して「フォレストエアコン」の称呼を生ずるほかに、「フォレスト」の文字に相応して「フォレスト」の称呼をも生ずるものというべきであり、また、これよりは、「森林」の観念を生じるものである。
一方、引用商標1は、「フォレスト」の片仮名からなるものであり、また、引用商標2は、「FOREST」の欧文字からなるものであるから、これらは、いずれも、その構成文字に相応して、「フォレスト」の称呼及び「森林」の観念を生じるものとみるのが相当である。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において相違するとしても、「フォレスト」の称呼を共通にする上、観念についても、「森林」の観念を共通にするものであるから、称呼と観念とにおいて相紛らわしい類似の商標といわざるを得ない。
そして、本願商標の指定商品と引用商標に係る指定商品中、「暖冷房装置」とは、類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、過去の審決例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張するが、請求人が挙げている審決例は、対比する商標の構成態様において本願商標と異なるものであり、また、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断するべきものであって、過去の登録例の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、請求人の主張は採用することはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-06-17 
結審通知日 2010-06-21 
審決日 2010-07-05 
出願番号 商願2008-19603(T2008-19603) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X11)
T 1 8・ 263- Z (X11)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 薩摩 純一 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 末武 久佳
榎本 政実
商標の称呼 フォレストエアコン、フォレスト 
代理人 市川 利光 
代理人 小栗 昌平 

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