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審決分類 審判 査定不服 商3条1項4号 ありふれた氏、名称 登録しない X35
審判 査定不服 商3条柱書 業務尾記載 登録しない X35
管理番号 1222946 
審判番号 不服2009-176 
総通号数 130 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-01-05 
確定日 2010-08-11 
事件の表示 商願2007- 31614拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「岡田屋」の文字を横書きにしてなり、第35類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年4月2日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同20年1月23日付け手続補正書により、別掲(1)に示すとおりの役務に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、以下の(1)及び(2)のとおり認定、判断し本願を拒絶したものである。
(1)商標登録を受けることができる商標は、現在使用をしているもの又は近い将来使用をするものと解されるところ、本願商標をその指定役務について、使用しているか又は近い将来使用することについて疑義があるものである。
したがって、この商標登録出願は、商標法第3条第1項柱書きの要件を具備しない。
(2)本願商標は、ありふれた氏姓の一つと認められる「岡田」の文字に屋号・店名に広く使用されている「屋」の文字を結合して「岡田屋」と表してなるにすぎないものであるから、これはありふれた名称普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第4号の該当性について
本願商標は、「岡田屋」の文字を書してなるところ、その構成中の「岡田」の文字は、「広辞苑第六版」によれば、「姓氏の一つ。」と記載されており、また、「岡田」の姓は、「日本人の姓」(佐久間英著、1972年3月8日 六藝書房発行)によれば、約25万人で全国30位に位置づけられる姓であることが記載されていることからすれば、ありふれた氏といい得るものである。
また、本願商標の構成中の「屋」は、「(接尾)その職業の家またはその人を表す語。」等を意味する語(広辞苑第六版)であり、屋号や店名に広く使用されるものである。
そうとすれば、これらの文字を結合してなる「岡田屋」の文字は、全体として、ありふれた名称普通に用いられる方法で表示するものとして理解されるとみるのが相当である。
そして、別掲(2)に示すとおり、関東地域に限定しても、「岡田屋」の語は、多数の者が、これを店名として使用していることが認められるものである。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第4号に該当するものである。
(2)商標法第3条第2項の該当性について
請求人は、平成20年1月23日付け意見書及び同21年1月5日付け審判請求書(同年3月18日付け手続補正書において「請求の理由」を補完)において、「本願商標は、仮に識別力がないとしても需要者によく知られた結果、識別力を有するに至ったものと解することができるため、本件商標は商標法第3条第2項を適用され登録されるべきである。」旨主張し、その証拠資料として、原審における平成20年1月23日付け手続補足書において提出された添付資料1及び同21年3月18日付け手続補正書に添付された「周知著名証明書」として、2009年3月6日発行の日本経済新聞の抜粋記事と横浜商工会議所の会頭名による本願商標「岡田屋」が周知かつ著名であるとの平成21年2月23日付け証明書を提出している。
ところで、商標法第3条第2項は、本来識別性がないものについて、現実の使用に基づいて例外的に商標登録を認めることから、登録が認められるための要件としては「1)実際に使用している商標が、判断時である審決時において、取引者・需要者において何人の業務に係る商品であるかを認識することができるものと認められること、及び、2)登録が認められる商標及び指定商品は、実際に使用している商標及び商品と同一であること」と解されるものであり、また、「登録により発生する権利は、全国的に及ぶ独占権であることも考慮すると、同条同項は、厳格に適用されるべきである」旨、判示されている(知的財産高等裁判所平成18年(行ケ)10441号判決(判決日:平成19年3月29日)及び同平成19年(行ケ)10243号判決(判決日:平成19年3月29日)参照)。
そこで、上記観点に照らし、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備しているか否かについて、以下検討する。
資料1は、会社案内及び店舗の外観写真であるところ、会社案内の一部に
「岡田屋」の文字が使用されているものであるとしても、実際に商標として使用されているのは「MORE’S」の文字であり、「岡田屋」の文字が店舗の看板等に使用されている事実は認められない。
また、小売りに関する役務以外の「広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言」等を含む本願指定役務について、「岡田屋」の文字が使用されていることを確認することができないものである。
2009年3月6日発行の日本経済新聞の「交遊抄/私のアンテナ/松本純」と題する抜粋記事には、「・・『MORES』を出店する横浜岡田屋の岡田伸浩社長との出会いだ。」の記載が見受けられるのみで、さらに、横浜商工会議所会頭名による本願商標「岡田屋」が、需要者等に広く認識されているとする証明も、実際に、請求人が、店舗等で使用している商標が、「岡田屋」とは、相違する「MORE’S」の文字であることからすれば、かかる新聞の抜粋記事及び証明書の存在をもって、本願商標が、請求人を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと、直ちに、判断できないものである。
そうしてみると、出願に係る商標「岡田屋」と、請求人が実際に使用している商標「MORE’S」とは、その構成態様を全く異にするものであって、また、使用に係る役務が、広告等を含む広範な本願の指定役務と同一であることを確認することもできないものであるから、本願商標は、その指定役務について使用された結果、需要者が請求人の業務に係る役務であることを認識するに至っているとは認められないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとは認められない。
(3)商標法第3条第1項柱書きの要件を具備するか否かについて
請求人は、本願商標をその指定役務中の「財務書類の作成,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与」について、使用しているか又は近い将来使用することについての疑義を解消するために、何ら書類の提出等をしていない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書きの要件を具備するものとは認められない。
(4)結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条1項第4号に該当し、かつ、同条第2項並びに同条第1項柱書きの要件を具備するものではないとする原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(1)
第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,財務書類の作成,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与,衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自転車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,葬祭用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,燃料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,写真機械器具及び写真材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建築材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」

別掲(2)
岡田屋
住所:東京都大田区田園調布5丁目36-3 業種: 食料品店

住所:東京都杉並区成田東1丁目32-13 業種: 洋品店
住所:東京都葛飾区立石4丁目23-13 業種: 味噌販売
住所:神奈川県平塚市四之宮1丁目7-1 業種: 漬け物

住所:神奈川県小田原市酒匂1054 業種: 漬け物
住所:神奈川県横浜市神奈川区西神奈川1丁目13-12
業種: 贈答品店
住所:埼玉県羽生市大字今泉216-1
業種: 割ぽう料理店、日本料理店

住所:埼玉県さいたま市大宮区桜木町4丁目905-2
業種: 青果物店
住所:千葉県松戸市五香西1丁目28-18
業種: うどん店、そば店、丼物店

住所:千葉県野田市中里1428 業種: たばこ
住所:千葉県館山市沼1612 業種: 菓子店

住所:千葉県茂原市本納2017 業種: 洋品店

住所:栃木県宇都宮市石井町3248-47 業種: クリーニング

住所:栃木県大田原市佐久山2202 業種: 酒店
住所:茨城県つくば市高須賀41-2 業種: 酒店、食料品店、燃料店
住所:茨城県水戸市元吉田町1610 業種: 菓子製造
住所:群馬県館林市花山町3377 業種: すし店、鮮魚店、惣菜
住所:群馬県高崎市昭和町176 業種: 漬け物

審理終結日 2010-05-27 
結審通知日 2010-05-31 
審決日 2010-06-30 
出願番号 商願2007-31614(T2007-31614) 
審決分類 T 1 8・ 18- Z (X35)
T 1 8・ 14- Z (X35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 亨子今田 三男 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 小川 きみえ
豊田 純一
商標の称呼 オカダヤ 
復代理人 川津 義人 
代理人 須山 佐一 
代理人 南 敦 

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