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審決分類 |
審判 一部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X03 審判 一部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X03 |
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管理番号 | 1221508 |
審判番号 | 無効2009-890117 |
総通号数 | 129 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-09-24 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2009-10-30 |
確定日 | 2010-07-26 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5256971号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第5256971号の指定商品中「化粧品」についての登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5256971号商標(以下「本件商標」という。)は、「ラブホワイト」の文字を標準文字で表してなり、平成20年8月19日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石」を指定商品として、同21年7月21日登録査定、同年8月14日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 2 引用商標 請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録商標及び商標登録出願に係る商標は、以下のとおりであり、そのうちの登録商標についての商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第2219231号商標(以下「引用商標1」という。)は、「LOVE」の文字を横書きしてなり、昭和46年8月5日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年3月27日に設定登録され、その後、同12年5月23日及び同22年2月2日の2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同年4月21日に、指定商品を第3類「化粧品,歯磨き,香料類,薫料」とする指定商品の書換の登録がされたものである。 (2)登録第2219232号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ラブ」の文字を横書きしてなり、昭和46年8月5日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年3月27日に設定登録され、その後、同12年5月23日及び同22年2月2日の2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同年4月21日に、指定商品を第3類「化粧品,歯磨き,香料類,薫料」とする指定商品の書換の登録がされたものである。 (3)登録第2431617号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(1)のとおり、「Love」の文字(筆記体)と「ラブ」の文字を二段に横書きしてなり、昭和48年5月10日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年7月31日に設定登録され、その後、同14年5月28日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年3月3日に、指定商品を第3類「歯みがき,化粧品,香料類,薫料」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする指定商品の書換の登録がされたものである。 (4)登録第4028295号商標(以下「引用商標4」という。)は、「LAB」の文字を横書きしてなり、平成7年12月1日に登録出願、第3類「化粧品,歯みがき,香料類」を指定商品として、同9年7月18日に設定登録され、その後、同19年5月15日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 (5)登録第4277280号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成9年12月22日に登録出願、第3類「歯みがき,化粧品,香料類」を指定商品として、同11年5月28日に設定登録され、その後、同21年2月24日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 (6)登録第4522976号商標(以下「引用商標6」という。)は、「ラブ」の文字と「LOVE」の文字を二段に横書きしてなり、平成13年1月9日に登録出願、第3類「歯みがき,化粧品,香料類」を指定商品として、同年11月16日に設定登録されたものである。 (7)登録第5095768号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成18年4月18日に登録出願、第3類「化粧品,歯磨き,香料類」を指定商品として、同19年11月30日に設定登録されたものである。 (8)商願2007-65561に係る商標(以下「引用商標8」という。)は、「LOVE」の文字を標準文字で表してなり、第35類「化粧品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成19年6月25日に商標登録出願されたものである。 (9)商願2008-7060に係る商標(以下「引用商標9」という。)は、別掲(4)のとおり、「Love」の文字を横書きしてなり、第3類「化粧品,香料類,歯磨き」を指定商品として、平成20年2月1日に商標登録出願されたものである。 3 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第38号証を提出した。 (1)本件商標構成中の「ホワイト」の識別力について ア 「ホワイト」などの色彩を表す語は、単に商品の色彩や効果を表すにすぎない語と認識されがちであるが、特に、化粧品業界においては、その認識が他の業界よりもさらに強いといえる。 すなわち、化粧品業界においては、「美白」が目標ないし憧れの一つとしてよく知られているのは顕著な事実であり、「白い」を意味する英語が「ホワイト」であることも、極めて良く知られているからである。 してみれば、本件商標に接する取引者、需要者は、「ホワイト」の語が「美白効果を持たせた」等を意味する、単に商品の効能、品質を意味するにすぎない語と認識するのは明らかである。 したがって、本件商標構成中の「ホワイト」には、識別力がないといえる。 そうとすれば、需要者が、本件商標の要部、いわゆるブランド名は「ラブ」であると認識することは容易に想像できる。 したがって、本件商標は、その要部である「ラブ」に対応して、「ラブ」の称呼を生ずるといえる。 イ 「ブランド名+ホワイト」の慣行的使用事実について 化粧品業界においては、同一ブランドのラインナップの中で特に美白効果を持たせた化粧品の名称として、「ブランド名+ホワイト」を使用する例が慣行化している(甲第25号証ないし甲第38号証)。 したがって、化粧品の需要者は、本件商標のような「ラブ+ホワイト」を見たとき、「ラブホワイト」全体を一つの商標として把握するのではなく、「ラブ」というブランド名のラインナップのうち、特に美白効果を持たせた商品の名称であると認識することは明らかであり、混同を生じることは明らかである。 (2)本件商標と各引用商標との類否について 前記(1)のとおり、本件商標は、識別力を発揮する部分が「ラブ」にあるため、「ラブ」の称呼を生ずる。 一方、各引用商標は、その構成文字に対応して「ラブ」の称呼を生じることは明らかである。 したがって、本件商標と各引用商標とは、称呼上互いに類似する。 また、本件商標の指定商品中の「化粧品」は、各引用商標の指定商品等と同一又は類似である。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号の規定によりその登録を無効とすべきである。 4 被請求人の答弁 被請求人は、前記3の請求人の主張に対し、何ら答弁するところがない。 5 当審の判断 (1)本件商標と引用商標1ないし引用商標3及び引用商標5ないし引用商標7との類否について 本件商標は、「ラブホワイト」の文字を標準文字で一連一体に表してなるものであるが、本件商標構成中の「ラブ」の文字部分は「愛」などを意味する英語「love」を片仮名で表記したものと認められ、また、「ホワイト」の文字部分は「白」などを意味する英語「white」を片仮名で表記したものと認められるから、本件商標はこれら2語を結合したものと理解されるものである。 そして、本件商標は、「ラブ」と「ホワイト」の2語を結合した結果、構成全体として、親しまれた熟語的意味合いが生ずるものではないから、観念上「ラブ」と「ホワイト」とに分離して看取されやすいものといえる。 また、「ホワイト」の語は、一般的に商品の色彩表示として広く使用されているのみならず、請求に係る指定商品「化粧品」の分野においては、「美白効果のある化粧品」を意味する「ホワイトニング」の語と共に使用される場合が多く(甲第25号証ないし甲第38号証)、その需要者においても、「ホワイト」の語の持つ意味から、これが使用された商品について、「美白効果のある化粧品」といった意味合いのイメージと密接に結びつけて商品の選択をする場合が多いというのが実情である。 そうすると、本件商標を化粧品について使用した場合、これに接する需要者は、その構成中の「ホワイト」の文字部分について、商品の色彩を表したと理解するか、又は、「美白効果のある化粧品」なる意味合いをもって、商品の品質、効能を表示したものと理解する場合も決して少なくないものとみるのが相当であるから、本件商標中の「ホワイト」の文字部分は、自他商品の識別機能を果たさないか、又は、自他商品の識別機能を果たすとしてもその機能が極めて弱いというべきである。 してみれば、本件商標は、その指定商品中の「化粧品」について使用した場合、「ラブ」の文字部分が自他商品の識別機能を強く発揮する部分であるといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、構成全体を称呼した場合の「ラブホワイト」の称呼のほか、「ラブ」の文字より、単に「ラブ」の称呼をも生ずるものであって、かつ、「愛」の観念を生ずるものといわなければならない。 これに対して、引用商標1ないし引用商標3及び引用商標5ないし引用商標7は、前記2で認定したとおり、「LOVE」若しくは「Love」の文字若しくは「ラブ」の文字又は「LOVE」若しくは「Love」の文字と「ラブ」の文字を二段にした構成よりなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、「ラブ」の称呼を生ずるものであって、「愛」の観念を生ずるものと認められる。 そうとすれば、本件商標と引用商標1ないし引用商標3及び引用商標5ないし引用商標7は、構成全体の外観が相違するとしても、「ラブ」の称呼及び「愛」の観念を同じくする場合がある類似する商標というべきである。 また、本件商標の指定商品中の「化粧品」は、引用商標1ないし引用商標3及び引用商標5ないし引用商標7に係る指定商品中の「化粧品」と同一の商品と認めることができる。 なお、引用商標8及び引用商標9は、未だ登録されていないものであるから、これらの商標をもって、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとする請求人の主張は失当である。 (2)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中「化粧品」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものというべきであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 (1)引用商標3 (2)引用商標5 (3)引用商標7 (色彩は、原本参照) (4)引用商標9 |
審理終結日 | 2010-05-20 |
結審通知日 | 2010-05-26 |
審決日 | 2010-06-14 |
出願番号 | 商願2008-67993(T2008-67993) |
審決分類 |
T
1
12・
263-
Z
(X03)
T 1 12・ 262- Z (X03) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 前山 るり子 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 末武 久佳 |
登録日 | 2009-08-14 |
登録番号 | 商標登録第5256971号(T5256971) |
商標の称呼 | ラブホワイト、ラブ |
代理人 | 渡邉 一平 |
代理人 | 森田 俊雄 |
代理人 | 永岡 儀雄 |
代理人 | 向口 浩二 |
代理人 | 深見 久郎 |
代理人 | 竹内 耕三 |