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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X35
審判 査定不服  取り消して登録 X35
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X35
管理番号 1221507 
審判番号 不服2009-13397 
総通号数 129 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-07-27 
確定日 2010-08-23 
事件の表示 商願2008-306拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第35類「茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務とし、平成19年4月1日に登録出願された商願2007-30023に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、平成20年1月7日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2338393号商標(以下、「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和63年6月13日登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年9月30日に設定登録され、その後、同13年6月5日に商標権の存続期間更新登録がなされ、さらに、同14年4月3日に指定商品を第30類「紅茶」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(2)登録第4225494号商標(以下、「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成9年6月3日登録出願、第30類「紅茶」を指定商品として、同10年12月25日に設定登録され、その後、同20年12月24日に商標権の存続期間更新登録がなされたものである。
(3)登録第4834594号商標(以下、「引用商標3」という。)は、別掲4のとおりの構成からなり、平成14年2月19日登録出願、第30類「紅茶」を指定商品として、同17年1月21日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「Grand」の欧文字と「Afternoon Tea」の欧文字を上下二段に白抜きの二重線を用いた書体で横書きしてなるところ、「Grand」の文字と「Afternoon Tea」の各文字は上下に明確に分離した形で表されており、さらに、その構成中の下段の「Afternoon Tea」の文字は、上段の「Grand」の文字よりやや大きく書されている。
そして、その構成中の上段の「Grand」の文字は、「壮大な、雄大な、威厳のある、気品のある、重要な」(「ベーシック ジーニアス英和辞典」初版 株式会社大修館書店 2009年4月1日発行)、「グランド【grand】『大規模の』『大型の』の意」(「広辞苑」第6版 株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)等の意味を有する語であり、また、下段の前半部分の「Afternoon」の文字は、「午後、[形容詞的に]午後の」(前掲「ベーシック ジーニアス英和辞典」)等の意味を有する語であり、また、後半部分の「Tea」の文字は、「1.茶《英米では単にteaといえば紅茶のこと》、2.お茶1杯、3.午後のお茶(の時間)《ふつう3-5時、紅茶・サンドイッチ・ケーキなどが出される》4.お茶の会」(前掲「ベーシック ジーニアス英和辞典」)等の意味を有する語であって、さらに、「アフタヌーンティー(Afternoon Tea)」は、「午後のお茶の時間にとる、サンドイッチ・ケーキ・紅茶などの軽食」(前掲「広辞苑」)、「午後に飲むお茶、イギリスでの本来のアフタヌーティーは、午後4-5時に軽い食事と合わせて飲むものをいう。」(「コンサイスカタカナ語辞典」第3版 株式会社三省堂 2005年10月20日発行)等の意味を有する語として知られているものである。
そうとすると、本願商標は、その構成中、上段の「Grand」の文字が本願商標の指定役務との関係において、店舗の規模を表示するものとして、自他役務識別標識としての機能が極めて希薄なものであると認められる。
一方、本願商標の下段の「Afternoon Tea」の文字が取引者、需要者にとって出所識別標章として強く支配的な印象を与えるものと認められ、独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るというのが相当であるから、たとえ「Afternoon」の文字が「午後」の意味を有する語として知られ、「Tea」の文字が「紅茶」を意味する場合があるとしても、上記のとおり、本願商標の下段からは、「午後に飲むお茶」、「午後のお茶の時間にとる、サンドイッチ・ケーキ・紅茶などの軽食」及び「午後のお茶の会」程の意味合いが生じるものとみるのが自然である。
したがって、本願商標は、その構成文字全体に相応して「グランドアフタヌンティー」の称呼を生ずるほかに、「アフタヌーンティー」の称呼も生ずるものであり、また、これよりは、「午後に飲むお茶」、「午後のお茶の時間にとる、サンドイッチ・ケーキ・紅茶などの軽食」及び「午後のお茶の会」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標1は、別掲2のとおり、中央に最も大きく「午後の紅茶」の文字を横書きし、その上に「AFTERNOON TEA」の欧文字をやや小さく横書きし、下段には「ストレートティー」「(甘さひかえめ)」の文字を更に小さく上下に二段書きし、その下に、左右に対称的な線状の飾り図形を有する「KIRIN」の太い欧文字が横書きされ、最下段に、「MARKETED BY KIRIN BREWERY CO.,LTD.TOKYO,JAPAN」の最も小さな欧文字が、それぞれ配置されている。
また、引用商標2は、別掲3のとおり、中央上部に大きく「午後の紅茶」の文字が白抜きで横書きされ、その下にやや小さく「Afternoon」と「Tea」の文字が筆記体の斜体で、左右に対称的な線状の飾り図形とともに上下に二段書きされている。さらに、最下段には、中央の円形内に夫人図が配置され、その左右に円形を取り囲むように「Taking afternoon tea is a unique」、「custom which is said to have started」及び「in the early 19th century.」の英文が3段書きされ、その上下に二本の平行な横線が配置されている。
さらに、引用商標3は、別掲4のとおり、中央に最も大きく「午後の紅茶」の文字をその文字に陰のような輪郭を付けて横書きし、その上に「KIRIN」の太い欧文字を横書きし、下段には「AFTERNOON TEA」の欧文字が筆記体の斜体で横書きされている。
ところで、「AFTERNOON TEA」又は「Afternoon Tea」の欧文字は、上記(1)のとおり「午後に飲むお茶」、「午後のお茶の時間にとる、サンドイッチ・ケーキ・紅茶などの軽食」及び「午後のお茶の会」程の意味を有する語であるところ、請求人提出の甲第6号証ないし甲第8号証、甲第10号証ないし甲第16号証によると、引用商標の指定商品「紅茶」において、午後のお茶会用に適したものであることを表示するものとして、取引上普通に使用されていることが認められるものである。
してみれば、該文字は、指定商品との関係においては、取引者、需要者に商品の品質又は用途を表示するものとして認識され、自他商品識別標識としての機能が極めて弱い部分であるとみるのが相当である。
そうすると、引用商標は、その最も大きく書された「午後の紅茶」の文字もしくは、引用商標の商標権者の代表的出所標識として知られている「KIRIN」の文字が自他商品識別標識としての機能を果たすものというべきであり、その構成中の「AFTERNOON TEA」又は「Afternoon Tea」の文字部分をもって、取引にあたることはないというのが相当である。
してみれば、引用商標は、「午後の紅茶」の文字部分より「ゴゴノコーチャ」の称呼が生じ、また、これより、「午後の紅茶」の観念が生じるものである。
さらに、引用商標1及び引用商標3は、上記称呼、観念に加えて、太い欧文字で書された「KIRIN」の文字部分に相応する「キリン」の称呼及び当該会社の観念も生じるものと認められる。
(3)本願商標と引用商標の類否について
まず、称呼においては、本願商標は、前記(1)のとおり「グランドアフタヌンティー」の称呼及び「アフタヌーンティー」の称呼を生ずるものであり、引用商標より生ずる称呼は「ゴゴノコーチャ」又は「キリン」であるところ、本願商標より生ずる両称呼はいずれも引用商標より生ずる「ゴゴノコーチャ」又は「キリン」の称呼とはその構成音及び音数において明らかに相違するから、相紛れるおそれがないものである。また、外観においては、本願商標と引用商標は明らかに相違し区別し得るものである。さらに、観念においては、本願商標は、前記(1)のとおり「午後に飲むお茶」、「午後のお茶の時間にとる、サンドイッチ・ケーキ・紅茶などの軽食」及び「午後のお茶の会」の観念が生じるのに対して、引用商標は、前記(2)のとおり「午後の紅茶」又は「キリン」の会社の観念を生じるため、両者は相紛れるおそれがないものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれよりみても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(4)むすび
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1
本願商標


別掲2
引用商標1


別掲3
引用商標2


別掲4
引用商標3


審決日 2010-08-11 
出願番号 商願2008-306(T2008-306) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X35)
T 1 8・ 263- WY (X35)
T 1 8・ 945- WY (X35)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田中 亨子田中 幸一 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 榎本 政実
内山 進
商標の称呼 グランドアフタヌーンティー、アフタヌーンティー、グランド、アフターヌーン 
代理人 中村 稔 
代理人 藤倉 大作 
代理人 加藤 ちあき 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 松尾 和子 

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