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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X36
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X36
管理番号 1221434 
審判番号 不服2009-15396 
総通号数 129 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-08-24 
確定日 2010-07-12 
事件の表示 商願2007-106961拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「じぶんへの保険」の文字を標準文字で表してなり、第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,保険料率の算出,保険に関する助言,生命保険情報の提供」を指定役務として、平成19年10月17日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、『じぶんへの保険』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、本願の指定役務である医療保険の分野において、契約者(主たる被保険者)本人の好みに応じて、死亡時の給付金、一日の入院給付金等が選べるプランにとどまらず、保険料が一生変わらない終身医療保険、将来保険料が半額あるいはゼロになる終身医療保険などが登場し、選択することができる実情に照らせば、本願商標をその指定役務中、契約者(主たる被保険者)本人に対する生命保険契約に関する役務に使用しても、『契約者(主たる被保険者)本人の好みに応じて選択できる本人向けの保険に関する役務』であることを理解させるにとどまり、単に役務の内容、質を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、前記第1のとおり、「じぶんへの保険」の文字からなるところ、その構成中の「じぶん」は、「おのれ。自身。自己」(広辞苑第六版)等を意味し、「保険」は、「(insurance)人の死亡・火災などの偶発的事故の発生の蓋然性が統計的方法その他によってある程度まで予知できる場合、共通にその事故の脅威を受ける者が、あらかじめ一定の掛金(保険料)を互いに拠出しておき、積立金を用いてその事故(保険事故)に遇った人に一定金額(保険金)を与え、損害を填補(てんぽ)する制度。組織により相互保険・営業保険に分かれ、事業の内容により生命保険・損害保険に大別。社会保険に対し私保険とも呼ぶ。」(広辞苑第六版)等を意味する語として知られているものであり、これらの文字を「への」で結合した「じぶんへの保険」の文字は、それぞれの文字の意味から構成全体として、「自分のための保険」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、本願の指定役務である「生命保険」(被保険者の死亡または一定の年齢に達するまで生存したことを条件として一定の金額を支払う保険。《広辞苑第六版》)との関係において、別掲に示すとおり、自分のために加入する保険、すなわち、被保険者自身に給付金や保険金が支払われるタイプの保険(個人年金保険、医療保険、がん保険、介護保険等)が実在し、かつ、それらを「自分のための保険」と称している実情が見受けられるものである。
してみれば、本願商標をその指定役務中の「被保険者に給付金等が支払われるタイプの生命保険契約に関する役務」に使用しても、「自分のための保険」すなわち、「自分のために加入する保険に関する役務」であることを理解させるにとどまり、単に役務の内容、質を表示したにすぎないものであり、かつ、前記に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ない。

2 請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について
請求人は、「本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。」旨主張し、その理由を以下(1)ないし(3)の如く述べている。

(1)本願商標からは「その人自身(契約者、主たる被保険者)が保険事故に遭遇した場合に、金銭が支払われる制度」という意味合いを把握・理解することができるが、原査定が認定するところの「契約者(主たる被保険者)本人の好みに応じて選択できる」といった意味合いを直接的に把握・理解することはできない。そして、実際の取引においても、原査定の認定する用いられ方はされていない。よって、原査定の認定は、同業界における需要者等の認識とはあまりにも乖離したものであって、妥当性を欠くものである。

(2)本願商標が付された保険商品は、様々な媒体で取り上げられ、保険業界において、請求人を表示する商標として広く知られるに至っているものである。したがって、本願商標に接する需要者は、本願商標が役務の内容、質等について表示したものとは認識しないものである。

(3)過去の登録例からすれば、本願商標も登録されるべきである。

3 請求人の主張に対する反論
(1)前記2(1)に対する反論
請求人は、「原査定が、本願商標から直接的に把握・理解できると認定した『契約者(主たる被保険者)本人の好みに応じて選択できる』といった意味合いは、同業界における需要者の認識と乖離したもので妥当性を欠くものである旨」述べているが、そもそも保険の契約にあたっては、契約者は、保険会社がそれぞれの契約者の状況に合わせて設定した保険や、あるいは、契約者それぞれが自分の現状に合わせ「死亡給付、傷害給付、入院給付」等の各種給付を組み合わせて設定した保険等の多種多様の種類の保険の中から選択し、契約をしているのが実情であることからすれば、契約者は、実質的に本人(契約者)の好み(状況)に応じて(保険のタイプを)選択しているといえるものである。
また、本願商標「じぶんへの保険」は、請求人も主張するとおり、「その人自身(契約者、主たる被保険者)が保険事故に遭遇した場合に、金銭が支払われる制度」すなわち、「自分のための保険」であることを認識させ、かつ、別掲に示すとおり、自分のために加入する保険が実在し、それらを「自分のための保険」と称していることからすれば、本願商標をその指定役務中の「被保険者に給付金が支払われるタイプの生命保険契約に関する役務」に使用しても、「自分のための保険」すなわち、「自分(本人)のために加入する保険に関する役務」であることを理解させるにすぎないものであること前記1のとおりであり、原査定の認定が妥当性を欠くということはできない。
よって、請求人のかかる主張は、採用することができない。

(2)前記2(2)に対する反論
請求人の主張を立証するための証拠資料である資料3、資料22ないし資料24をみるに、資料3(「GOOGLE検索結果のプリントアウト」)において、「じぶんへの保険」をキーワードとした検索結果で、「じぶんへの保険」の語が、実際に使用されている事実は見受けられる。
しかしながら、この検索結果によると、該語とともに請求人の略称である「ライフネット生命保険」や「ライフネット生命」等の語が使用されているものである。
また、本願商標を付した指定役務にかかる売上データや、保険業界においける市場占有率等について、なんら言及されておらず、かつ、それを立証すべき証拠資料の提出もない。
さらに、資料22(週刊ダイヤモンド2009年3月14日号抜粋の写し)及び資料23(日経ヴェリタス2009年5月24日発行号抜粋の写し)をみても、本願商標が使用されている事実を窺うことができず、また、資料24(審判請求人の業務に係る保険商品の広報一覧)をみても、本願商標の使用例は、その一部(1件)にすぎない。
そうとすれば、請求人の提出した資料によっては、本願商標が、請求人を表示する商標として広く知られるに至っているものとは、認めることはできない。
してみれば、請求人の「本願商標に接する需要者は、本願商標が役務の内容、質等について表示したものとは認識しない」とする主張は客観的な理由がなく、かかる主張も採用することができない。

(3)前記2(3)に対する反論
請求人の提示する登録例等は、商標の構成等において本願とは事案を異にするものであり、それらの登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人の係る主張も採用することができない。

(4)その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すことはできない。

4 まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 「自分のための保険」等の語の使用の実情
(1)「保険市場」のウェブサイトにおける「保険を学ぼう!保険教室」のタイトルの下、「その他の保険?自分のための保険?」の項目に、「実は、保険にはもっとたくさんの種類があります。そのうちのひとつに、自分のために加入する保険があります。では、生きていく上で、自分のために必要な保険とは、どんな保険でしょう?まず、長生きしたときのための保険です。老後のゆとりある生活資金を準備しておきたいですよね。次に、介護が必要になったときのための保険。公的介護保険ではまかないきれないかもしれません。そして、病気・ケガで入院したとき、手術したときのための保険が必要ですね。また、がんになったときのための保険も大事です。がんは一般的な医療保険・入院保険でも保障されますが、高額な治療費が必要になったり、再発や転移によって何度も入院または通院による治療が必要になるかもしれません。」の記載及び「(1)個人年金保険」の項目に、「老後の生活資金の準備として知られている保険のひとつが個人年金保険です。個人年金保険とは、定められた期間、保険料を支払い、払い終えた後に、年金を定められた期間(終身もあります)受け取れる保険です。」の記載、「(2)介護保険」の項目に、「介護保険は、寝たきりや認知症などによって、介護が必要な状態となった場合に、一時金や年金で保険金を受け取ることができる保険です。」の記載、「(3)医療保険(入院保険)」の項目に、「医療保険(入院保険)は、病気やケガで入院・手術をしたときのための保険で、『生きるための保険』と言われています。」の記載、「(4)がん保険(ガン保険)」の項目に、「がん保険(ガン保険)は『医療保険(入院保険)』の中でも、保障される範囲を『がん』という病気にしぼった保険です。」の記載がある。
(http://www.hokende.com/kyousitu/koza04.html)

(2)「自分と家族の医療保険」のウェブサイトにおける「もっと医療保険を知ろう」の項目に、「さらに、自分と家族に合った保険を選ぶためのポイントや、失敗しない保険会社の選び方についてご説明しましょう。」の記載、「医療保険の二つの種類」の項目に、「医療保険には大きく分けて、家族のための保険と自分のための保険という二種類のものがあります。」の記載がある。
(http://www.ddtweb.net/)

(3)「保険見直し本舗」のウェブサイトにおける「ライフシーン別加入例」のタイトルの下、「就職したら保険はどうする?」の項目における「2.病気やケガをしたときの『医療保障』に注目」の欄に、「若いうちは『自分のための保険』を重視」の記載及び「新社会人が重視したいのは医療保障。これは自分が病気やケガで入院したり、手術を受けたとき、給付金で経済的にサポートする保障が中心です。『若いから』『健康だから』と思っていても、事故や病気で入院する可能性は十分にあります。収入や蓄えが少ない新社会人こそ、給付金の有り難さを実感できるかもしれません。」の記載がある。
(http://www.hokepon.com/scene/case01.html)

(4)「独身者におすすめの生命保険」のウェブサイトにおける「絶対得する!生命保険・医療保険ガイド」のタイトルの下、「独身者におすすめの保険」の項目に、「独身者は扶養者がいない、つまり死んでも困る人がいないので、生命保険に入る必要はないと思っている人も多いと思います。確かに既婚者比べれば、急いで保険に加入する必然性は薄いでしょう。しかし、医療保険などは基本的に自分のための保険であるので、入る入らないに独身者だから既婚者だからはあまり関係がありません。」の記載がある。
(http://seiho.nyukon.com/type/dokushin.html)

(5)「女性のための保険選び」のウェブサイトにおける「20代 シングル(独身)女性」のタイトルの下、「20代のシングル(独身)の女性は、親兄弟を自分が扶養しているなどの場合を除いては、死亡保障は必要ないと思います。その分将来に備えてしっかり貯金するようにしましょう。でも医療保険は自分のための保険、しかも20代になると女性特有の病気にかかりやすくなります。できれば、女性特有の疾病に備えた医療保険や女性保険に入っておきたいですね。20代でしたら、これから結婚すると自分の収入が変わる可能性がありますから、保険を継続しやすいように、なるべく保険料の負担が少ない保険に加入することをおすすめします。」の記載がある。
(http://joseihoken.skrg.net/hokenerabi/01.html)

(6)「節約と貯金のススメ」のウェブサイトにおける「♪生命保険♪」のタイトルの下「その保険 本当に必要?」の項目に、「保険には死亡保障と医療保障の2種類があり、死亡保険は亡くなったときにだけ保険が適用されるため、残された遺族のための保険です。それに対し医療保険は、入院・手術をしたときにも保険が適用されるため、こちらは自分のための保険と言えるでしょう。ここでは、生命保険のメインとなる死亡保障についてお話を進めて行きたいと思います。」の記載がある。
(http://setuyakutyokin.com/p.11.html)

(7)「保険見直し相談 Life Guide ライフガイド」のウェブサイトにおける「保険選びの極意」のタイトルの下、「あなたにぴったりな保険(ライフスタイル)」の項目に、「保険には大きく分けて2種類あります。ひとつは家族のために入る保険、もうひとつは自分のための保険です。家族のために入る保険は、一家の大黒柱が万が一亡くなったときに、残された家族の生活費などを保障するための死亡保険です。自分のための保険とは、主に医療保険(入院保険)のことを言います。」の記載がある。
(http://www.life-guide.jp/select/page3.html)

(8)「入院保険の支払条件」のウェブサイトにおける「入院保険とは」の項目に、「一般的な医療保険は自分が病気やケガで入院したり手術が必要になった場合、入院中の費用を負担んしてもらう自分のための保険ともいえます。もちろん自分が健康でいられる人にとっては入院保険は不必要かもしれませんね。」の記載がある。
(http://www.adjzy.com/nhokensiharai/)

(9)「株式会社スリー・エル」のウェブサイトにおける「ライフステージ別保険紹介」のタイトルの下、「結婚をした時 夫婦の生活に会わせ、思いやりのある保険選びを」の項目に、「守るべき人ができたあなたは、これまでの自分のための保険からご家族のための保険へと、保障を見直す時と言えるのではないでしょうか?」の記載がある。
(http://www.three-l.jp/per2.html)

(10)「生命保険の比較・見直しなら 生命保険ジャパン」のウェブサイトにおける「生命保険を見直す時期」のタイトルの下、「独身時代に入る保険というのは、まだ家族がいないわけですから、自分のための保険に加入するだけで十分です。初めて契約する人も多いと思いますが、最初は死亡保障はほとんどなくてもOK。自分の病気に備えて医療保険の加入を検討してみましょう。」の記載がある。
(http://www.comjapan.gr.jp/03.html)

(11)「入院保険 比較」のウェブサイトにおける「万が一の事態に備えて!入院保険」のタイトルの下、「入院保険の加入について!」の項目に、「『死亡保険』は、自分が死んだ時に自分以外の人に保険金が支払われる保険で、『入院保険』は、自分がケガや病気で入院したり手術したりしなくてはいけなくなった時、闘病や入院中の減収を補うといった自分のための保険なのです。」の記載がある。
(http://www.oavex.net/)





審理終結日 2010-03-11 
結審通知日 2010-03-18 
審決日 2010-05-25 
出願番号 商願2007-106961(T2007-106961) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X36)
T 1 8・ 13- Z (X36)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 今田 三男津金 純子 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 小川 きみえ
豊田 純一
商標の称呼 ジブンエノホケン、ジブンエノ 
代理人 城山 康文 
代理人 森 智香子 
代理人 岩瀬 吉和 
代理人 北口 貴大 
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