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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X29
管理番号 1220028 
異議申立番号 異議2010-900035 
総通号数 128 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-08-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-02-09 
確定日 2010-07-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第5280338号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5280338号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5280338号商標(以下「本件商標」という。)は、「プチキャベC」の文字を標準文字により表してなり、平成21年3月19日に登録出願され、第29類「植物・植物エキス又は植物発酵エキスを主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・液状・ペースト状・クリーム状・タブレット状・カプセル状・カプレット状・ソフトカプセル状・錠剤状・棒状・板状・ブロック状・丸薬状・固形状・ゲル状・ゼリー状・グミ状・ウエハース状・ビスケット状・飴状・チュアブル状・シロップ状・スティック状の加工食品,動物エキスを主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・液状・ペースト状・クリーム状・タブレット状・カプセル状・カプレット状・ソフトカプセル状・錠剤状・棒状・板状・ブロック状・丸薬状・固形状・ゲル状・ゼリー状・グミ状・ウエハース状・ビスケット状・飴状・チュアブル状・シロップ状・スティック状の加工食品,青汁・漢方生薬・食物繊維又は海草を主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・液状・ペースト状・クリーム状・タブレット状・カプセル状・カプレット状・ソフトカプセル状・錠剤状・棒状・板状・ブロック状・丸薬状・固形状・ゲル状・ゼリー状・グミ状・ウエハース状・ビスケット状・飴状・チュアブル状・シロップ状・スティック状の加工食品,調理用青汁,調理用青汁のもと,調理用野菜ジュース,乳製品,豆乳,スープのもと,ふりかけ」を指定商品として平成21年9月9日に登録査定、同年11月13日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点
(1)「キャベ」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る医薬品「胃腸薬」に平成元年から現在に至るまで使用されており、本件商標の登録出願前には既に、申立人の業務に係る商品を表示する商標として医薬品分野において周知著名となっている。
(2)本件商標の構成中の「プチ」及び「C」の文字部分は、自他商品識別力が認められず、本件商標において自他商品識別力を有する部分は「キャベ」の文字部分であり、本件商標は「キャベ」の称呼を生ずる。また、本件商標の指定商品は所謂健康食品を含む食品であって、引用商標が使用されている経口タイプの胃腸薬とは生産者、流通経路、取引者、需要者が事実上共通している。
(3)以上からすれば、本件商標に接する取引者、需要者は直ちに同一称呼を生ずる著名な引用商標を連想、想起し、本件商標を使用した商品を申立人の商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。

3 当審の判断
(1)申立人は、引用商標が申立人の業務に係る商品「胃腸薬」に使用する商標として医薬品分野において周知著名となっていると主張し、証拠を提出しているので、該証拠について検討する。
(ア)甲第2及び第3号証は、申立人会社の担当者による売上高証明書又は広告量証明書と認められるところ、両証明書中に「・・・当社の胃腸薬(キャベ2)につき、・・・」と記載されていること、それぞれに添付された数値を示す表にも「キャベ2販売実績推移」又は「興和 キャベ2」との表題が記載されていること、また、甲第3号証に添付されたテレビのCM画面を示す書面においては、「素材名」として「コーワ キャベ2・液キャベ」と表示され、該CMに登場する人物が「今日はキャベ2 はい相手が」、「そうですかキャベ2飲んでね」又は「うんキャベ2飲んでね まあ」と話していることが認められるものの、単に「キャベ」と表現されているものは見当たらない。
(イ)甲第5及び第6号証は、株式会社ドラッグマガジン発行「週間ドラッグトピックス」の写しと認められるところ、これらには、「ヒット商品大賞」又は「ヒット商品優秀賞」について掲載されており、いずれにも申立人の胃腸薬として「キャベ2コーワ」と明示されていることが認められるものの、単に「キャベ」と表示されているものは見当たらない。
(ウ)甲第7ないし第11号証は、株式会社社会調査研究所又は株式会社インテージ発行「SDIアニュアルレポート」の1992年度版、1995年度版、1998年度版、2001年度版及び2004年度版の写しと認められるところ、その掲載内容によれば、1990年度ないし2004年度の間において、胃腸薬のシェアとして、「キャベジン」が、1991年度の第2位を除き、全て第1位であったことが認められる。また、「主要メーカー手持商品一覧」として申立人の欄には、「新キャベジンコーワ顆粒」、「キャベジンコーワ新胃腸薬」、「キャベ2コーワ」、「キャベジンAコーワ」、「キャベジンコーワ消化薬S」、「キャベジンコーワ錠」、「液キャベコーワ」、「液キャベコーワS」、「キャベジンコーワS」等が表示されているものの、単に「キャベ」と表示したものは見当たらない。
(エ)甲第12ないし第15号証は、当庁における異議の決定又は審決の写しであり、当該異議事件又は審判事件において対象となった登録商標は、いずれも本件商標とは構成態様が異なり、その指定商品も本件商標の指定商品とは相違し、事案を異にするものであるから、これらの異議の決定又は審決の判断が本件の審理に影響を及ぼすものではない。
(オ)その他、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として単独で使用されている事実を示す証左はない。
(カ)そして、上記(ア)ないし(ウ)の「キャベ2」、「液キャベ」、「キャベ2コーワ」、「キャベジン」等の文字からなる各商標は、「キャベ」の文字のみからなる引用商標とは構成態様が明らかに異なる別異のものというべきである。
(2)以上によれば、申立人の提出に係る証拠によっては、「キャベ2」又は「キャベジン」の各商標が広く知られているといえる余地があるとしても、引用商標自体が申立人の業務に係る商品「胃腸薬」について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(3)以上を前提として本件商標と引用商標とを対比する。
本件商標は、同書同大の文字を同間隔で一連に書したものであり、外観上まとまりよく一体に看取されるものであるし、これより生ずると認められる「プチキャベシー」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。また、本件商標は、全体として親しまれた既成の観念を有する成語を表したものともいえず、一種の造語からなるものとして認識し把握されるものである。仮に、本件商標の構成中の「C」の文字が商品の記号・符号を表すローマ字の1字として類型的に使用されるものであって、識別力の弱い語であることから、本件商標が「プチキャベ」と略称されることがあるとしても、単に「キャベ」と略称されることはないというのが自然である。
そうすると、本件商標は、「プチキャベシー」又は「プチキャベ」の称呼を生ずるものといえる。
他方、引用商標は、「キャベ」の文字からなり、「キャベ」の称呼を生ずるものであって、親しまれた既成の観念は生じないものといえる。
しかして、本件商標から生ずる「プチキャベシー」又は「プチキャベ」の称呼と引用商標から生ずる「キャベ」の称呼とは、構成音数が異なるばかりでなく、「プチ」及び又は「シー」の音の有無という顕著な差異により容易に区別することができるものである。また、両商標は、外観上判然と区別し得る差異を有するものであるし、観念上比較すべくもないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であり、別異のものといわなければならない。
(4)以上を総合すると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないものというべきであり、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2010-06-16 
出願番号 商願2009-20166(T2009-20166) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X29)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大森 健司 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 渡邉 健司
岩崎 良子
登録日 2009-11-13 
登録番号 商標登録第5280338号(T5280338) 
権利者 株式会社東洋新薬
商標の称呼 プチキャベシイ、プチキャベ 
代理人 特許業務法人アルガ特許事務所 

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