• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y33
管理番号 1218507 
異議申立番号 異議2008-685021 
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-07-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-11-10 
確定日 2010-04-05 
異議申立件数
事件の表示 国際商標登録第933995号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際商標登録第933995号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第933995号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2007年8月17日に国際登録され、平成20年8月22日に設定登録され、第33類「Alcoholicbeverages(except beers).」を指定商品とするものである。
2 引用商標
登録異議申立人が引用する登録第5051224号商標(以下「引用商標」という。)は、「ESCAPADE」の欧文字を標準文字で横書きしてなり、平成18年9月11日に登録出願され、第33類「アルコール飲料(ビールを除く。)」を指定商品として、同19年6月1日に設定登録されたものである。
3 取消理由の通知
本件商標の登録に対し、平成20年11月10日付けで登録異議の申立てがされた結果、同21年7月15日付けで商標権者に対して通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
(1)本件商標は、別掲のとおり、黒く塗りつぶした横長の長方形を描き、当該長方形内に「escapades」の欧文字を白抜きで書し、当該長方形と同形で灰色に塗りつぶした図形を当該長方形の上下に2個づつ配してなるものである。
しかして、本件商標構成中の文字部分と図形部分とを常に一体としてのみ把握、理解しなければならないとする格別の理由は認められないから、当該文字部分「escapades」は、独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るというべきである。
そして、「escapades」の文字(語)は「突飛な行動(複数形)」などの意味を有する英語であり「エスカペイズ」と称呼されるから、本件商標からは、「突飛な行動」の観念及び「エスカペイズ」の称呼を生ずるというべきである。
一方、引用商標は、「ESCAPADE」の欧文字よりなるところ、「ESCAPADE」の文字(語)は、「突飛な行動(単数形)」などの意味を有する英語であり「エスカペイド」と称呼されるから、引用商標からは、「突飛な行動」の観念及び「エスカペイド」の称呼を生ずるというべきである。
そこで、本件商標より生ずる「エスカペイズ」の称呼と引用商標より生ずる「エスカペイド」の称呼について比較するに、両称呼はともに6音からなるところ、称呼の識別において重要な語頭を含め「エスカペイ」の5音を共通にし、異なるところは語尾において、「ズ」と「ド」の差異を有するものである。
しかしながら、当該差異音は、ともに濁音である点で共通性があり、また、明瞭に聴別し難い語尾に位置するものである。
してみれば、当該差異音が称呼に及ぼす影響は大きいものとはいえず、両商標を全体としてー連に称呼するときは、全体の音調、音感が極めて近似し、互いに聞き誤るおそれがある類似する商標であるといえる。
次に、外観についてみるに、9文字からなる本件商標「escapades」と8文字からなる引用商標「ESCAPADE」とは、8文字について、文字の配列を同じくするものであり、相違するところは語尾における「s」の有無の微差にすぎない。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、小文字か大文字かの違いはあるとしても、両商標を、時と所を異にして離隔的に観察するときは、外観上近似した印象、記憶、連想等を生じさせるおそれがあるというべきである。
さらに、観念にっいてみるに、本件商標と引用商標とは、複数形か単数形かの相違はあるとしても、ともに「突飛な行動」の観念を生ずるものである。
加えて、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似する商品である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼においては類似し、外観においては近似し、観念においては共通する商標であり、その指定商品も同一又は類似するものであるから、商品の出所について混同を生ずるおそれのある類似する商標である。
(2)むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してされたものである。
4 当審の判断
商標権者に対し、上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
そして、上記3の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、この取消理由によって、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】

異議決定日 2009-11-17 
審決分類 T 1 651・ 26- Z (Y33)
最終処分 取消  
前審関与審査官 田中 亨子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 岩崎 良子
小林 由美子
登録日 2007-08-17 
権利者 Oenoforos AB
商標の称呼 エスカパデス、エスキャパデス、エスカペイズ 
代理人 田中 克郎 
代理人 石田 昌彦 
代理人 稲葉 良幸 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ