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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X0637 審判 全部申立て 登録を維持 X0637 審判 全部申立て 登録を維持 X0637 |
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管理番号 | 1218473 |
異議申立番号 | 異議2009-900403 |
総通号数 | 127 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-07-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2009-10-23 |
確定日 | 2010-05-17 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5249974号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5249974号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5249974号商標(以下「本件商標」という。)は、「シェルワイド」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成21年1月22日に登録出願、第6類及び第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年5月26日に登録査定、同年7月24日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要点) (1)登録異議申立人の引用する商標 登録異議申立人シェル ブランズ インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらを一括して「引用商標」という。)。 (ア)登録第3076840号商標は、「シェル」の片仮名文字を横書きしてなり、平成4年9月30日に登録出願、第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年9月29日に設定登録されたものである。 (イ)国際登録第977610号商標は、別掲のとおりの構成からなり、2008年3月11日にスイス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2008年5月14日に国際登録、第1類、第4類、第6類、第8類、第9類、第11類、第14類、第16類、第18類、第19類、第21類、第24類ないし第28類及び第37類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、平成22年3月19日に設定登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第8号について 本件商標は、申立人の著名な略称「シェル」を含むものであるにもかかわらず、本件商標を登録することについて申立人の承諾を得ていないものであるから、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものである。 (3)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「シェル」の部分が独立した商標の要部と認識されるため、申立人の所有に係る引用商標と類似するものであって、その商標に係る指定商品と同一若しくは類似の商品について使用するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 (4)商標法第4条第1項第15号について 申立人の商標「シェル」は、申立人及びその関連会社の商標として世界的に周知著名であるところ、本件商標がその指定商品及び指定役務に使用されれば、当該商品及び役務は、あたかも申立人の業務に係る商品・役務であるかの如くその商品及び役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記1のとおり「シェルワイド」の片仮名文字よりなるところ、該文字は標準文字をもって、同書、同大、同間隔に一連に軽重の差なく表示されており、その称呼も冗長でなく一気に称呼し得るものであるから、該構成文字に相応して「シェルワイド」の称呼のみを生ずる不可分一体の一種の造語よりなるものと判断するのが相当である。 これに対し、引用商標は、前記2あるいは別掲に示したとおり、いずれも、「シェル」あるいは「SHELL」の文字をその構成要素に有するものであるから、該構成文字に相応して「シェル」の称呼及び「貝殻」の観念を生ずるものと認められる。 そうすると、本件商標より生ずる「シェルワイド」の称呼と引用商標より生ずる「シェル」の称呼とは、音構成、構成音数において著しい差異が認められるものであるから、称呼上、何ら相紛れるおそれはなく、また、両商標は、それぞれ前記のとおりであるから、外観及び観念においても類似とすべき点は見当たらない。 してみれば、本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念のいずれからみても非類似の商標といわなければならない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人より提出された証拠は、その大半が登録異議申立についての決定謄本であるから、これらの証拠によっては、直ちに申立人の商標「SHELL/シェル」が申立人及びその関連会社の商標として世界的に周知・著名であることを立証したものとは認められないが、たとえ、申立人の商標「SHELL/シェル」が石油・石油製品・化学製品等の分野において世界的に著名な商標であったとしても、片仮名文字のみを一連に表示してなる本件商標は、上記(1)で認定・判断したとおり、引用商標とは判然と区別し得る別異の商標といえるものであるから、申立人の商標「SHELL/シェル」と比較した場合においても、何ら相紛れるおそれがあるものとは認められない。 しかも、「SHELL/シェル」の語は、我が国においても、「貝殻」の意味を表す英単語(外来語)として広く一般に理解・認識されているばかりでなく、申立人の提出に係る甲第8号証(コンサイスカタカナ語辞典)によれば、「シェル」の語は、「シェル構造(shell construction)」のような用い方により、「貝殻構造(建築で薄い曲面を外殻に用いた構造。支柱間隔を大きくできるので、工場・体育館など大空間を必要とする場合に用いられる。シェル、シャーレンとも)」を表す語としても用いられているものであることが認められる。 してみれば、商標権者が本件商標を第6類「耐震補強金物,耐震部材として用いる建築用又は構築用の金属製専用材料」等の商品や第37類「耐震補強工事」等の役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を想起又は連想させるものとは認められず、その商品及び役務が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 (3)商標法第4条第1項第8号について 本件商標は、構成中の「シェル」の文字部分のみを分離して看取しなければならない特段の理由は存しないものであり、上記(1)及び(2)のとおり認定・判断し得るものであるから、例え、本件商標がその構成中に「シェル」の文字を含むとしても、そのことをもって、申立人の著名な略称を含む商標ということはできない。 (4)結び したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 国際登録第977610号商標 |
異議決定日 | 2010-04-22 |
出願番号 | 商願2009-3776(T2009-3776) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X0637)
T 1 651・ 23- Y (X0637) T 1 651・ 26- Y (X0637) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 渡辺 理恵子 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
小川 きみえ 小林 由美子 |
登録日 | 2009-07-24 |
登録番号 | 商標登録第5249974号(T5249974) |
権利者 | 東建コーポレーション株式会社 |
商標の称呼 | シェルワイド |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 特許業務法人三枝国際特許事務所 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 熊倉 禎男 |