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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X2932 審判 全部申立て 登録を維持 X2932 |
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管理番号 | 1218458 |
異議申立番号 | 異議2009-900294 |
総通号数 | 127 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-07-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2009-08-07 |
確定日 | 2010-04-19 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5227685号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5227685号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5227685号商標(以下「本件商標」という。)は、「アクティビティ」及び「Activity」の各文字を上下二段に横書きしてなり、平成20年10月16日に登録出願され、第29類「食用油脂,乳製品」及び第32類「乳成分を加味した清涼飲料,乳成分を加味した果実飲料,乳清飲料,乳成分を加味した飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同21年4月6日登録査定、同年5月1日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(4)である。 (1)登録第4783946号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ACTIVIA」の文字を横書きしてなり、1999年4月23日にフランス共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成11年10月22日に登録出願、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同16年7月2日に設定登録されたものである。 (2)国際登録第752427号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)の構成からなり、2000年7月12日にフランス共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、同年11月28日に国際登録され、第29類、第30類及び第32類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成14年8月23日に設定登録されたものである。 (3)国際登録第893078号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)の構成からなり、2005年12月15日にフランス共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2006年6月7日に国際登録され、第29類、第30類及び第32類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成19年11月22日に設定登録されたものである。 (4)国際登録第893712号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)の構成からなり、2005年11月22日にフランス共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2006年5月18日に国際登録され、第29類、第30類及び第32類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成20年4月18日に設定登録されたものである。 上記、引用商標1ないし引用商標4は、いずれも現に有効に存続するものであり、以下、これらを総称するときは、単に「引用商標」という。 3 登録異議申立ての理由の要点 (1)本件商標と引用商標とは、称呼及び外観において類似するものであり、両者の指定商品も同一又は類似のものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)申立人は、乳製品で世界第1位、飲料水(ミネラルウォーター)で世界第2位の会社であり、引用商標は申立人の製造販売に係るビフィズス菌入りヨーグルトに使用する商標として周知著名となっている。 本件商標権者は、日本の主要乳製品メーカーの一つであって、申立人及び引用商標の存在を知悉していたものであり、敢えて本件商標を採択し使用することは、商道徳に反し、市場に混乱を惹起するものであり、信義則に反する不正の目的によるものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。 (3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。 4 当審の判断 (1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、「活発、活気、活動」等の意味を有する英語「Activity」とその表音である「アクティビティ」の文字を表したものと認められるから、「アクティビティ」の称呼を生ずること明らかである。 他方、引用商標1は、その構成文字に相応して、「アクティビア」の称呼を生ずるものといえる。また、引用商標2ないし引用商標4は、別掲(1)ないし(3)の構成からなるところ、それぞれの構成に照らし、いずれも、その中央に顕著に大きく書された「ACTIVIA」の文字自体が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきであるから、これより「アクティビア」の称呼を生ずるものといえる。 しかして、上記「アクティビティ」の称呼と「アクティビア」の称呼とは、末尾において「ティ」と「ア」の音を異にしており、しかも、「ティ」の音は、「テ」の母音「e」と母音「i」が結合し二重母音の如く発せられる外来の特殊音であって、母音「i」が尾を引くように響くのに対し、「ア」の音は、口を大きく開いて発する短母音「a」であって、明確に聴取される音であるから、かかる差異が全体に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が明らかに異なり、明瞭に区別し得るものである。 また、本件商標と引用商標とは、それぞれの全体構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。 本件商標の欧文字部分「Activity」と引用商標1及び引用商標2ないし引用商標4中の欧文字「ACTIVIA」とを対比しても、大文字と小文字の差、綴りの差により、別異のものとして看取・判読されるから、通常の注意力をもってすれば、外観上紛れるおそれはない。 さらに、引用商標を構成する欧文字は、親しまれた既成の観念を有する成語を表したものとは認められないから、観念上、本件商標と引用商標とを比較することもできない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (2)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について 申立人の提出に係る証拠によれば、申立人の業務に係る商品「ビフィズス菌入りヨーグルト」について紹介するページにおいて、「ダノンのビフィズスヨーグルト、アクティヴィア(日本ではBio、フランスのヨーグルト市場のトップブランド)の・・・」と注釈がされているほか、申立人の日本法人の紹介ページにおいても、主要製品として「ダノンビオ」ヨーグルト、「プチダノン」、「ベビーダノン」、「ダノンヨーグルト」と掲載されていることから、我が国においては、申立人の上記商品は、「DANONE(ダノン)」又は「Bio(ビオ)」として知られることがあるとしても、引用商標自体が申立人の商品を表示する商標として周知著名になっているものとは認め難い。 仮に、引用商標が申立人の業務に係る商品「ビフィズス菌入りヨーグルト」に使用する商標としてフランスを始め諸外国において周知であるとしても、前記(1)で認定したとおり、本件商標と引用商標とが非類似の商標である以上、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に定める要件を欠くものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)引用商標2 (色彩は、原本参照) (2)引用商標3 (色彩は、原本参照) (3)引用商標4 (色彩は、原本参照) |
異議決定日 | 2010-03-29 |
出願番号 | 商願2008-83915(T2008-83915) |
審決分類 |
T
1
651・
222-
Y
(X2932)
T 1 651・ 262- Y (X2932) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 武谷 逸平、早川 真規子 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
末武 久佳 酒井 福造 |
登録日 | 2009-05-01 |
登録番号 | 商標登録第5227685号(T5227685) |
権利者 | 明治乳業株式会社 |
商標の称呼 | アクティビティ、アクティビティー |
代理人 | 古木 睦美 |
代理人 | 佐藤 雅巳 |