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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200728086 審決 商標
不服20109245 審決 商標
不服200910682 審決 商標
不服20096227 審決 商標
不服20091105 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X07
管理番号 1218364 
審判番号 不服2009-15181 
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-08-20 
確定日 2010-06-22 
事件の表示 商願2008- 93803拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第7類「種まき機械器具,施肥用機械器具,除草機械器具,病虫害防除機械器具,その他の農業用機械器具」を指定商品として、平成20年11月19日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第2696833号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年3月31日登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同6年9月30日に設定登録され、同16年9月21日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、その後、同17年7月13日に指定商品を第7類「刈払機,刈払機用刈払刃,その他の農業用機械器具」、第8類「くわ,鋤,レーキ(手持ち工具に当たるものに限る。)」、第9類「検卵器」及び第11類「飼料乾燥装置」を含む第6類、第7類、第8類、第9類、第10類、第11類、第12類、第15類、第16類、第17類、第19類、第20類、第21類、第26類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、「播王」の文字を横書きしてなるものであり、引用商標は、別掲(2)のとおり、「刃王」の文字を横書きしてなるものであるから、外観において、明らかな差異を有するものである。
次に称呼についてみると、該文字は、両者とも辞書等に熟語としての用例は見当たらず、一般に用いられない造語であると認められるものであり、一連の読みが直ちに特定できないものである。
ところで、本願商標の構成中「播」の文字の読みは「ハ、バン、マ(ク)」であって、その字義は「(種を)まきちらす。ひろくしき及ぼす。」等であり、「王」の文字の読みは「オウ、キミ、オオキミ」であって、その字義は「君主。一国の統治者。キング。実力で第一位にある者。」等である(財団法人新村出記念財団「広辞苑 第六版 DVD-ROM版」、岩波書店、2008 )。そうとすると、本願商標は、「播」及び「王」の各漢字一字のそれぞれの読みのうち、一連の読み方として音読みにより、「ハオー」又は「バンオー」の称呼が生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標の構成中「刃」の文字の読みは「ジン、ニン、ハ、ヤイバ」であって、その字義は「刀などの、は。やいば。やいばのついた武器。はもの。はもので切る。切り殺す。」である(前出「広辞苑」)。そうとすると、該文字と「王」とを組み合わせた引用商標は、「刃」及び「王」の各漢字のそれぞれの読みを組み合わせた一連の読みにより、「ジンオー」、「ニンオー」、「ハオー」又は「ヤイバオー」の称呼が生ずるものというのが自然である。
してみれば、両商標は、「ハオー」の称呼を共通にする場合があるものといえる。
次に、観念についてみると、本願商標と引用商標は、前記のとおりいずれも造語と認められるものである。
ところで、本願商標と引用商標の指定商品との関係についてみると、両商標が抵触関係にある指定商品は、共に農業関連の機械器具である。
そして、農業においては、種をまくこと、肥料をまくこと等、あるものを「まく」ことを目的とした作業が多く含まれ、請求人が指定商品として積極的に表示している「種まき機械器具」「施肥用機械器具」のように、これらの作業に対応する機械器具が多く販売されていることから、本願商標「播王」に接する取引者、需要者は、これから「(種など)播く(機械)の王様(第一位にあるもの)」程の意味合いを強く認識するものということができる。
一方、引用商標についても、農業においては、作物の刈り取り、土を鋤くこと等の作業で用いられる機械器具で、刃の部分の品質が重要となるものが多く販売されていることから、引用商標「刃王」に接する取引者、需要者は、これから「刃物の王様(第一位にあるもの)」程の意味合いを認識するものということができる。
そうすると、両商標は、観念の上で、取引者、需要者に著しく異なった印象を与えるというべきである。
してみれば、本願商標と引用商標は、共に複数の称呼が生じ得る中にあって、たとえ「ハオー」の称呼を共通にするとしても、両商標の外観及び観念において明らかな差異を有しており、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、両商標を同一又は類似の商品に使用した場合においても、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれはないというべきであるから、本願商標と引用商標は、非類似の商標とみるのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 <別掲>
(1)本願商標


(2)引用商標


審決日 2010-06-10 
出願番号 商願2008-93803(T2008-93803) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X07)
最終処分 成立  
前審関与審査官 橋本 浩子 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 酒井 福造
大塚 順子
商標の称呼 ハオー、バンオー 
代理人 矢野 寿一郎 

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