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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200728086 審決 商標
不服20091105 審決 商標
不服20109245 審決 商標
不服200910682 審決 商標
不服20096227 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 取り消して登録 X36
管理番号 1218362 
審判番号 不服2009-9125 
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-04-27 
確定日 2010-06-23 
事件の表示 商願2007-120168拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「BURJ AL」の欧文字と「バージュアル」の片仮名文字を上下二段に書してなり、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,土地の有効利用に関する情報の提供,建物又は土地の情報の提供,生命保険契約の締結の媒介,損害保険契約の締結の代理,建物又は土地取得のための資金計画に関する助言,資金の貸付,債務の保証,家賃・管理費の集金,不動産賃料の回収代行,駐車場料金の徴収の代行,保険・金融・土地又は建物に関する財務の評価」を指定役務として、平成19年11月30日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成中に、本願出願前から「ジュメイラ(JUMEIRAH)」(アラブ首長国連邦在)が、世界一の高さと七つ星ホテルと言われる豪華さを誇ることで有名なホテルの名称として使用し、本願出願前から我が国において取引者・需要者間に広く知られているドバイのホテル『Burj Al Arab』(以下「引用標章」という。)の文字と類似する文字を含むものであるから、本願商標をその指定役務に使用するときは、該役務が恰も前記会社又はこれと何らかの関係のある者の業務に係る役務であるかの如く、役務の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標及び引用標章の構成について
本願商標は、前記1のとおり、「BURJ AL」及び「バージュアル」の文字を二段に配してなるところ、その構成は、まとまりよく一体的であり、その構成中下段に書された「バージュアル」の文字は、上段の「BURJ AL」の読みを特定したものと無理なく理解できることから、「バージュアル」の称呼を生ずると認められるものである。
そして、「BURJ AL」及び「バージュアル」の各文字は、「ジーニアス英和大辞典(大修館書店発行)」、「広辞苑(第6版)」や「コンサイスカタカナ語辞典(三省堂発行)」のいずれの辞典にも掲載されていないことから、格別の意味合いを有するものとして一般の取引者、需要者に理解されているものとは認め難いものである。
そうすると、本願商標は、特定の語義を有しない造語として認識、把握されるとみるのが相当である。
他方、引用標章は、「Burj Al Arab」の文字よりなるところ、「Burj Al Arab」については、インターネット等の情報によれば、以下の情報がある。
(ア)エス・ティー・ワールドのウェブサイトにおいて、「ジュメイラ・インターナショナル特集」の見出しのもと、「ジュメイラ・インターナショナル(Jumeirah International)は、アラブ首長国連邦のドバイに本拠を置く高級ホテルグループです。・・・ドバイのランドマークとなった、世界的に有名なバージ・アル・アラブ・・・も所有・運営・・・」の記載。(http://stworld.jp/feature/jumeirah/beach_hotel.html)
(イ)ワールドホテルホットラインのウェブサイトにおいて、「バージュ・アル・アラブ」の見出しのもと、「世界で最も豪華なホテルとして知られるバージュ・アル・アラブ。」の記載。(http://www.whhl.net/system/detsearch.do?hotelId=23471)
(ウ)All Aboutのウェブサイトにおいて、「世界一の高さを誇る別名7つ星ホテル『バージュ・アル・アラブ』」の見出しのもと、「アラビア湾の人工島の上に優雅に建造された世界一の高さを誇るデラックスホテル『バージュ・アル・アラブ』、1999年にオープンしたこのホテルは、・・・」の記載。(http://allabout.co.jp/gs/traveldubai/closeup/CU20080428A/index2.htm)
以上によれば、「Burj Al Arab」は、アラブ首長国連邦を構成する首長国の一つであるドバイ在のホテルグループである「ジュメイラ・インターナショナル」が1999年にオープンし、所有・運営するホテルの名称であることが認められる。
また、当審において調査するも、ホテル「Burj Al Arab」を指称する略称又は別称として「BURJ AL」又は「バージュアル」の文字が使用されている事実は認められなかった。
そうとすれば、「Burj Al Arab」の文字よりは、「バージュアルアラブ」の称呼を生じ、「ドバイ在の『バージュアルアラブ』という名称のホテル」程の観念が生じるといえるものである。
そこで、本願商標と引用標章の類否について検討するに、本願商標から生ずる「バージュアル」の称呼と、引用標章から生ずる「バージュアルアラブ」とは、語尾において「アラブ」の称呼の有無という差異を有することから、語調、語感を異にし、互いに聴き誤るおそれはないものである。
また、外観においては、明確に区別し得るものであり、観念については、本願商標は特定の語義を有しない造語であることから、比較することができない。
してみれば、本願商標と引用標章とは、その外観、観念及び称呼のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない非類似の商標である。

(2)引用標章の著名性について
出願に係る商標が商標法第4条第1項第15号に該当するというためには、その登録出願時及び査定時(又は審決時)に、引用標章が他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていることを要すると解されるものである。
これを本件についてみるに、ホテル「Burj Al Arab」が一定程度知られているものであることは窺えるが、当審において調査するも、本願商標の登録の出願時である平成19年及び査定時である平成21年において、日本国内で他に「Burj Al」を冠したホテルが存在しないこと、前記(1)のとおり、ホテル「Burj Al Arab」を指称する略称又は別称として「BURJ AL」又は「バージュアル」の文字が使用されている事実が認められないこと等からすれば、引用標章が、我が国の需要者に相当程度認識され、周知・著名性を有しているとはいい難いものである。

(3)出所の混同のおそれについて
以上を総合勘案すると、たとえ引用標章がドバイ在のホテルの名称として、一定程度知られているとしても、本願商標と引用標章とは、前記(1)で認定したとおり、別異のものと看取、理解される非類似のものであって、かつ、前記(2)のとおり、需要者の間に広く認識され、周知・著名性を有しているとは言い難く、他に両者を関連づけてみるべき理由もないことから、本願商標がその指定役務に使用された場合、これに接する取引者、需要者が、引用標章を連想、想起し、該役務が引用標章の使用者又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるとまではいえないものである。

(4)むすび
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第15号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2010-06-02 
出願番号 商願2007-120168(T2007-120168) 
審決分類 T 1 8・ 271- WY (X36)
最終処分 成立  
前審関与審査官 渡辺 潤大島 康浩 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 小田 昌子
田中 亨子
商標の称呼 バージュアル、バージエイエル、バージェイエイエル、ブルジェイエイエル、バージュ、バージ、バージェイ、ブルジェイ 
代理人 小谷 武 

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