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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20109245 審決 商標
不服200728086 審決 商標
不服20095655 審決 商標
不服200910682 審決 商標
不服20096227 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X05
管理番号 1218278 
審判番号 不服2009-1105 
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-01-13 
確定日 2010-06-14 
事件の表示 商願2007- 62544拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第5類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成19年6月19日に登録出願され、その後、指定商品については、同20年1月18日付け手続補正書により、第5類「生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,生理用パンティライナー,失禁用ナプキン,失禁用パッド,失禁用ライナー」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4595712号商標は、「ふわふわ」の文字を横書きしてなり、平成12年11月3日登録出願、第10類及び第11類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同14年8月16日に設定登録されたものである。
(2)登録第4707031号商標は、別掲2のとおりの構成からなり、平成15年3月12日登録出願、第10類及び第11類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同15年9月5日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用各商標」という。

3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、上段に「CENTER-IN」の文字を顕著に表し、その下の左側に、該文字より小さく「Compact」の文字を表し、かつ、その右側に該「Compact」の文字よりさらに小さく「fuwafuwa」の文字を配した構成からなるものであるから、かかる文字の大きさの相違によって、「CENTER-IN」、「Compact」及び「fuwafuwa」の各文字の組合せからなるものと視覚上容易に認識されるものである。
ところで、商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決)、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決)。
これを本件についてみるに、本願商標は、上記のとおり、「CENTER-IN」、「Compact」及び「fuwafuwa」の各文字を組み合わせた結合商標と解されるものであるから、以下、各文字について検討する。
(1)「CENTER-IN」について
本願商標の構成中、上段に表された「CENTER-IN」の文字は、「CENTER」と「IN」の各文字をハイフンを介して同じ書体、同じ大きさで視覚上まとまりよく一体的に表してなるものであって、構成文字全体をもって親しまれた既成の観念を有するものではなく、本願商標の指定商品との関係においても、その商品の品質等を直接的、かつ、具体的に表すものとみるべき特段の事情も見いだし得ないものである。
そして、後述のとおり、「Compact」及び「fuwafuwa」の各文字が自他商品の識別標識としての機能が無いか又は弱いというべきものであることをも考慮すると、本願商標において、他の文字と比較して顕著に表された「CENTER-IN」の文字は、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすというべきものである。
(2)「Compact」について
本願商標の構成中の「Compact」の文字は、「こぢんまりした。ぎっしり詰まった。」(「研究社 新英和大辞典 第6版」株式会社研究社発行)等の意味を有する語として一般に知られており、その外来語「コンパクト」は、本願商標の指定商品を取り扱う業界において、「コンパクトタイプ」、「コンパクトに携帯できます」、「コンパクトに折りたたむことができ外出にも手軽」、「コンパクトなのに頼もしいナプキン」、「コンパクトサイズ」のように取引上使用されている実情にあることから、自他商品の識別標識としての機能が無いか又は極めて弱いとみるのが相当である。
(3)「fuwafuwa」について
本願商標の構成中の「fuwafuwa」の文字は、辞書等に記載された成語とは認められないものであるが、これからは、英語読み風の「フワフワ」の読みを生ずるものである。
しかして、かかる「フワフワ」の読みは、「多量の空気を含んで押しても抵抗がないほど柔らかくふくらんでいるさま。」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店発行)の意味を有する語として一般に広く知られている「ふわふわ」の語の読みと同一のものであり、ほかに我が国において「フワフワ」の読みを生ずる語として一般に親しまれている語は見いだせない。
そして、本願商標の指定商品を取り扱う業界においては、「ふわふわな付け心地」、「ふわふわでやさしい肌触り・・・」、「ふわふわナプキン」、「ふわふわな肌ざわり・・・」、「ふわふわタイプ」のように、「ふわふわ」の語が肌ざわりが良いことをうたうものとして取引上普通に使用されている実情にあることからすると、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「fuwafuwa」の文字から「フワフワ」の読みを無理なく認識し、これから「ふわふわ」の語を連想して、該「fuwafuwa」の文字が「ふわふわ」の語から生ずる読みを欧文字で表したものと認識し、把握するとみるのが相当である。
そうすると、本願商標の構成中の「fuwafuwa」の文字は、自他商品の識別標識としての機能が弱いというべきであり、加えて、該文字は、本願商標を構成する「CENTER-IN」及び「Compact」の各文字と比較しても極めて小さく表された構成からなること、「CENTER-IN」の文字が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることをも考慮すると、「fuwafuwa」の文字は、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということはできない。
(4)小括
前記(1)ないし(3)によれば、本願商標は、殊更、「CENTER-IN」の文字を捨象して、「fuwafuwa」の文字のみを分離抽出して取引に資されるというのは不自然というべきであるから、商品の出所識別標識として、「fuwafuwa」の文字から「フワフワ」の称呼が生ずるものとは認められない。
してみると、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、その構成文字全体に相応して「センターインコンパクトフワフワ」の称呼を生ずるほかに、「CENTER-IN」の文字に相応して「センターイン」の称呼を生ずると判断するのが相当である。
ほかに、本願商標と引用各商標は、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとみるべき特殊の取引の実情も見いだせない。
(5)むすび
以上によれば、本願商標から「フワフワ」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標と引用各商標とが称呼上類似するとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当ではなく、その理由をもって本願を拒絶することはできない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本願商標


2 引用商標2


審決日 2010-06-01 
出願番号 商願2007-62544(T2007-62544) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X05)
最終処分 成立  
前審関与審査官 神田 忠雄 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 大森 友子
末武 久佳
商標の称呼 センターインコンパクトフワフワ、センターイン、コンパクトフワフワ、コンパクト、フワフワ 

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