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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X03
管理番号 1218276 
審判番号 不服2009-9481 
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-05-01 
確定日 2010-05-20 
事件の表示 商願2007-125329拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第3類「せっけん類,香料類,香水類,精油,化粧品,コロン,オーデトワレ,スプレー式ボディー用香水,スキンケア化粧品,スキンオイル,スキンクリーム,スキンローション,シェービングフォーム,シェービングジェル,プレシェービングローション,アフターシェーブローション,髭剃前の化粧品,髭剃後の化粧品,シェービング用化粧品,タルカムパウダー,バス・シャワー用化粧品,ヘアーローション,頭髪及び頭皮用化粧品,歯磨き,口内洗浄剤(医療用のものを除く。),身体用防臭剤,制汗用化粧品」を指定商品として、平成19年12月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2116408号商標(以下「引用商標」という。)は、「ACS」及び「アックス」の文字を上下二段に書してなり、昭和61年7月8日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年2月21日に設定登録されたものである。その後、商標権の存続期間の更新登録が2回に亘りなされ、さらに、同21年5月20日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、黒色の縦長矩形内に、上部に茶色で「DaRktemptatION<ダークテンプテーション>」と横書きで表し、中央には、黄土色の色彩を施し白く縁取りをした「AXE」の文字を左に90度傾けた態様で前記文字に比較して非常に大きく表し、下部には、茶を基調とした幾何図形を配した構成よりなるものである。
しかして、本願商標の構成にあって、「AXE」の文字部分は、左に90度傾けた態様で矩形内の中央に大きく表され、看者の注意を引きやすいことから、視覚上分離して認識、把握されるばかりでなく、「AXE」の文字部分と他の文字及び図形部分が、全体として、特定の観念を生じるものでもないうえに、他に、前記部分を、常に一体不可分のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見出せないものである。
また、「AXE」の文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、該文字は、請求人も認めているように「斧」等の意味を有し、「ax」と同義語で「アクス」と発音される英単語である。
そうとすれば、本願商標の構成文字全体から生じる「ダークテンプテーションアクス」の称呼が、長音を含めて13音と冗長であることも相俟って、これに接する取引者、需要者は、90度傾けて中央に顕著に大きく表された「AXE」の文字部分を捉え、構成文字に相応して「アクス」の称呼をも生じ、かつ、「斧」の観念をもって、取引に資する場合も決して少なくないものといえる。
他方、引用商標は、前記2のとおり「ACS」及び「アックス」の文字を上下二段に書してなるところ、これより「アックス」の文字部分を捉えて、「アックス」の称呼を生じ、かつ、特定の意味合いを有しない造語と認識されるものである。
そこで、本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標から生じる「アクス」の称呼と、引用商標から生じる「アックス」の称呼とを比較すると、両者は「ア」、「ク」及び「ス」の音を共通にし、相違するのは、語頭「ア」の音に伴う促音の有無のみである。
そして、当該差異音である促音は、それ自体が独立した1音として明確に発音されて、聴取されるものではなく、その前音である「ア」に吸収されて、明確には聴取され難い微弱音となることから、促音の有無が、称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼した場合には、全体としての語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。
次に、観念についてみるに、本願商標は「斧」の観念を生じるのに対し、引用商標は造語であることから、観念において比較し得ないものであり、また、外観についてみるに、本願商標と引用商標とは、それぞれ前記1及び2の構成よりなるものであるから、外観において差異を有するものといわなけ
ればならない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念においては比較し得ないものの、称呼においては、「アクス」の称呼と「アックス」の称呼とが類似することから、全体として相紛れるおそれのある類似する商標というべきであり、また、本願商標の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
したがって、本願商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当すると判断するのが相当である。
なお、請求人は、過去に登録された事例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張するが、商標の類否の判断においては、過去の審査例等の判断に拘束されることなく、個別、具体的に検討されるべきところ、本願商標と引用商標とが類似するものであること、前記のとおりであるから、請求人の主張を採用することはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本願商標


(色彩については、原本を参照されたい。)

審理終結日 2009-12-10 
結審通知日 2009-12-16 
審決日 2010-01-06 
出願番号 商願2007-125329(T2007-125329) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神田 忠雄 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 瀧本 佐代子
岩崎 安子
商標の称呼 ダークテンプテーション、アグゼ、アクセ、アキセ、エイエックスイイ、アックス 
代理人 中山 健一 

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