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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X33 審判 全部申立て 登録を維持 X33 審判 全部申立て 登録を維持 X33 |
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管理番号 | 1216485 |
異議申立番号 | 異議2009-900310 |
総通号数 | 126 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-06-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2009-08-17 |
確定日 | 2010-04-23 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5229590号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5229590号商標の登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 登録第5229590号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成20年4月28日に登録出願、第33類「ワイン」を指定商品として、同21年5月15日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1ないし第17号証を提出した。 (1)引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1625119号商標(以下「引用商標」という。)は、「ベルサーチ」及び「VERSACE」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和54年4月24日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同58年10月27日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、平成16年3月3日に第6類、第14類、第18類、第21類、第22類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。 (2)商標法第4条第1項第8号について 本件商標は申立人の名称の著名な略称である「VERSACE」を含むものである。また、商標権者と申立人は他人である。さらに、出願に際して申立人の承諾を得ていない。 (3)商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、申立人の商標として、一般に広く知られているから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同するおそれがある。 (4)商標法第4条第1項第19号について 引用商標は、申立人の商標として、日本国及び外国において広く一般に知られているから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同するおそれがある。さらに、商標権者は申立人が使用する商標が広く認識されていることを知っており、申立人の使用する商標の著名性にただ乗りする意思を有していることから、不正の目的を有しているものと推認される。 (5)むすび したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第8号について 本件商標は、別掲のとおり、「DOMINIC」と「VERSACE」の文字を円周に沿って表し、かつ、その中央部に植物を図案化したと思しき図を配した黒塗り円形図と、その下に「DOMINIC」と「VERSACE」の文字を二段に表し、さらに、その下に小さく「WINES」の文字を表したものである。 しかして、本件商標の構成中には、前記のとおり、「VERSACE」の文字を含むものである。 そして、申立人提出の証拠によれば、標章「VERSACE」が申立人の取扱に係る装飾品や服飾品等の商品を表示する商標として、前記商品等の需要者の間において広く認識されているものと認めることができる。 しかしながら、その全証拠によっても、本件商標の登録出願時に、当該標章が、前記商品等の取引業界の需要者を超えて、申立人を特定し指称する「略称」として、一般に広く認識されるに至っていたとまで認めることはできないものである。 してみれば、本件商標は、「VERSACE」の文字を含む構成のものではあるけれども、他人(申立人)の著名な略称を含む商標であるということができないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 前記(1)のとおり、引用商標である「VERSACE」が申立人の取扱に係る装飾品や服飾品等の商品を表示する商標として、前記商品等の需要者の間において広く認識されているものと認めることができ、また、本件商標の構成中には、「VERSACE」の文字が表されており、構成態様上、当該文字部分に着目される場合がないとはいえない。 しかしながら、本件商標の指定商品は「ワイン」であり、引用商標に係る商品は装飾品や服飾品等であるから、その品質や用途が全く相違するうえ、流通経路が全く異なるものであって、その性質上関連性があるものということはできず、また、その需要者が共通であるとすることもできない。 そして、引用商標の周知性の程度は、ファッション関連商品においては相当に高いものではあっても、前記の使用される商品間の異質性を凌駕するほどに一般に浸透して極めて高いとまで認めることはできないものである。 加えて、「VERSACE」の文字は、外国人の氏名に用いられており、採択が極めて困難といえる類のものではなく、唯一申立人に係る独創性のある標章ともいえない。 以上を綜合してみれば、本件商標をその指定商品である「ワイン」に使用しても、これに接する需要者が引用商標を想起するとは認め難く、連想して申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品である如く誤信することはなく、その出所について混同するおそれはないと判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第19号について 前記(1)のとおり、標章「VERSACE」が申立人の取扱に係る装飾品や服飾品等の商品を表示する商標としては、前記商品等の需要者の間において広く認識されているものと認めることができ、また、本件商標の構成中には、「VERSACE」の文字が表されている。 しかし、本件商標が「VERSACE」の文字を含む構成であるとしても、全証拠によっても、本件商標がその採択において申立人の商標に依拠し、その名声等にただ乗りするなどの不正の目的をもって使用する意図の下になされたと認め得る明確な証左はみいだせない。 なお、商標権者との関係も定かではない件外株式会社サンクチュアのホームページ上の「デザイナー・ジアンニ ベルサーチ」に係る記載をもって、直ちに、本件商標に関して商標権者に不正の目的があると推察することは到底できないというべきである。 したがって、本件商標は、不正の目的をもって使用をするものと認めることはできないものであるから、商標法第4条第1項第19号適用の要件を充足しておらず、本号に該当しない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 |
異議決定日 | 2010-03-24 |
出願番号 | 商願2008-36802(T2008-36802) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X33)
T 1 651・ 222- Y (X33) T 1 651・ 23- Y (X33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 武谷 逸平、小田 明 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
小林 由美子 久我 敬史 |
登録日 | 2009-05-15 |
登録番号 | 商標登録第5229590号(T5229590) |
権利者 | 若山 哲男 |
商標の称呼 | ドミニクベルサーチワインズ、ドミニクベルサーチ、ドミニク、ベルサーチ |
代理人 | 山下 穣平 |