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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X12
審判 一部申立て  登録を維持 X12
審判 一部申立て  登録を維持 X12
管理番号 1216475 
異議申立番号 異議2009-900232 
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-06-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-06-22 
確定日 2010-05-10 
分離された異議申立 有 
異議申立件数
事件の表示 登録第5215180号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5215180号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5215180号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成20年5月1日に登録出願され、第8類、第9類、第12類、第18類、第21類、第24類、第25類、第28類、第31類、第35類、第37類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成21年3月19日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4733213号商標(以下「使用商標」という。)は、「グローブ」及び「GLOBE」の文字を二段併記してなり、平成15年6月20日に登録出願され、第12類「自転車,自転車の部品及び附属品」を指定商品として、同年12月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は、その指定商品中「自転車,サドル,ハンドル,タイヤ,陸上の乗物用の機械要素,乗物用盗難警報器,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」については、商標法第4条第1項第15号、同第7号及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし第21号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、「自転車」を表示するものとして需要者間に広く認識されている申立人の使用商標を一部に含むものであるから、本件商標を本件異議申立てに係る指定商品に使用した場合には、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第7号について
申立人商品の日本での販売代理人であった出願人(商標権者)が、本件商標を使用することは、商取引の秩序を乱し、信義則に反する行為である。
(3)商標法第4条第1項第19号について
申立人商品の販売代理人であった者が、本件商標を出願・使用することは、申立人の使用商標の希釈化・名声毀損又はフリーライドによる図利目的など不正の目的による出願である。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 使用商標の周知性について
申立人の提出に係る証拠によれば、インターネットのウェブサイトにおいて、申立人及び申立人の日本法人について紹介されていること(甲第3号証)、申立人又は本件商標権者の発行に係る商品カタログにおいて使用商標を使用した自転車が掲載されていること(甲第4号及び第8号ないし第11号証)、米国で発行された英文の新聞・雑誌において使用商標を使用した自転車が紹介されていること(甲第12ないし第17号証)、申立人と本件商標権者会社とは販売代理店契約を締結し、2004年6月頃から2008年2月頃までに使用商標を使用した自転車が6800余台取引されたこと(甲第6及び第7号証)、ウェブサイト「日経トレンディネット」において申立人の自転車「グローブ」シリーズが紹介されていること(甲第5号証)などが認められる。
しかしながら、上記の事実によっては、使用商標が本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品「自転車」に使用する商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
すなわち、甲第3号証のウェブサイトには使用商標の表示はなく、甲第4号及び第8号ないし第11号証の商品カタログにしても、表紙に「SPECIALIZED」の標章が大きく表示され、その中の一シリーズとして使用商標を用いた自転車が掲載されているにすぎず、しかも、上記商品カタログの発行部数、頒布の方法・地域・期間等は明らかでない。
また、米国で発行された新聞・雑誌(甲第12号ないし第17号証)に使用商標を使用した自転車が紹介されているのは、わずか数誌であり、掲載回数もそれぞれ1回である。
なお、甲第15号証の雑誌は、本件商標の登録出願後に発行されたものであり、同じく、甲第5号証のウェブサイトの記載内容も、本件商標の登録出願後のものである。
さらに、本件商標権者を通じて販売された自転車の台数も、5年弱の期間に6800台余りであって、極めて多いという程のものではない。
その他、使用商標が本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品「自転車」に使用する商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めるに足る証拠はない。
イ 本件商標と使用商標との類否について
本件商標は、別掲のとおり、その構成中「GLOBERIDE」の文字部分が同書、同大、等間隔に一連に書してなるものであるから、構成文字全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるというべきであり、該文字に相応して「グローブライド」の一連の称呼のみを生ずるものである。
この点に関し、申立人は、その構成中の「RIDE」の文字部分が、商品の品質等を記述的に表現する語である旨主張し、証拠(甲第19号及び第20号証)を提出しているが、該証拠を徴しても、本件商標における「RIDE」の文字が、商品の品質等を具体的に記述するものとは認められないから、申立人の主張は採用することができない。
他方、使用商標は、前記2のとおり、「グローブ」及び「GLOBE」の文字よりなるところ、上段の「グローブ」の文字部分が、下段の「GLOBE」の文字部分の読みを特定したものと無理なく認識し得るものであるから、これより「グローブ」の称呼を生じ、「地球」程の観念を生ずるものである。
そこで、本件商標と使用商標とを比較するに、本件商標から生ずる「グローブライド」の称呼と、使用商標から生ずる「グローブ」の称呼とは、「ライド」の音の有無という顕著な差異により明らかに区別できるものである。
また、本件商標と使用商標とは、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、さらに、本件商標は、既成の観念を有しないものであるから、観念について使用商標と比較すべくもない。
してみれば、本件商標と使用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
ウ まとめ
かかる事情の下において、本件商標を本件異議申立てに係る指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が、使用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第7号該当性について
上記(1)のとおり、使用商標は、本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められないし、また、本件商標と使用商標とは類似するところのない別異の商標であるから、たとえ、本件商標権者が申立人の代理人として我が国において使用商標を付した申立人の商品の宣伝・販売を行っていた事実があったとしても、本件商標権者が、使用商標に化体した名声・信用・評価等にただ乗りし、不正の利益を得るために使用する目的で本件商標を出願し、登録を受けたものということはできず、本件商標権者の行為が、直ちに信義則に反するものともいえない。
してみれば、本件商標を本件異議申立てに係る指定商品に使用しても、商取引の秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものとは認められない。
また、本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではないし、その使用が他の法律によって禁止されているものではなく、社会の一般的道徳観念等に反するものでもない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。

(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(1)のとおり、使用商標は、本件商標の登録出願時において申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められず、また、本件商標と使用商標とは、類似するところのない別異の商標であるから、たとえ、本件商標権者が申立人の代理人として我が国において使用商標を付した申立人の商品の宣伝・販売を行っていた事実があったとしても、本件商標は、使用商標の出所表示機能を希釈化し、その名声を毀損させる目的や、その名声にただ乗りして利益を得る等の不正の目的をもって出願されたものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。

(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中「自転車,サドル,ハンドル,タイヤ,陸上の乗物用の機械要素,乗物用盗難警報器,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」について、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)



異議決定日 2010-04-15 
出願番号 商願2008-34306(T2008-34306) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (X12)
T 1 652・ 222- Y (X12)
T 1 652・ 22- Y (X12)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉野 晃弘 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 野口 美代子
小川 きみえ
登録日 2009-03-19 
登録番号 商標登録第5215180号(T5215180) 
権利者 グローブライド株式会社
商標の称呼 グローブライド 
代理人 曾我 道治 
代理人 岡田 稔 
代理人 中山 健一 
代理人 坂上 正明 

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