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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない X303543 |
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管理番号 | 1216311 |
審判番号 | 不服2009-1196 |
総通号数 | 126 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-06-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-01-14 |
確定日 | 2010-04-07 |
事件の表示 | 商願2007-115813拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類、第35類及び第43類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年11月15日に登録出願されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、図形及び『金沢箔菓子』の文字よりなるところ、その構成中の『金沢箔』の文字は、石川県金沢市所在の石川県箔商工業協同組合が『金又は金合金のはく』等の商品に使用し、本願商標の登録出願前より取引者、需要者間に広く認識されている商標『金沢箔』(以下、「引用商標」という。)と同一又は類似の『金沢箔』の文字を有しているものであるから、このような商標を出願人が本願指定商品に使用する場合、取引者・需要者は上記人もしくはこれと何らかの関係を有する者の製造・販売に係る商品であるかのごとく商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第3 当審の判断 1 本願商標の商標法第4条第1項第15号の該当性について (1)本願商標の構成について 本願商標は、別掲のとおり「金沢箔菓子」の文字と図形との構成よりなるところ、その構成文字部分からは、容易に「金沢箔」の文字と、「菓子」の文字とを結合してなるものと認められる。 (2)引用商標の周知性について 「金沢箔」の文字よりなる引用商標は、権利者(「石川県箔商工業協同組合」石川県金沢市福久町口172番地)がその指定商品について使用した結果、その権利者の業務に係る指定商品を表示するものとして、取引者、需要者の間において広く認識されていたものと認められ、以下のとおり地域団体商標として登録されたものである。 引用商標は、「金沢箔」の文字を標準文字で表してなり、第6類「石川県金沢市産の銅又は銅合金のはく,石川県金沢市産のアルミニウム又はアルミニウム合金のはく」及び第14類「石川県金沢市産の金又は金合金のはく,石川県金沢市産の銀又は銀合金のはく」を指定商品とする地域団体商標として、平成18年4月3日に登録出願され、平成19年2月9日に登録第5024671号として設定登録されたものである。 (3)本願商標の指定商品又は指定役務と、引用商標の指定商品との関連性について 請求人も認めているように、本願指定商品である菓子や本願指定役務の提供に係る飲食物の中には、金箔を混ぜたり、まぶしたりしたもの、すなわち、金箔を原材料の一部とするものが一般的に製造、販売され、また、提供されていることが認められる。 そうとすると、本願の指定商品又は指定役務と引用商標の指定商品とは、原材料において極めて密接な関連性を有しており、両商標の需要者は、共通する場合が少なくないというべきである。 (4)出所混同のおそれについて 以上を総合すれば、本願商標は、その構成中に、取引者、需要者間に広く認識されている引用商標と同一の綴りからなる「金沢箔」の文字を有するものであり、しかも、本願商標の指定商品又は指定役務と引用商標の指定商品とは密接な関連性を有するところからすれば、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合には、これに接する取引者、需要者は、周知・著名となっている引用商標を連想、想起し、該商品・役務が引用商標の権利者又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品、役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。 (5)小括 したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものと認められる。 2 請求人の主張(要旨)について (1)請求人は、「『金沢箔』の文字は、石川県金沢市産の金箔等、或いは、金箔等そのものを意味する代名詞的な語として広く浸透しており、一般大衆において普通名称化するには至らないまでも、極めてそれに近い程度にまで普及している。したがって、引用商標が周知であることのみをもっては、出願人が本願商標をその指定商品等に使用した場合に、当該商品等の需要者がその出所を石川県箔商工業協同組合と誤認混同するおそれがある、と結論付けるまでの合理的な理由にはならない。」旨、主張している。 しかしながら、前記1(2)のとおり、引用商標は、これが使用された結果、前記組合の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであり、そのことにより地域団体商標として登録されたものであるから、本願商標は、その周知性により商標、商品又は役務の同一又は類似の範囲を超えて商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというのが相当である。 したがって、請求人の主張は採用することができない。 (2)請求人は、引用商標の権利者又はそれと経済的又は組織的に何等かの関係のある者とは全く異なる者が、ウェブサイトの識別標識の類やそこで提供される商品等の名称として「金沢箔」の文字を一部に使用しているが、それでも、これら種々の金箔等を用いた商品等が、前記組合等の業務に係る商品等であると誤認され、結果、その商品等の需要者が商品等の出所について混同しているという事実はない旨、主張している。 しかしながら、現実に混同を生じていることは第4条第1項第15号の必須条件ではなく、少なくとも、本願商標をその指定商品又は指定役務に使用した場合において、引用商標の権利者と経済的、資本的に何らかの関係を有するものと混同を生じるおそれがあれば足りるというのが相当であるから、請求人の主張は採用することができない。 (3)その他、請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。 3 結論 以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 |
審理終結日 | 2010-01-21 |
結審通知日 | 2010-01-29 |
審決日 | 2010-02-16 |
出願番号 | 商願2007-115813(T2007-115813) |
審決分類 |
T
1
8・
271-
Z
(X303543)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田口 善久 |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
豊瀬 京太郎 小川 きみえ |
商標の称呼 | カナザワハクガシ、ハクガシ、カナザワハク |
代理人 | 宮田 正道 |