• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X35
審判 全部申立て  登録を維持 X35
管理番号 1214724 
異議申立番号 異議2009-900191 
総通号数 125 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-05-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-05-25 
確定日 2010-04-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5206947号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5206947号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5206947号商標(以下「本件商標」という。)は、「PePe」の文字を書してなり、平成19年6月28日に登録出願、第35類「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成20年12月19日に登録査定、平成21年2月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、以下の(ア)ないし(ウ)の登録商標(以下、これらを「引用各商標」という。)と類似し、また、その指定役務も引用各商標の指定商品と類似するものである。
(ア)登録第631638号商標(以下「引用商標1」という。)は、「PEPE」の文字と「ペペ」の文字を二段に書してなり、昭和36年5月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和38年12月10日に設定登録され、その後、平成17年1月26日に指定商品を第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(イ)登録第4025441号商標(以下「引用商標2」という。)は、「Pepe Jeans」の文字と「LONDON」の文字を二段に書してなり、平成7年8月7日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年7月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(ウ)登録第5156326号商標(以下「引用商標3」という。)は、「Pepe Jeans」の文字を書してなり、平成18年10月25日に登録出願、第9類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年8月1日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第15号該当について
引用各商標は、ジーンズパンツを始めとする被服等の商品について、日本を始め世界の広い地域で使用され、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商品を表示するものとして、我が国においても需要者・取引者の間に広く認識されている商標である。そして、本件商標の構成は、需要者に容易に周知・著名な引用各商標を連想させるものである。
よって、本件商標をその指定役務に使用したときは、当該役務が申立人の提供に係るものであると、又は、当該役務によって小売りされる商品が申立人の商品に係るものであると誤信されるおそれがあるのみならず、当該役務が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係等にある者の業務に係る役務であると誤信されるおそれ(いわゆる「広義の混同を生じるおそれ」)があるものである。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当し、その登録を取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)申立人の使用商標の著名性について
申立人の提出した証拠によれば、申立人は、1973年に「Pepe Jeans」の商標を付したジーンズパンツの販売を開始し、その後、1992年に引用商標2及び3と同一のロゴからなる商標(以下「ペペジーンズ商標」という。)が採択され、ペペジーンズ商標に係るジーンズパンツ等の商品の販売は、80か国以上の国々で展開されていることが認められ、我が国において、東京都港区内にペペジーンズ商標に係る商品の専門店が開設されていることが認められる。しかしながら、甲第18号証の1ないし3の請求書リストによれば、日本への販売金額の総額(卸値)は、2005年4月1日?2006年3月31日が約54万ユーロであり、2006年4月1日?2007年3月31日が約88万ユーロであり、2007年4月1日?2008年3月31日が約36万ユーロであるにすぎない。そして、2007年?2009年の雑誌掲載計画(甲第14号証?甲第16号証)及び2008年10月?12月に発行された7誌12回の商品掲載ページの写し(甲第17号証)によれば、その雑誌掲載計画のとおり、2007年3月から宣伝広告がなされたとしても、2007年が3誌に3回、2008年が7誌に15回(なお、甲第17号証の雑誌掲載からすると、実際の広告掲載は、この計画とは多少異なる。)、2009年が2誌に8回であり、しかも本件商標の登録出願日(2007年(平成19年)6月28日)前の広告の回数は、わずか3回にすぎない。また、甲第17号証によれば、その掲載は、ファッション紹介の着こなし例として掲載されている多数の商品の一つとして商品が掲載され、その商品の提供者(製造者)として表示されているにすぎないものも多いと認められる。
そして、申立人の提出した証拠からは、「Pepe Jeans」若しくは「Pepe Jeans LONDON」として一体的に使用されていることは認められるものの、「Pepe」と略称して取引されている事実は何ら認められない。
そうとすれば、本件商標の出願時及び登録査定時において、ペペジーンズ商標及び「Pepe」の文字部分が、我が国の需要者の間に広く認識されているものとはいうことができない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当について
ア 引用商標1について
本件商標は、「PePe」の文字を書してなり、引用商標1は、「PEPE」の文字と「ぺぺ」の文字よりなるところ、「PePe」の文字と「PEPE」の文字とは、「e」の文字が大文字か小文字であるかの違いにすぎないものであり、本件商標と引用商標1は、いずれも「ペペ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。
そうとすれば、本件商標と引用商標1とは、「ペペ」の称呼を共通にする類似の商標と認められる。
しかしながら、本件商標の指定役務と引用商標1の指定商品の類否についてみてみるに、本件商標の指定役務は、「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であるところ、該役務は、小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供であって、取り扱う商品に係る用途、需要者とは、必ずしも一致するものとはいえないし、特に該役務は、衣食住にわたる各種商品を一括して一事業所で取り扱うことを特徴とするものであり、その個別の取扱商品との関連性が希薄であることからすると、本件指定役務は、引用各商標の指定商品とは、非類似の役務というのが相当である。
イ 引用商標2及び3について
引用商標3は、「Pepe Jeans」の文字を筆記体で書してなるものであり、引用商標2は、上段に引用商標3と同一の「Pepe Jeans」の文字を配し、下段に小さくゴシック体で「LONDON」の文字を配してなるものである。
そして、引用商標2及び3における「Pepe Jeans」の文字は、筆記体による同一書体で、まとまりよく一体的に表されているものであり、これより生ずる「ペペジーンズ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。加えて、その構成中の「Jeans」が「ジーンズパンツ」を意味する語であるとしても、本件商標の指定役務との関係においては、直ちに当該役務において取り扱う商品の品質であるというような役務の質を表示するものとして認識、理解されるとも言い難く、「Pepe Jeans」の文字部分は一体不可分のものとして認識されるというのが相当である。
そうとすると、引用商標3は、その構成文字より「ペペジーンズ」の称呼を生じ、引用商標2は、構成全体より「ペペジーンズロンドン」の称呼を生じ、「Pepe Jeans」の文字部分より「ペペジーンズ」の称呼を生じ、いずれも特定の観念を生じないものというのが相当である。
そこで、本件商標と引用商標2及び3の類否についてみるに、両商標は、外観において相紛れるおそれはないというべきであり、本件商標より生ずる「ぺぺ」の称呼と引用商標2及び3から生ずる「ペペジーンズ」及び「ペペジーンズロンドン」の称呼とは、いずれもその構成音及び構成音数に明らかな差異を有し、十分に聴別し得るものであり、また、観念については、本件商標及び引用商標2及び3は、いずれも特定の観念を有しないから、比較することができないものである。
してみれば、本件商標と引用商標2及び3とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
また、本件商標の指定役務は、前記アにおいてした判断と同様に、引用商標2及び3の指定商品と、類似の役務ということはできない。
ウ 以上のとおり、本件商標と引用商標1とは、同一又は類似の商標であるとしても、同一又は類似の役務に使用するものではなく、また、引用商標2及び3とは、非類似の商標であり、かつ、同一又は類似の役務に使用するものではないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当について
本件商標と「Pepe」の商標とは類似であるとしても、前記(1)のとおり、ペペジーンズ商標が「Pepe」と略称されているという事実もなく、ペペジーンズ商標及び「Pepe」の文字部分は、本件商標の出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されるに至っていたとまで認めることはできず、また、ペペジーンズ商標が使用されているジーンズパンツ等の商品と本件指定役務は、上記(2)のとおり、用途及び需要者等が一致するものとはいえないものであり、他に本件商標がペペジーンズ商標とその出所について混同を生ずるおそれがあるとする格別の事情も見いだせない。
してみれば、本件商標は、これをその指定役務に使用したとしても、これに接する需要者がペペジーンズ商標を想起又は連想して、当該役務を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないと判断すべきものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2010-03-19 
出願番号 商願2007-68860(T2007-68860) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X35)
T 1 651・ 271- Y (X35)
最終処分 維持  
前審関与審査官 榎本 政実大島 康浩渡辺 潤 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 瀧本 佐代子
板谷 玲子
登録日 2009-02-20 
登録番号 商標登録第5206947号(T5206947) 
権利者 西武商事株式会社
商標の称呼 ペペ 
代理人 中村 知公 
代理人 伊藤 孝太郎 
代理人 前田 大輔 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ