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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X4344
審判 査定不服 観念類似 登録しない X4344
管理番号 1214680 
審判番号 不服2009-11026 
総通号数 125 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-06-15 
確定日 2010-04-01 
事件の表示 商願2008- 38245拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1に示すとおりの構成からなり、第43類「飲食物の提供」及び第44類「入浴施設の提供,美容,理容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック」を指定役務として、平成20年5月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、「本願商標は、登録第4547740号商標(以下「引用商標1」という。)及び登録第4923736号商標(以下「引用商標2」という。)と、「ユノハナ」の称呼を共通にする類似の商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
そして、引用商標1は、「ゆの華」の文字を標準文字で表してなり、平成12年11月9日に登録出願、第35類「フランチャイジーに対する経営の診断及び指導,その他の経営の診断及び指導,市場調査」及び第42類「飲食物の提供,入浴施設の提供,あん摩,マッサージ及び指圧,はり,きゅう,健康相談,衣服の貸与,タオルの貸与,石けんの貸与,洗面用具の貸与,多目的ホールの貸与」を指定役務として、同14年3月1日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
また、引用商標2は、別掲2に示すとおり、「癒の花」の文字と「YU NO HANA」の文字を上下二段に書してなり、平成17年6月8日に登録出願、第44類「美容」を指定役務として、同18年1月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1との類否について
本願商標は、別掲1のとおり、構成文字中の「湯」の上に、平仮名「ゆ」を、「華」の上に平仮名「はな」の文字を配してなる、緑色で縁取りをした「湯の華」を赤字(以下「湯の華」という。)で書し、「湯の華」の左側に小さく「Spa Resort」の文字を、「湯の華」の右側に小さく「アイランド」の文字と「アイランド」の文字の下に、赤色の花の図形(以下花図形」という。)を配してなるものである。
しかして、本願商標は、構成全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、文字部分と花図形を常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められないものである。
また、本願商標の構成中「Spa Resort」、「湯の華」及び「アイランド」の文字が、一連でなんらかの特定の意味合いを看取させる等、これを常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとするべき特段の事情も認められない。
そして、「湯の華」の文字は、他の文字に比べ、大きく書され、かつ、緑色で縁取りされた上に、赤字で書されていることから、特に、看者の目を惹きやすい部分であると認められ、視覚上、分離して認識し、把握される場合があるとみるのが自然である。
さらに、本願商標の構成文字全体から生ずる「スパリゾートユノハナアイランド」の称呼も冗長であることから、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、大きく、かつ、赤字で書された「湯の華」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
したがって、本願商標は、構成文字全体に相応した「スパリゾートユノハナアイランド」の一連の称呼のほか、「湯の華」の文字部分に相応した「ユノハナ」の称呼をも生ずるものであり、かつ、「鉱泉中に生じる沈殿物。石灰泉からは石灰華、珪酸泉からは珪華、鉄質泉からは褐鉄鉱、硫黄泉からは硫黄を沈殿する。ゆばな。温泉華。」(広辞苑第六版)等の観念を生ずるものである。
他方、引用商標1は、「ゆの華」の文字を書してなり、該文字に相当して、「ユノハナ」の称呼を生ずるものであり、かつ、「鉱泉中に生じる沈殿物。石灰泉からは石灰華、珪酸泉からは珪華、鉄質泉からは褐鉄鉱、硫黄泉からは硫黄を沈殿する。ゆばな。温泉華。」(広辞苑第六版)等の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標1とを比較するに、両商標は、外観において相違するものであるとしても、「ユノハナ」の称呼及び「鉱泉中に生じる沈殿物。石灰泉からは石灰華、珪酸泉からは珪華、鉄質泉からは褐鉄鉱、硫黄泉からは硫黄を沈殿する。ゆばな。温泉華。」等の観念を共通にする類似の商標である。
また、本願商標の指定役務は、引用商標1の指定役務と同一又は類似の役務を含むものと認められる。
してみれば、本願商標と引用商標1とは、その称呼及び観念を共通にする類似の商標であるから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。

(2)本願商標と引用商標2との類否について
本願商標は、上記(1)の認定のとおり、「ユノハナ」の称呼をも生ずるものであり、かつ、「鉱泉中に生じる沈殿物。石灰泉からは石灰華、珪酸泉からは珪華、鉄質泉からは褐鉄鉱、硫黄泉からは硫黄を沈殿する。ゆばな。温泉華。」等の観念を生ずるものである。
他方、引用商標2は、別掲2に示すとおり、「癒の花」の文字と「YU NO HANA」の文字を上下二段に書してなるところ、その構成中の「YU NO HANA」の文字部分は、「癒の花」の読みをローマ字で表してなるものとみるのが自然であるから、引用商標2は、「癒の花」及び「YU NO HANA」の文字から「ユノハナ」の称呼を生じ、かつ、特定の観念は生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標2とを比較するに、両商標は、外観において相違し、かつ、引用商標2が、特定の観念を生じないことから、観念については比較できないものであるとしても、両商標は、「ユノハナ」の称呼を共通にする類似の商標である。
また、本願商標の指定役務中「美容,理容」と、引用商標2の指定役務「美容」とは同一又は類似の役務であると認められる。
してみれば、本願商標と引用商標2とは、その称呼を共通にする類似の商標であり、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。

(3)出願人(請求人)(以下「請求人」という。)の主張
請求人は、「本願商標『Spa Resort湯の華アイランド』は、2008年7月18日グランドOPENしたスパリゾート施設の総称として使用されている。そして、この施設はオープンから約1ヶ月半後に来場者が同年8月31日に10万人、同年11月3日に20万人、その後も2009年1月1日には30万人、同年2月25日には40万人、同年5月2日には50万人と順調に伸ばし、同年5月3日付けの岐阜新聞において、『Spa Resort湯の華アイランド』が紹介されている。こうした本願商標の使用状況からすれば、本願商標は、2008年7月18日から継続使用された結果、需要者の間に広く認識されている。してみれば、本願商標『Spa Resort湯の華アイランド』は、『湯の華』の文字部分のみを捉えて取引されるものではなく、一連一体のものとして認識されるものであるから、本願商標と引用商標1及び2とは互いに非類似の商標というべきである。」旨主張し、甲第第14号証ないし甲第19号証を提出する。
そこで、請求人が提出した前記証拠資料14ないし19を見るに、甲第14号証は、請求人のウェブサイトサイトの写しであり、そこには、本願商標の使用の事実と、その施設の来場者数が、2008年8月31日に10万人、同年11月3日に20万人、2009年1月1日に30万人、同年2月25日に40万人、同年5月2日に50万人に至っていると記載されて、甲第15号証は、請求人のウェブサイトサイトの写しであり、そこには、施設紹介と「『湯の華アイランド』は2008年7月18日オープンのスパリゾート施設です。」と記載されている。
また、甲第16号証は、スパリゾート施設のパンフレット抜粋であり、甲第17号証及び甲第18号証は、スパリゾート施設の30万人及び40万人来館達成記念サービス券の写しであり、そこには、本願商標が使用されている。
さらに、甲第19号証は、岐阜新聞に掲載されたスパリゾート施設の紹介記事であり、「可児市土田の温泉施設『スパリゾート湯の華アイランド』の入浴者二日、五十万人を突破した。」と記載されている。
上記の証拠資料を総合的に判断すると、本願商標が、岐阜県可児市に2008年7月18日にオープンしたスパリゾート施設の名称として使用され、2009年5月2日には、50万人の来場者があり、同年5月3日付け岐阜新聞に当施設に関する記事が掲載された事実は認められるものである。
しかしながら、本願商標を付したスパリゾート施設は、岐阜県可児市に1店のみ営業しているものであり、他県の地域にも店舗展開をしているものとは認められない。
また、宣伝・広告に関しては、請求人のウェブサイトにおいて、窺えるものの、その他、新聞や雑誌等への広告掲載の事実等について、なんら提出されていない。
さらに、新聞掲載記事も地方紙のみであって、全国紙に掲載されている事実を窺うことができにない。
してみれば、本願商標は、岐阜県内において、需要者・取引者に知られているものであるとしても、その周知度は、あくまでも一地域のみに限定されたものであり、また、少なくとも、その隣接した県、あるいは、全国的に知られたものであるとは判断できないことから、本願商標が、需要者等に広く認識されているものとは認められないものである。
そして、前記(1)で認定したとおり、本願商標は、その構成中の「湯の華」の文字部分のみをもって取引に資される場合があるものであるから、本願商標は、引用商標1及び2と類似する商標であり、かつ、その指定役務も同一又は類似するものと判断するのが相当である。
よって、「本願商標は、需要者の間に広く認識されているものであるから、本願商標と、引用商標1及び2とは、互いに非類似の商標である」とする請求人の主張は、採用することができない。。
また、請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該登録例は、商標の構成及び指定役務等において本願とは事案を異にするものであり、それらの登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人のこの主張も採用することはできない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。

(4)まとめ
以上からすると、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標(色彩については、原本を参照されたい。)




別掲2 引用商標2






審理終結日 2010-02-02 
結審通知日 2010-02-03 
審決日 2010-02-18 
出願番号 商願2008-38245(T2008-38245) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X4344)
T 1 8・ 263- Z (X4344)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 半田 正人 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 豊田 純一
小川 きみえ
商標の称呼 スパリゾートユノハナアイランド、スパリゾートユノハナ、スパリゾート、ユノハナアイランド、ユノハナ、アイランド 
代理人 菅原 正倫 

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