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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X1425
審判 全部申立て  登録を維持 X1425
審判 全部申立て  登録を維持 X1425
審判 全部申立て  登録を維持 X1425
管理番号 1213094 
異議申立番号 異議2009-900338 
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-04-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-08-31 
確定日 2010-02-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第5233913号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5233913号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5233913号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成20年9月6日に登録出願、第14類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同21年5月29日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標は、以下の(1)ないし(6)のとおりであり、いずれも、別掲2に示すとおりの構成よりなるものである。
(1)登録第4479759号商標
登録第4479759号商標(以下「引用商標1」という。)は、平成12年8月21日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同13年6月1日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4666475号商標
登録第4666475号商標(以下「引用商標2」という。)は、平成14年10月17日に登録出願、第27類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同15年4月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第4984425号商標
登録第4984425号商標(以下「引用商標3」という。)は、平成18年3月9日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月1日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第5085281号商標
登録第5085281号商標(以下「引用商標4」という。)は、平成18年7月13日に登録出願、第8類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同19年10月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(5)登録第5085283号商標
登録第5085283号商標(以下「引用商標5」という。)は、平成18年7月13日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同19年10月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(6)登録第5095566号商標
登録第5095566号商標(以下「引用商標6」という。)は、平成18年7月13日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同19年11月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、以下、引用商標1ないし6をまとめていう場合には、「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし第7号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標の「PARIS」部分と、引用商標の「PARIS」部分とは、特異なデザイン態様からなるにも拘らず、本件商標の「PARIS」部分は、引用商標の「PARIS」部分のデザインをそっくりそのまま模倣したかのように、各文字の書体や細部のデザインの特徴が完全に一致するものであり、当該文字部分全体が同一といってよいほど酷似するものであるから、時、処を異にして観察した場合、外観において相紛れるおそれは極めて高く、明らかに両者は外観上類似の商標であると言える。
また、本件商標と引用商標とは、いずれも「パリス」という称呼をも生じ、「フランスの首都パリ」という観念をも生じ得ることから、両者は称呼上及び観念上も類似の商標である。
さらに、本件商標の「PARIS」部分は、引用商標の「PARIS」部分のデザインをそっくりそのまま模倣したかのように、引用商標の「PARIS」部分とは、そのデザイン態様が同一であることから、需要者及び取引者は、本件商標及び引用商標を使用した各指定商品に接した場合には、同一の営業主の製造又は販売に係る商品であると誤認するおそれが極めて高く、本件商標と引用商標とは商品の出所について誤認混同を生じさせるものであり、取引の実情を考慮すれば、両者は明らかに類似の商標というべきものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼、観念の全てにおいて相紛らわしく、また、取引の実情等をも考慮すれば、商品の出所について誤認混同が生じるおそれは極めて高いことから、両者は類似の商標というべきであり、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
「PARIS」の語をその構成中に有する本件商標を、その指定商品中「フランス製(パリ製)の商品」以外の商品に使用した場合には、これに接する需要者及び取引者に、該商品が恰も「フランス製(パリ製)の商品」であるかの如く商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当するものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は、別掲1のとおり、上段の「MADAME PARIS」の文字を、ひげ飾りの付いた同じ書体、同じ大きさで表し、その下段に、上段の文字の読みを表したと認められる「マダム パリス」の文字を同じ書体、同じ大きさで書した構成よりなるものであるから、各構成文字は外観上一体的に表されたものとして把握し認識されるものである。
また、その構成中、前半の「MADAME/マダム」の文字部分は、既婚女性に対する敬称として姓などの前につけて用いられる語であるから、これに続く後半の「PARIS/パリス」とは一体不可分のものとして把握することが自然であって、観念上、構成全体から「パリ夫人」という擬人化された夫人の名称を表したものと把握し認識されるものというのが相当である。
さらに、その構成全体から生ずる「マダムパリス」の称呼は、冗長にわたる構成音からなるものではなく、淀みなく一気一連に称呼し得るものであり、上記したとおり一連の観念を生ずることも相俟って、本件商標からは、「マダムパリス」の称呼のみを生ずるというべきである。
他方、引用商標は、別掲2のとおりの構成からなるところ、二重の楕円状輪郭の内側中央に表された「PARIS」の欧文字部分と、その下に小さく配された「accessories for men」の欧文字並びに外側輪郭と内側輪郭の間に小さく配された「Massachusetts」等の文字及び2つの図形とは、常に一体のものとして把握しなければならない格別の理由はないものであるから、構成全体の中において顕著に表された「PARIS」の欧文字部分に着目し、これより生ずる称呼及び観念をもって取引に資される場合も多々あるというべきである。
そうしてみれば、引用商標は、該文字部分に相応して、「パリス」の称呼及び「フランスの首都パリ」の観念を生ずるものである。
そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、それぞれの構成に照らしてみれば、両者は、構成文字数の相違、構成態様の相違及び図形の有無において顕著な差異を有するものであるから、外観上明らかに区別し得るものである。
また、本件商標から生ずる「マダムパリス」の称呼と、引用商標から生ずる「パリス」の称呼とは、語頭において「マダム」の音の有無に差異を有するのであるから、両者は、称呼上、十分聴別することができるものである。 さらに、観念についてみるに、本件商標から生ずる「パリ夫人」と、引用商標から生ずる「フランスの首都パリ」とは、観念上も、十分区別することができるものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からしても、相紛れるおそれのない非類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第16号の該当性について
本件商標は、上記(1)のとおり、前半の「MADAME/マダム」と後半の「PARIS/パリス」の各語に分離して把握すべきではなく、むしろ、一体不可分のものとして把握すべきものであるから、申立人の主張は、これを分離して把握し、その要部が「PARIS」の文字部分にあることを前提に、商品の品質の誤認が生じさせるおそれがあるとした主張であるから、その前提において失当であり、採用することができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号の規定に該当するものではない。
(3)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び第16号の規定に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1
本件商標



別掲2
引用商標


異議決定日 2010-02-03 
出願番号 商願2008-77171(T2008-77171) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X1425)
T 1 651・ 262- Y (X1425)
T 1 651・ 272- Y (X1425)
T 1 651・ 263- Y (X1425)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉野 晃弘 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 小川 きみえ
野口 美代子
登録日 2009-05-29 
登録番号 商標登録第5233913号(T5233913) 
権利者 株式会社アイ、シー、シー
商標の称呼 マダムパリス、マダムパリ 
代理人 小山 義之 
代理人 西川 惠清 
代理人 森 厚夫 

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