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審決分類 審判 査定不服 商4条1項14号 種苗法による登録名称と同一又は類似 登録しない Y252841
管理番号 1213060 
審判番号 不服2008-650159 
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-04-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-10-29 
確定日 2010-01-05 
事件の表示 国際登録第893545号にかかる国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第10類、第25類、第28類及び第41類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2006年2月28日Switzerlandにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条の優先権を主張し、2006年(平成18年)7月13日に国際商標登録出願されたものである。
その後、指定商品については、原審における平成19年9月25日付け手続補正書により、第10類に属する商品が削除されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標構成中の『MBT』の文字は、通商産業大臣が平成6年4月26日号外通商産業省告示第270号で指定した『国際労働機関の標章』中の一つである『M.B.T.』の標章と類似のものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第3号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
商標法第4条第1項第3号は、「国際連合その他の国際機関を表示する標章であって経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標は、商標登録を受けることができない。」とするものであって、工業所有権の保護に関する国際間の条約であるパリ条約第6条の3(1)(b)の規定の趣旨を受けて設けられたものである。
そして、同条約の規定の目的とするところは、同盟国が加盟している政府間国際機関の紋章、旗章その他の記章、略称及び名称については、これと同一又は類似の標章を工業所有権の保護対象から除外することにより、当該機関の主権を尊重し、その権利と尊厳を維持・確保することにあり、前記法条の規定はこれと同趣旨をもって、一私人に独占させることにより当該国際機関等の尊厳性を害し、公益上支障のあるような標章は、登録しない旨を定めたものと解される。
そこで検討するに、本願商標は、別掲のとおり、黒色の横長楕円形輪郭内に、やや隙間を設けて黒色の横長楕円形を配し、該楕円形内に白抜きした「MBT」の欧文字及び「T」の文字の右横に近接して小さな白抜きの○R記号を配してなるところ、構成中の○R記号は、それが商標であることなどを表す際の記号として付記的に用いられることが多いものであることから、自他商品の識別標識としての機能を有さない部分と認められる。
また、構成中の横長楕円図形と「MBT」の文字とは観念上密接な関係を有するものとも認められず、常に一体不可分のものとしてのみ把握しなければならない特段の理由があるものとはいえない。そうとすれば、本願商標からは、その構成中、中央に配され,看者の注意を惹き、強い印象を与えると認められる「MBT」の文字部分が、独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たすと判断するのが相当である。
次に、「MBT」の文字は、商標法(昭和34年法律第127号)第4条第1項第3号の規定に基づき、通商産業大臣(平成13年1月6日施行の中央省庁等改革基本法により、「通商産業大臣」は「経済産業大臣」に改められた。)が「国際労働機関の標章指定」(平成6年4月26日号外通商産業省告示第270号)(平成6年5月1日から適用)として指定する標章の一である、「M.B.T.」と「.」(ピリオド)の有無の差を有するにすぎず、その構成文字を同一にするものである。
してみれば、本願商標は、通商産業大臣が指定する前記標章と類似の商標といわざるをえないものであり、本願商標を商標法第4条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、「本願商標を構成する『MBT』の欧文字は図案化されており、しかも二重線で縁取りされた極度に横長に表記された楕円の黒地内部に白抜きで表記されているが、通商産業大臣が指定した標章はブロック文字で『M.B.T.』と表記されているから、本願商標は国際労働機関の標章の略称である『M.B.T.』には類似しない」旨述べ、本願商標の指定商品・役務についての商標登録及び使用について国際労働機関が同意する旨の同意書(甲第1号証)を提出している。
しかしながら、商標法第4条第1項第3号は「国際連合その他の国際機関を表示する標章であって経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標は、商標登録をうけることができない。」と規定し、本願商標と、指定された標章そのものとの類否を判断すれば足り、本件については、前記のとおりの認定・判断を相当とするものである。また、同規定は、公益上支障のあるような標章は、登録しない旨を定めた公益保護の規定と理解されることから、たとえ、その承諾を得た場合であっても、登録しない旨を定めたものと解されるものである。したがって、この点について請求人の主張は採用することができない。
また、請求人は他の登録例を挙げ、本願も登録されるべきである旨主張するが、当該商標が登録されるべきか否かは、それぞれ個別、具体的に判断されるものであることから、前記登録例をもって、本件の判断基準とすることは適切ではない。したがって、この点においても、請求人の主張を採用することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 2009-08-05 
結審通知日 2009-08-07 
審決日 2009-08-26 
国際登録番号 0893545 
審決分類 T 1 8・ 21- Z (Y252841)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高橋 厚子 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 野口 美代子
木村 一弘
商標の称呼 エムビイテイ 
代理人 谷口 登 
代理人 中山 健一 

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