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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X12
審判 全部申立て  登録を維持 X12
管理番号 1211545 
異議申立番号 異議2009-900244 
総通号数 123 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-03-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-06-22 
確定日 2010-01-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第5216521号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5216521号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5216521号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)の構成よりなり、平成20年9月22日に登録出願、第12類「高圧洗浄車,散水車,清掃車,タンクローリー,有機汚泥用脱水処理作業自動車,空き缶プレス車,コンテナ運搬車」を指定商品として、同21年2月16日に登録査定され、同年3月19日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第709604号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)の構成よりなり、昭和40年6月25日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同41年6月10日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が4回にわたりなされ、さらに、平成18年3月22日に、第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにその部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」を指定商品とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、縁に線の入った白色のやや横長の円図形の内側に、上部をやや左に傾けた欧文字「M」をモチーフとした図形を表示してなるものである。
他方、引用商標も、円図形の内側に欧文字「M」をモチーフとした図形を表示してなるものである。
本件商標と引用商標は、その外郭を構成する円図形及び「M」をモチーフにした図形それぞれの個別的態様は異なるものの、欧文字「M」をデザイン化して円図形に包含されるように表示する点で構成の軌を共通にしている。
また、本件商標と引用商標は、その構成要素に文字等を含んでいないことから、両者からは両商標を峻別できる契機となるような称呼は生じない。
その一方で、需要者等が、購入した商品に付された商標を記憶にとどめ、その記憶を頼りに欲する商品を他の類似する商品群から識別することを考慮すれば、文字等の称呼可能な構成要素を有さない商標についても、その商標から把握・認識し得るイメージないし意味合いを記憶にとどめ、商品選択のための目印にすると考えられる。
この点、本件商標及び引用商標は、その特徴的構成である「『M』をモチーフにしたデザインを内包した円図形」程度の共通のイメージを需要者等に記憶せしめると考えるのが相当である。
してみれば、時、場所を異にして本件商標と引用商標に接する取引者・需要者は、外観及び観念において、本件商標と引用商標を彼此相紛う類似商標として認識するおそれがあることは明らかである。
そして、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似することは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標と同一の構成からなる標章(以下「引用標章」という。審決注:申立人は、申立書において「引用商標」と記載しているが、申立人の商標法第4条第1項第15号に係る主張における「引用商標」の語は、申立書全体の脈略からみて「引用商標と同一の構成からなる標章」の意であると解されるので、当該(2)において、申立人のいう「引用商標」を「引用標章」と読み替える。)は、1955年に申立人が独自に考案した標章であり、それ以降、商標「MOTOROLA」と並ぶ申立人のハウスマークとして継続的かつ高頻度に、世界各国において使用され、また、極めて広範な商品・サービスのカテゴリーにおいて登録されている。
その登録の一例として、アメリカ、カナダ、イギリス、ニュージーランド、中国における登録を示す資料を提出する(甲第5号証の1ないし5)。
また、申立人は、引用標章について防護標章登録を受けており(甲第3号証の1及び2)、引用標章は、特許庁の特許電子図書館「日本国周知・著名商標検索」にも掲載されている(甲第4号証)。
申立人は、我が国でも、携帯電話機やトランシーバー等の通信機器を中心に製品を供給している。
そのうち、携帯電話端末は、NTTドコモや、ボーダフォンやauなどのキャリアに供給されていた。
特に、2006年12月にNTTドコモから販売された「M702i」シリーズは、世界的に大ヒットとなった「RAZR(レーザー)」シリーズの日本モデルとして話題となった。
当該「RAZR(レーザー)」シリーズは、当時は珍しい超薄型携帯として、携帯電話機の薄型化競争に火をつけた商品であり、全世界で累計7,500万台以上の販売実績がある。
特にアメリカにおいては、2008年7月ないし9月期にアップル社のiPhone 3Gが発売されるまで、3年間にわたり販売台数1位を保ち続けた。我が国においても、2006年の販売開始に合わせて放映された「M702i」シリーズのCMその他の広告媒体で、プロサッカー選手デビッド・ベッカム氏を起用して話題となった(甲第6号証)。
同氏が登場するCMでは、引用標章と白黒を反転させた商標が表示されている(甲第7号証)。
他にも、申立人は、日本のロックシーンのみならず海外でも不動の地位を築いた日本を代表するギタリスト布袋寅泰氏、圧倒的な歌唱力と楽曲の完成度の高さで一躍日本を代表するアーティストとなり、これまで発表した作品は総セールス2、000万枚以上に及び(2007年5月現在)、数多くの名曲・名盤を残し続けているMISIA氏、裏原宿系ファッションのカリスマとしてだけでなく、東京のストリートカルチャーを牽引し、ファッション・シーンに絶大な影響力を誇る藤原ヒロシ氏を、申立人の製品のアンバサダー(大使)として起用する等して話題を集めている(甲第8号証)。
かかる事実は、引用標章が我が国においても多くの人の目に触れ、申立人の商標として広く認識されていたことを如実に示している。
また、申立人の製品には、その筐体等の製品自体に引用標章が付されており(甲第9号証)、かかる事実からも、引用標章が極めて多くの需要者の目に触れ、申立人の商標として極めて広く認識されていることを窺い知ることができる。
さらに、引用標章は、本件商標が登録出願される以前の平成9年7月4日に防護標章登録(登録第2002283号商標)され、平成19年には該防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新が認められ、同権利は、今日に至るまで有効に存続している。
引用標章は、防護標章登録されて以降も申立人によって継続的に使用されており、本件商標が登録出願された平成20年8月22日(審決注:平成20年9月22日の誤りと認められる。)及び登録査定がされた同21年2月17日(審決注:平成21年2月16日の誤りと認められる。)の時点においても、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間で広く認識されていたことに疑いの余地はない。
しかも、前記更新登録出願に際しては、著名性を立証する書証を提出することなく存続期間の更新がされており、かかる事実は、特許庁においても、引用標章が著名であることが周知の事実として理解されていたことを示している。
当該防護標章登録に係る指定役務は、本件指定商品とは類似するものではないが、かかる事実が、本件指定商品に係る分野における引用標章の著名性を否定するものではない。
申立人は、その名称「Motorola」が、自動車を表す「Motorcar」と音を表す「ola」を組み合わせた造語であることから分かるように、自動車で用いられる製品の製造・販売にも従事しており、例えば、1930年代には世界初のカーラジオ「モトローラ・ラジオ」を開発している。
現在でも、運転中にも携帯電話で通話ができるよう、ワイヤレスヘッドセットを一般消費者向けに販売している他(甲第10号証)、車載用通信システムも取り扱っている(甲第11号証)(同書証は、ウェブサイト [http://motorola-bizunit.JP/products/index・php]のプリントであるところ、同ウェブサイト上では、型番「GM3188/GM3688」、「XTL2500」、「MIB9000」は車載型である旨記載がされている)。
また、申立人は、物流管理のためのトラック輸送システムを提供するほか、車両管理・操車場管理・車両整備のためのシステム等を、本件指定商品を用いて業務を行う物流業界に対して提供している(甲第12号証)。
してみれば、本件商標の指定商品に係る分野における需要者が申立人及び申立人のブランドロゴである引用商標を十分に認識していることは想像に難くない。
さらに、上述したとおり、申立人は、その製品である携帯電話機の広告に世界的に有名なプロサッカー選手ベッカム氏を起用する等しており、該携帯電話端末及びこれに付された引用標章は十分に需要者に浸透していると考えられる。
携帯電話機が、老若男女を問わず極めて広い需要者層に利用されていることを考慮すれば、引用標章の著名性は、本件商標の指定商品「高圧洗浄車、散水車、清掃車、タンクローリー、有機汚泥用脱水処理作業自動車、空き缶プレス車、コンテナ運搬車」の分野にも十分に及んでいると考えるのが相当である。
このように、極めて著名な引用標章と、「『M』をモチーフにしたデザインを内包した円図形」という構成の軌を共通にする本件商標を、申立人と何ら関係のない商標権者が本件指定商品に使用した場合、需要者をしてその商品の出所について混同せしめるおそれがあるといわざるを得ない。
本件商標は、円図形及び「M」の図形の外延の内側に同外延を縁取るように線が施されている点、円図形がやや横長である点、並びに、「M」の図形の上部がやや左に傾斜している点で、引用標章とは相違する。
しかしながら、簡易・迅速を最も尊ぶ取引において、本件商標と引用標章の上記具体的構成における微細な相違を需要者が明確に認識し、かかる微細な相違を以って本件商標と引用標章を峻別するとは到底考えられない。
本件商標と引用標章に接する取引者・需要者が、その記憶にとどめるのは、本件商標と引用標章の基本的構成である「『M』をモチーフにしたデザインを内包した円図形」というイメージないし印象であり、この記憶を頼りに異なる場所・時間において自らの欲する商品を識別すると考えられる。
してみれば、極めて著名な引用標章と構成の軌を共通にする本件商標に需要者等が接した場合、申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その出所について混同するおそれがあることは明らかである。

3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲(1)のとおり、不均衡な二重の細線で縁取りされた、肉太部分と肉細部分とを有する白抜きのリング状の図形を描き、当該リング状の図形内に、当該リング状の図形の外周に3カ所が接するように、不均衡な二重の細線で縁取りされた、欧文字の「M」をモチーフにしたと思しき白抜きの幾何図形を配した構成よりなるものである。

(2)引用商標について
引用商標は、別掲(2)のとおり、真円輪郭の内側中央部に、当該円輪郭の内側のいずれの部分にも接触することなく、基底部がアーチ形状にえぐられた鋭角三角形を二個並列に並べた構成よりなるものである。

(3)本件商標と引用商標との対比
本件商標の輪郭部分は、不均衡な二重の細線で縁取りされた、肉太部分と肉細部分とを有する白抜きのリング状の図形であるのに対して、引用商標の輪郭部分は、真円である。
また、本件商標の輪郭内の図形と引用商標の輪郭内の図形は、いずれも欧文字の「M」をモチーフにしたと思しき機何図形である点においては共通するものの、前者が、不均衡な二重の細線で縁取りされた白抜きの幾何図形であるのに対して、後者は、基底部がアーチ形状に抉られた黒塗りの鋭角三角形を二個並列に並べた構成よりなるものである。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、基本的構成態様が明らかに異なっている。
また、本件商標は、輪郭内の図形が輪郭の外周と3カ所で接しており、また、白抜きの図形であり、さらに、輪郭内の図形が左右対称でないのに対して、引用商標は、輪郭内の三角形図形が黒塗りであり、また、左右対象であり、さらに、輪郭にも接していないことから、両者は、受ける印象が明らかに相違するものである。
そうとすれば、これらの差異が両商標の全体に与える影響は大きく、時と所を異にして、両商標を離隔的に観察しても外観上互いに紛れるおそれはないとみるのが相当である。
また、本件商標と引用商標は、特定の称呼及び観念を生ずるものとは認められないから、両者の称呼及び観念を比較することはできない。

(4)したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれからしても非類似の商標というべきである。

2 商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標は、上記1で認定したとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるところ、引用標章は引用商標と同一の構成からなるものであるから、本件商標と引用標章も、十分に区別し得る別異の商標というべきである。
そうとすれば、たとえ申立人が引用標章を「携帯電話機やトランシーバー」等の通信機器に使用し、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用標章が我が国の上記商品の取引者・需要者の間で広く認識されるに至っていたとしても、商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合に、これに接する取引者・需要者が引用標章を想起、連想することはなく、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように誤認し、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。

3 まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲

(1)本件商標



(2)引用商標


異議決定日 2009-12-24 
出願番号 商願2008-77624(T2008-77624) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (X12)
T 1 651・ 271- Y (X12)
最終処分 維持 
前審関与審査官 原田 信彦 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 田村 正明
末武 久佳
登録日 2009-03-19 
登録番号 商標登録第5216521号(T5216521) 
権利者 株式会社モリタホールディングス
代理人 岩瀬 吉和 
代理人 松田 朋浩 
代理人 西木 信夫 
代理人 森 智香子 
代理人 城山 康文 
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