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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X44
審判 一部申立て  登録を維持 X44
審判 一部申立て  登録を維持 X44
管理番号 1211540 
異議申立番号 異議2009-900221 
総通号数 123 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-03-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-06-16 
確定日 2010-01-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第5214111号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5214111号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5214111号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成20年6月6日に登録出願、第44類「入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧」を指定役務として、同21年2月13日に登録査定、同年3月13日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第5092859号商標(以下「引用商標1」という。)は、「富士山熔岩温泉」の文字を標準文字で表してなり、平成18年8月21日登録出願、第44類「入浴施設の提供」を指定役務として、同19年11月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第5149139号商標(以下「引用商標2」という。)は、「富士山溶岩」の文字を標準文字で表してなり、平成18年6月27日登録出願、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」及び第44類「入浴施設の提供」を指定役務として、同20年7月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(以下、これらをまとめて引用各商標という場合がある。)
2 理由の要点
(1)本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、「富士山」の語を小さく、「溶岩の湯」の語をやや大きく、「泉水」の語を大きく書いてこれを左から右に配置するとともに、「泉水」の語の部分を斜めに傾斜して中間位置を切断された楕円形で囲んだ文字と図形からなる商標である。
すなわち、富士山溶岩の湯の部分と泉水の部分とが図形部分の有無によって明瞭に区分されており、本件商標は「富士山溶岩の湯」と「泉水」からなる二つの要部を有しているものと認められる。
そこで、「富士山溶岩の湯」の文字部分について検討してみると、「富士山」の文字が「溶岩の湯」の文字よりもかなり小さく表されている。しかしながら、両者は字の大きさに違いがあるとはいえ、一連に「フジサンヨウガンノユ」と称呼されるものと認められる。このような称呼の出し方は、例えば、上下二段の文字を一連に称呼することが、あるいは複数の文字列の間に間隔が空けられている場合でも一連に称呼することが、取引上一般に行なわれているところからみても明らかであり、横に一連に表示された本件商標について、文字の大きさに違いがあるとはいえ、これを一連に称呼することにはなんら支障がないものと考えられる。
このような観点から見て、本件商標からは、「フジサンヨウガンノユ」という称呼が生じるのである。
(2)引用商標1について
引用商標1は、「富士山熔岩温泉」の文字を一連に横書きしたものであって、温泉の文字は入浴施設であることを示す普通名称であるから、引用商標1の要部は「富士山熔岩」の部分にあるものと認められる。
ちなみに、「…の湯」の語は、いわゆる温泉施設を示す語として非常に顕著であり、「…温泉」とほぼ同義語と考えられる。
したがって、特許庁の審査慣行においても、「○○○」を共通とする「○○○の湯」と「○○○温泉」が両方出願されてきた場合、いずれか出願の早い方にのみ権利を付与するのが慣わしとなっている。
当然、このような「○○○の湯」と「○○○温泉」の両商標が並存する登録例は出てこない。
したがって、本件商標は引用商標1と類似する商標である。
(3)引用商標2について
本件商標の要部は、上記したように「富士山溶岩」の部分にあると認められるところ、引用商標2は「富士山溶岩」の文字からなるものであって、両商標は「富士山溶岩」の部分において共通し、かつ、それぞれの要部は「富士山溶岩」にあるものと認められ、両商標は類似する。
3 以上のように、本件商標は、その指定役務中「入浴施設の提供」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

第3 当審の判断
本件商標は、別掲(1)のとおり、右に大きな「泉水」の文字、その下にごく小さく「SENSUI」の欧文字を配し、それらの文字を左斜めに傾斜して中間位置が切断された赤色楕円形で囲んだ図形部分と、その図形の左上に、ごく小さく表された「富士山」及び小さく表された「溶岩の湯」の文字部分とからなるものである。
そして、図形部分が大きく表され、文字部分が図形部分の左上に小さく表された本件商標の構成態様からすれば、本件商標は、その構成中の図形部分が強く看者の目をひき、かつ印象に残る部分であって、「富士山 溶岩の湯」の文字部分は、「富士山付近で提供される入浴施設」あるいは「富士山の溶岩を用いた入浴施設」程の意味合いを認識させる、自他役務識別標識としての機能が極めて弱いか、その機能を果たさないものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、その構成中の「富士山 溶岩の湯」の文字部分が要部であることを前提とし、その上で、本件商標と引用各商標とが類似するものとする申立人の主張は採用できない。
そして、その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき理由は見当たらないから、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、その指定役務中「入浴施設の提供」に係る指定役務について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 本件商標


(色彩については,原本参照)

異議決定日 2010-01-12 
出願番号 商願2008-44435(T2008-44435) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (X44)
T 1 652・ 263- Y (X44)
T 1 652・ 262- Y (X44)
最終処分 維持  
前審関与審査官 日向野 浩志 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 瀧本 佐代子
小畑 恵一
登録日 2009-03-13 
登録番号 商標登録第5214111号(T5214111) 
権利者 芙蓉ホテルサービス株式会社
商標の称呼 フジサンヨーガンノユセンスイ、フジサンヨーガンノユ、フジサン、ヨーガンノユセンスイ、ヨーガンノユ、センスイ 
代理人 土橋 博司 

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