• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X35
管理番号 1211539 
異議申立番号 異議2009-900219 
総通号数 123 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-03-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-06-15 
確定日 2010-02-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5213378号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5213378号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5213378号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成19年7月2日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、平成21年3月2日に登録査定、同年3月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4222656号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成からなり、平成9年4月28日に登録出願、 第16類、第35類及び第36類に属する商標登録原簿に記載の商品、役務を指定商品、指定役務として、平成10年12月18日に設定登録され、その後、同20年11月18日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

3 登録異議申立ての理由
本件商標は、申立人が所有する日本国内で著名となっている引用商標と類似する商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当し、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨主張し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第378号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標の類似性について
本件商標と引用商標は、共に、黒い丸の中に、白抜きでアルファベット「Z」の文字を書してなる。両商標は、一見してZの文字を看取できるものである。人間のこのような単純なデザインのマークに対する記憶は曖昧なものであり、また、引用商標が著名であることをかんがみれば、本件商標に接した需要者は、本件商標の黒い丸の中にZが白抜きで書された態様から、引用商標を想起し、新聞、テレビ、雑誌でよく目にする、あの保険会社のマークであると誤認する可能性がある。
(2)引用商標の著名性について
申立人は、1872年の設立より、スイス国、チューリッヒを拠点として、保険事業を中心とする業務を提供している世界有数の国際金融グループであるチューリッヒ・ファイナンシャル・サービシズ・グループの中核企業である。
申立人が、日本に進出したのは、1986年である。申立人は、同年、チューリッヒ・インシュアランス・カンパニー日本支店(以下「チューリッヒ保険」という。)を開設した。さらに、1996年には、申立人の100%出資の子会社であるチューリッヒ・レーベンス・フェアズィッヒェルングスーゲゼルシヤフトの、日本における生命保険部門として、チューリッヒ・ライフ・インシュアランス・カンパニー日本支店(以下「チューリッヒ生命」という。)を開設した。
チューリッヒ保険及びチューリッヒ生命は、1998年より今日に至るまで引用商標をウェブサイト上、取引書類、広告(新聞、テレビ、雑誌)に大々的に使用しており、その結果引用商標は、本件商標の出願前から今日に至るまで、日本おいて著名である。
(3)出所の混同のおそれについて
チューリッヒ保険は、1986年の設立当初から、大手クレジットカード会社、百貨店など(高島屋、伊勢丹、イオン、セブン&アイ、三越)と提携してきた。また、チューリッヒ保険の提携先は、上記百貨店、流通グループに限らず、小売業者、クレジットカード会社、通信販売会社など多岐にわたる。
小売業が金融業に進出し、銀行を開業してしまうような時代である。小売業と保険業は、異なる業種に分類されることが多いが、両者は小売業者のクレジット関連事業を通じて提携される場合が多く、小売業者が保険会社を設立している場合もある。また、一部小売店店舗内には、保険の窓口や相談コーナーがあり、実際の店舗内で買い物客を対象として保険サービスが提供されている。
このように申立人、チューリッヒ保険及びチューリッヒ生命の日本における、長年にわたる外資系保険会社としての実績、新聞、テレビ、雑誌等の各種メディアを利用した積極的な宣伝広告活動を通じて、引用商標は、申立人等の営業表示あるいは申立人等が提供する役務を表示するものとして、日本国内において広く認識されていた表示となっていることは言うまでもない。小売業と保険業の間には密接な関連を有しており、両者は需要者を共通にしている。
したがって、本件商標がその指定役務に使用されたときには、申立人の業務に係る役務と出所の混同を生ずるおそれがある。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
申立人提出の証拠によれば、引用商標は、本件商標の出願の日以前から、常時「ZURICH」の文字とともに、損害保険や生命保険の引き受け等の役務について使用されていると認められるものである。そして、引用商標と「ZURICH」の文字は、新聞や雑誌、テレビのCM等における広告による継続的な宣伝によって、本件商標の出願時においては、申立人に係る前記役務を表示する商標として、損害保険や生命保険の引き受け等の役務の取引者、需要者の間において広く認識されるに至っていたと認め得るものである。
(2)本件商標と引用商標の類似性について
本件商標は別掲(1)のとおり、引用商標は別掲(2)のとおりの構成からなるものであり、両者は、黒塗りの円をZ状に白抜きにした構成において共通する点があるといえるものである。
しかしながら、本件商標と引用商標のZ状に白抜きした部分を対比してみると、両者は、前者が横線部を構成する上下の線は太く、これに比べて斜めの線部はそのほぼ半分ほどの細さであるのに対し、後者が横線部を構成する上下の線は細く、斜めの線部はそのほぼ倍ほどの太さであって、上の横線部は左端で垂れ下がり、下の横線部は、流線で右端がはね上がっているという点に差異を有するものである。
そうとすれば、両商標のように単純なデザインの標章においては、上述の差異が構成全体の印象に与える影響は大きいものと判断するのが相当である。
してみれば、両商標は、ともに黒塗りの円をZ状に白抜きにした構成であるとしても、その白抜き部分における差異が、商標全体として看者に与える印象を異なるものとし、外観において充分に区別し得るものといわざるを得ない。
また、両商標は、称呼及び観念において共通点はみいだせないから、称呼上及び観念上相紛れるおそれはないものである。
(3)使用される役務等について
本件商標の指定役務は、各種食料品の小売又は卸売の業務において行われる総合的なサービス活動を内容とする、いわゆる小売等役務であるのに対して、引用商標が使用されているのは保険に関連する役務である。
そして、両役務は、一部小売事業者が保険関連の役務を提供する場合があるとしても、一般的な小売事業者において両役務の提供を行っているとはいえず、また、保険の加入者に一般消費者が含まれるとの理由のみで、両役務の需要者が共通であるとみることはできない。
そうとすれば、両役務は、業種、事業者、需要者の範囲及び提供の目的を異にするものであって、その関連性は強いものとは到底いえない。
(4)混同のおそれについて
申立人の引用商標が保険に関連する役務を表示するものとして、需要者の間において広く認識されているとしても、本件商標と引用商標とは商標において相紛れるおそれのないものであって、また、本件商標の指定役務と申立人の保険に関連する役務との関連性が強いものとは認められないから、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を想起、連想するものとは認められず、当該役務が申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。
(5)結語
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標


(2)引用商標



異議決定日 2010-01-21 
出願番号 商願2007-73825(T2007-73825) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X35)
最終処分 維持 
前審関与審査官 今田 三男榎本 政実 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 小畑 恵一
瀧本 佐代子
登録日 2009-03-13 
登録番号 商標登録第5213378号(T5213378) 
権利者 全日本食品株式会社
商標の称呼 ゼット 
代理人 福島 栄一 
代理人 秋田 収喜 
代理人 熊谷 美和子 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ