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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X28
審判 全部申立て  登録を維持 X28
管理番号 1210124 
異議申立番号 異議2009-900302 
総通号数 122 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-08-10 
確定日 2010-01-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5229050号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5229050号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5229050号商標(以下「本件商標」という。)は、「DSiMode」の欧文字を標準文字で表してなり、平成20年10月1日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同21年3月31日に登録査定、同年5月1日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4524746号商標(以下「引用商標A」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成13年1月22日に登録出願、同13年11月22日に設定登録されたものである。
(2)登録第4783681号商標(以下「引用商標B」という。)は、「i-mode」の欧文字よりなり、第9類、第16類、第28類、第35類ないし第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成16年3月10日に登録出願、同年7月2日に設定登録されたものである。
(3)登録第4554941号商標(以下「引用商標C」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成13年3月1日に登録出願、同14年3月22日に設定登録されものである。
(4)登録第4602351号商標(以下「引用商標D」という。)は、「iモード」の標準文字で表してなり、平成13年9月17日に登録出願、第38類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同14年9月6日に設定登録されたものである。
(5)登録第4372691号商標(以下「引用商標E」という。)は、別掲3に示すとおりの構成よりなり、平成10年10月19日に登録出願、第35類、第36類、第38類、第39類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同12年3月31日に設定登録され、その後、同21年10月27日に商標権の存続期間の更新がされたものである。
(6)登録第4602350号商標(以下「引用商標F」という。)は、「i-mode」の欧文字よりなり、平成13年9月17日に登録出願、第38類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同14年9月6日に設定登録されたものである。
上記引用商標Aないし引用商標Fをまとめていうときは、「引用各商標」という。

3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、欧文字の大文字2文字から成る「DS」の次に欧文字「I」の小文字「i」が配されることで外観上「DS」と「iMode」とに分断されるものである。
イ この欧文字2文字から成る「DS」は、本件商標の権利者である「任天堂株式会社」が、携帯用ゲーム機である「ニンテンドーDS」の正式名称(甲第10号証)であることから、この「DS」の文字を冠する本件商標に接した取引者、需要者は、当該「DS」の部分を認識した上で「DSのiMode」と観念することから、「iMode」の部分は「DS」のいわゆるペットネームとして「DS」とは別個に着目され「アイモード」と認識され称呼されるものである。
ウ 本件商標全体から生じる称呼「ディーエスアイモード」が9音構成という極めて冗長な音構成から成るものであることから、本件商標は、外観上、観念上及び称呼上も「DS」の部分と「iMode」の部分とに分断され「iMode」の部分も独立して認識され称呼されるものである。
エ 一方、引用商標Aないし引用商標Cのいずれも称呼「アイモード」が生じる。そして、引用商標Aと引用商標Bと本件商標の構成要素中の「iMode」の部分とは、各々を構成するアルファベットが全て同一である。
オ したがって、本件商標は「アイモード」の称呼を生じ、他方、引用商標A及び引用商標Bは、その構成からして「アイモード」の称呼をも生ずるものであるから、両者は称呼を共通にする類似のものであり、本件商標及び引用商標Aないし引用商標Cのいずれも指定商品にも第28類「おもちゃ」が含まれており、本件商標の指定商品と引用商標Aないし引用商標Cの指定商品とは類似する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
「iモード」は、1999年2月22日から「携帯電話によるインターネット接続サービス」として申立人である株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモによってその提供が開始され、同サービスが携帯電話からインターネットヘ直接アクセスすることが可能としたことから、サービス当初から爆発的人気を博し、利用者数はサービス開始後半年で100万人、およそ1年後には1,000万人となり2009年1月末には、4,818万人にもなっており、申立人の契約者の約9割が利用している(甲第3号証)。
「iモード」は、現在、着メロや待受画面の普及を境に「ゲーム」「着うた」「デコメール」「占い」などのエンターテインメント性の高い情報の提供をも行っており「iモード」が提供するモバイルコンテンツの市場規模は、モバイルコンテンツ市場全体での市場規模が約4,233億円とされている中で、約2,300億円であると言われている(甲第3号証)。
このように「iモード」は携帯電話が人々の生活の必需品となると共に「単なる携帯電話によるインターネット接続サービス」としての位置づけから,日常必要とするありとあらゆる情報発信サービスブランドとしての地位を現在においては確立していると申立人は確信している。
かかる申立人の確信は「iモード」が1999年に、早くも「現代用語の基礎知識」のトップテンに入賞し、その後も「現代用語の基礎知識」で取り上げられている事実(甲第4号証1ないし甲第4号証の3)。広辞苑でも紹介されている事実(甲第5号証)の他にも「iモード」を世の中に送り出した一人として有名な「松永真理著の『iモード事件』」や同じく「iモード」を世の中に広めたことに多大な貢献をした「夏野剛著の『iモード・ストラテジー』」を始め、iモードについて出版された本が数多く存在していることや(甲第6号証)「iモード」を題号の一部としている「iモードで遊ぼう!」と言った雑誌も発売されている事実(甲第7号証)からも裏づけられる。
以上より、引用各商標は、申立人の商標として、広く一般に知られているから、これらと近似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)むすび
以上により、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)本件商標と引用各商標との類否について
本件商標は、前記1のとおり「DSiMode」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成各文字は、同一の書体、同一の間隔により、外観上まとまりよく一体的に表され、これより生ずる「ディーエスアイモード」の称呼が、やや冗長であるとしても、よどみなく一気一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「D」「S」及び「M」の文字が大文字となっているとしても、本件商標は、その構成全体に相応して、「ディーエスアイモード」の称呼のみを生ずるものとみるのが相当である。
他方、引用商標Aは、別掲1のとおり「アイモード」の片仮名文字及び「i-mode」の欧文字を上下二段に書してなるところ、該欧文字部分は、同一の書体、同一の大きさで外観上まとまりよく一体的に表されており、その読みを特定したものと無理なく理解される片仮名文字部分から生ずる「アイモード」の称呼もよどみなく一気一連に称呼し得るものであから、引用商標Aは、その構成文字に相応して「アイモード」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
引用商標B及び引用商標Fは、前記2(2)及び(6)のとおり「i-mode」の欧文字よりなるところ、構成各文字は同一の書体、同一の大きさで外観上まとまりよく一体的に表されており、構成文字全体より生ずると認められる「アイモード」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであるから、引用商標Bは、構成文字全体より「アイモード」の称呼のみを生ずるものである。
引用商標C及び引用商標Eは、別掲2及び別掲3のとおりの構成よりなるところ、構成中「mode」の欧文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能果たすものであり、引用商標C及び引用商標Eは、「モード」の称呼のみを生ずるものである。
引用商標Dは、前記2(4)のとおり「iモード」の文字よりなるところ、構成各文字は、同一の大きさ、同一の間隔により、外観上まとまりよく一体的に表されており、構成文字全体より生ずると認められる「アイモード」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであるから、引用商標Dは、構成文字全体より「アイモード」の称呼のみを生ずるものである。
そこで、本件商標と引用各商標から生ずる各称呼を比較すると、各称呼は構成音及び構成音数を著しく異にするものであるから、称呼上相紛れるおそれはない。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は見出せない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
前記(1)のとおり、本件商標と引用商標Aないし引用商標Cとは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
甲第4号証の1、甲第4号証の2、甲第4号証の3、甲第5号証、甲第6号証及び甲第7号証によれば、「iモード」が使用(以下、「使用標章」という。)され、この使用標章及び引用商標Dは、申立人の役務「携帯電話によるインターネット接続サービス」を表示するものとして、本件商標の登録出願前より継続して、需要者の間に広く認識されていたと認められる。
しかしながら、前記(1)のとおり、本件商標と使用標章及び引用商標Dとは、互いに相紛れるおそれのない別異のものであるから、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、使用標章及び引用商標Dを連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標A)


別掲2(引用商標C)

(色彩については原本参照)

別掲3(引用商標E)

(色彩については原本参照)

異議決定日 2009-12-16 
出願番号 商願2008-79962(T2008-79962) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X28)
T 1 651・ 271- Y (X28)
最終処分 維持  
前審関与審査官 保坂 金彦 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 小畑 恵一
大島 康浩
登録日 2009-05-01 
登録番号 商標登録第5229050号(T5229050) 
権利者 任天堂株式会社
商標の称呼 デイエスアイモード、デイエスアイ、モード 
代理人 黒川 朋也 
代理人 浜田 廣士 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 工藤 莞司 

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