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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 X35 審判 一部申立て 登録を維持 X35 審判 一部申立て 登録を維持 X35 |
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管理番号 | 1210114 |
異議申立番号 | 異議2009-900234 |
総通号数 | 122 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-02-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2009-06-22 |
確定日 | 2009-12-16 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5215683号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5215683号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5215683号商標(以下「本件商標」という。)は、「ASAOS」の欧文字と「アサオス」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成19年9月21日に登録出願、第9類及び第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同21年2月4日登録査定、同年3月19日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由の要旨 本件商標は、以下の理由に該当するから、商標法第43条の2第1号により、その指定商品及び指定役務中、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供 ,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,インターネットによる広告,電子メールによる広告,その他の広告,郵便による広告物の配布,その他の広告物の配布,広告に関する情報の提供,インターネットにおける商品の展示即売会の企画・運営又は開催,商品の展示即売会の企画・運営又は開催」についての登録を取り消されるべきである。 (1)引用商標 引用商標は、「ASOS」の欧文字を横書きしてなり、日本国を指定する国際登録において指定された第3類、第14類、第18類、第25類及び第35類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成17年(2005年)7月15日に国際商標登録出願されたものである。 (2)引用商標の周知著名性について 申立人であるASOS,plc.(エイソス社)は、英国最大の独立系ファッション小売企業であり、被服を中心としたファッション雑貨を取り扱うオンラインショップ「ASOS.COM」を運営し、「ASOS」は、そのブランドである。 引用商標「ASOS」は、本件商標の出願時である平成19年(2007年)9月21日当時はもちろんのこと、登録時である平成21年(2009年)3月19日当時においても、エイソス社及びその業務に係る上記オンラインショップを通じて提供される、「被服・履物・かばん類及び袋物・身の回り品・化粧品・歯磨き及びせっけん類・時計及び眼鏡に関する小売等役務、広告、広告スペースの提供」を表示するものとして、既に英国を中心とした海外諸国で著名であり、その事実が我が国において知られるに至っていた。 (3)商標法第8条第1項について 本件商標は、引用商標と同一又は類似であり、同一又は類似の商品・役務に使用されるものであるところ、引用商標の出願日より後になされた出願に係るものであるから、商標法第8条第1項の規定に該当する。 (4)商標法第4条第1項第10号について 本件商標は、申立人の提供に係る小売等役務又はこれに付随する広告等の役務を表示するものとして、すでに周知又は著名になっている引用商標と同一又は類似であって、その商品・役務と同一又は類似の商品・役務に使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (5)商標法第4条第1項第15号について 申立人の商品(役務)を表示するものとして著名な「ASOS」の文字をその構成中に含む本件商標が、その指定商品(役務)に使用された場合、取引者・需要者をして、その商品(役務)が申立人又はそのグループ企業の提供にかかわるものであるかのごとく、あるいは、同人と何らかの経済的・組織的関連がある者の提供に係る商品(役務)であるかのごとく認識され、出所混同を生ぜしめる蓋然性が極めて高いといわざるを得ない。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する 3 当審の判断 (1)商標法第8条第1項該当性について 本件商標は、「ASAOS」の欧文字と「アサオス」の片仮名文字よりなるものである。そして、両文字は特定の意味合いを有しない造語と認められるものであり、かつ、「アサオス」は、「ASAOS」の英語風の読みを片仮名で表示したものと認められるから、本件商標は、「アサオス」の称呼を生じ、格別の観念を生じないものと認められる。 これに対し、引用商標は、「ASOS」の欧文字よりなるものであるところ、格別の観念を生じないものと認められるから、これより、わが国において最も親しまれている英語読み風に「アソス」の称呼を生ずるとみるのが自然である。 そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、まず外観においては、本件商標の欧文字部分と引用商標とは、欧文字の「A」、「S」、「O」、「S」を共通にし、3文字目における「A」の文字の有無の相違を有するが、4文字若しくは5文字という少ない文字数において1文字の有無の違いは大きく、しかも該文字は、第3文字目にあり、本件商標の欧文字部分中には、「ASOS」の文字が連続する文字として含まれているものではないことから、本件商標と引用商標は外観上相紛れるおそれはない。 次に、称呼についてみてみるに、本件商標から生じる「アサオス」の称呼と引用商標から生ずる「アソス」の称呼とは、「サオ」と「ソ」の音の差異を有するが、わずか3音若しくは4音という短い称呼にあって、本件商標の「サ」及び「オ」の音及び引用商標の「ソ」の音は、いずれも明瞭に発音され、聴取されるというべきであるから、その音数、音構成の差が称呼全体に与える影響は大きく、両称呼をそれぞれ一連に称呼しても相紛れるおそれはないというべきである。 さらに、前記したとおり、本件商標及び引用商標は、いずれも造語と認められるから、観念上比較することができない。 してみれば、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからみても非類似の商標であるといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第8条第1項の規定に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当性について 申立人が提出する引用商標の周知著名性に係る証拠は、申立人のウェブサイト(甲第3号証)、米国における投資に関する米国企業ニュースの情報(甲第4号証)及び申立人の商品を我が国において取り扱う5つのインターネットショップのウェブサイト(甲第5号証ないし甲第9号証)であるところ、これらの証拠によっては、引用商標が被服等に使用され、我が国の需要者に広く知られているとまでは認めることができない。 そして、前記(1)のとおり、本件商標と引用商標は、相紛れるおそれのない別異の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しないし、本件商標は、これをその指定役務に使用したとしても、これに接する需要者が申立人の使用する引用商標を想起又は連想して、当該役務を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないから、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、本件登録異議申立に係る役務の登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-11-30 |
出願番号 | 商願2007-99544(T2007-99544) |
審決分類 |
T
1
652・
4-
Y
(X35)
T 1 652・ 25- Y (X35) T 1 652・ 271- Y (X35) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大橋 良成、大塚 正俊、薩摩 純一 |
特許庁審判長 |
芦葉 松美 |
特許庁審判官 |
内山 進 稲村 秀子 |
登録日 | 2009-03-19 |
登録番号 | 商標登録第5215683号(T5215683) |
権利者 | 株式会社コモンウェルス・エンターテインメント |
商標の称呼 | アサオス |
代理人 | 網野 誠 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 初瀬 俊哉 |
代理人 | 石田 昌彦 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 網野 友康 |