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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X06162028 |
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管理番号 | 1209941 |
審判番号 | 不服2008-27256 |
総通号数 | 122 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-02-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-10-24 |
確定日 | 2010-01-13 |
事件の表示 | 商願2007-22353拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第6類「金属製の置物」、第16類「紙製の置物」、第20類「プラスチック製・木製の置物」及び第28類「おもちゃ」を指定商品として、平成19年3月14日に立体商標として登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、その指定商品との関係からは、指定商品に採用し得る一形状を表したと認識される立体形状よりなるものであるから、その指定商品について使用しても、単に商品の形状そのものを普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また出願人は、本願商標が使用により自他商品の識別力を取得したものである旨主張しているが、提出された資料からは、本願商標は出願人の商標として使用されたものとはいえず、使用によって自他商品の識別力を獲得したものとはいえない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。 そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように、商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者・需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。 また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。 そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者・需要者間において、当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。 以上を踏まえて本願商標について検討する。 (2)本願商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、一見して、東京タワーの形状をした置物・玩具であると理解、認識するものとみるのが相当である。 ところで東京タワーは、昭和33年に完成した東京都港区芝公園にある総合電波塔であって放送・通信用アンテナとして使用されているほか、展望台を有して観光施設として、東京のシンボル、観光名所として知られているのは周知の事実であるといえる。 そして東京タワーは、地上333メートルの高さを有し、その構造は、地上から約2分の1の地点(高さ約150メートル)において大展望台と呼ばれる逆台形の形をした第一展望台、地上から約4分の3の地点(高さ約250メートル)において特別展望台と呼ばれる第二展望台、さらにその上方において円筒形をしたデジタルテレビアンテナ等が設けられていて、また地上から第一展望台までは、地表部は幅広く、上に向かって徐々に幅が狭くなって立ち上がっていくような曲線をなし、第一展望台から頂上先端までは、ほぼ垂直に延びて頂上先端部において収束する形状からなるものである。そして、地表部においては、四つの柱の間に「フットタウン」と呼ばれる観光・娯楽施設が建てられている。 そして、これらの特徴を有する東京タワーの構造、形状は、我が国国民一般の間において広く認識されているものである。 そうとすると、本願商標は、その指定商品に採用し得る一形状を表したものであるとしても、上記の東京タワーの特徴を模した形状であるから、一見して東京タワーを理解、認識するものというべきであり、さらに、これらの特徴が本願の指定商品の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいは指定商品の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものとはいいがたく、むしろ当該形状をもって、東京タワーの形状として、同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っているものとみるのが相当である。 そして請求人(出願人)は、東京タワーの所有者、管理者である。 そうとすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標の形状をした本願の指定商品をみた場合、これが東京タワーの置物・玩具であって、請求人の業務に係る商品あるいは請求人と何らかの関係のあるものであると理解、認識すると判断するのが相当であり、本願商標は、その特徴的な形状をもって自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきである。 また本願商標の形状が、本願の指定商品の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなるものとも認められない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標) (色彩については原本参照。) |
審決日 | 2009-12-17 |
出願番号 | 商願2007-22353(T2007-22353) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
WY
(X06162028)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 金子 尚人 |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 佐藤 淳 |
代理人 | 小橋 正明 |