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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X43 審判 全部申立て 登録を維持 X43 |
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管理番号 | 1208418 |
異議申立番号 | 異議2009-900147 |
総通号数 | 121 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-01-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2009-04-22 |
確定日 | 2009-11-24 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5199893号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5199893号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5199893号商標(以下「本件商標」という。)は、「ROLLING STONE CAFF」の文字を標準文字で書してなり、平成20年4月24日に登録出願、第43類「バー及びレストランにおける飲食物の提供」を指定役務として、平成21年1月23日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4548780号商標(以下「引用商標」という。)は、「ROLLING STONES」の文字を標準文字で書してなり、平成10年11月13日に登録出願、第9類「音声又は画像の記録・再生又は転送用の機械器具,音声周波機械器具,映像周波機械器具,その他の電気通信機械器具,磁気テープ,ビデオテープ,カセットテープ,レーザー読取り・磁気読取り又は光読取りの音声記録・再生又は転送用のディスク,レーザー読取り・磁気読取り又は光読取りの画像記録・再生又は転送用のディスク,録音用・録画用・データ記録用ミニディスク,録音用ディジタルオーディオテープ,録音用ディジタルカセットテープ,録音用磁気ディスク,録音用光磁気又は光ディスク,録音用コンピュータチップ,録画用ディジタルビデオテープ,録画用ディジタルカセットテープ,録画用磁気ディスク,録画用光磁気又は光ディスク,録画用コンピュータチップ,その他の電気通信機械器具の部品及び付属品,コンピュータソフトウェア又はコンピュータプログラムを記憶させた磁気又は光カード・磁気テープ・磁気カセットテープ・磁気ディスク・光磁気または光ディスク・コンピュータチップ又は電子回路」を指定商品として、平成14年3月8日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議申立ての理由 (1)商標法第4条第1項第15号について 本件商標は、「ROLLING STONE CAFF」の文字を書してなるものであるのに対し、引用商標は、「ROLLING STONES」の文字を書してなるものである。 そして、本件商標は、その構成文字から「ローリングストーンカフェ」の称呼が生じるが、その指定役務との関係からすれば、「ローリングストーン」の称呼が看取される。また、外観上の観察からも、「ROLLING STONE」が看取される。さらに、本件商標中の「ROLLING STONE」と引用商標は、単数と複数の関係にあるから、「転がる石」の観念において類似する。 してみると、本件商標は、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても引用商標と類似する商標であり、引用商標が世界的著名ロックバンド「ローリングストーンズ」に係る商標であるところからすると、本件商標をその指定役務について使用するときは、該役務が世界的著名ロックバンド「ROLLING STONES」と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、需要者に混同を生じさせるおそれがあることは否定できない。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に該当する。 (2)商標法第4条第1項第16号について 引用商標は、その審査段階において、「本願商標は、著名なロックバンドの名称を表すものであって、指定商品『レコード』等に使用する場合には、該商品の中身がローリングストーンズの音楽等であることを認識させるものであるから、商品の品質を表示するにすぎず、該商品以外の商品若しくは役務(飲食物の提供)に使用するときには、商品の品質を誤認を生じさせるおそれがあるとして、引用商標は、商標法第4条第1項第16号の規定に該当する」として拒絶査定された。それにもかかわらず、ロックバンド「ローリングストーンズ」とは無関係な本件商標が商標登録されるべきではない。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号の規定に該当する。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第16号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第15号について 本件商標は、前記1のとおり、「ROLLING STONE CAFF」の文字を標準文字で書してなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって外観上まとまりよく表されているばかりでなく、その指定役務との関係からみると、構成全体をもって、「ローリングストーンカフェ」と称呼され、喫茶店ないし飲食店の店名(名称)を表す一体不可分の商標を表したと認識されるとみるが相当である。 したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「ローリングストーンカフェ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、喫茶店や飲食店の店名を認識させる商標というべきであるから、これより、単に「ローリングストーン」の称呼、「転がり回る石」などの観念は生じないものといわなければならない。 仮に本件商標が、その構成中の「CAFF」の文字部分を省略して取引に資される場合があるとしても、本件商標中の「ROLLING STONE」の文字部分は、「転がり回る石、何度も職業を変える人」などを意味する英語として、我が国においてもよく知られている英語といえる。 一方、英国のロックグループとして、我が国においても高い人気を得ている「ローリング・ストーンズ(Rolling Stones)」は、ロックグループの名称を表す、いわば固有名詞として認識されているものであるから、「ROLLING STONES(ローリング・ストーンズ:Rolling Stones)」と「ROLLING STONE」の語とは、異なる意味を有する語として明確に区別されて使用されているとみるのが相当である(例えば、株式会社三省堂(2005年10月20日)発行「コンサイスカタカナ語辞典 第3版」参照。)。 そうすると、本件商標は、その構成中の「ROLLING STONE」の文字部分に着目される場合があるとしても、これが使用される指定役務との関係からみても、英国の人気ロックグループの名称である「ローリング・ストーンズ(Rolling Stones)」を表したものとは認識されないというべきである。 以上によれば、本件商標は、英国のロックグループの名称である「ローリング・ストーンズ(Rolling Stones)」とは、別異の商標として把握、認識されているものということができるから、これに接する需要者をして、直ちに英国のロックグループの名称を想起又は連想させることはなく、したがって、本件商標をその指定役務について使用した場合、該役務が英国のロックグループである「ローリング・ストーンズ(Rolling Stones)」又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認めることはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第16号について 本件商標は、前記(1)認定のとおり、構成全体をもって、喫茶店や飲食店の名称を表したと認識される商標というべきであるから、これをその指定役務について使用しても、役務の質について何ら誤認を生じさせるおそれはないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第16号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-11-04 |
出願番号 | 商願2008-32381(T2008-32381) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X43)
T 1 651・ 272- Y (X43) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 田中 幸一 |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
野口 美代子 小川 きみえ |
登録日 | 2009-01-23 |
登録番号 | 商標登録第5199893号(T5199893) |
権利者 | ローリング ストーン エルエルシー |
商標の称呼 | ローリングストーンカフェ、ローリングストーン |
代理人 | 石川 達久 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 石田 昌彦 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 小笠原 史朗 |