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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y35
管理番号 1208263 
審判番号 不服2008-23228 
総通号数 121 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-09-10 
確定日 2009-11-27 
事件の表示 商願2006-118947拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「全国駅弁大会」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成18年12月22日に登録出願されたものであるが、その後、指定役務については、原審における平成20年1月11日及び当審における同年9月10日付け手続補正書により、最終的に、第35類「駅売り弁当の販売に関する情報の提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『全国駅弁大会』の文字を普通に書してなるところ、該文字は、『全国の駅弁を集めて展示販売すること』の意味合いで一般に広く使用されているものであるから、その指定役務に使用するときは、単に役務の内容、質を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、「全国駅弁大会」の文字よりなるところ、その構成中「全国」の文字部分は「国内全体」を意味するものであり、また「駅弁」の文字部分は「『駅売り弁当』の略。鉄道駅で乗客に売る弁当」を、そして「大会」の文字部分は「多くの人の集会。組織全体の会合。盛んな会合や行事。」(いずれも広辞苑 第6版)の意味をそれぞれ有するものである。
そして、これらを連結した「全国駅弁大会」の文字が、百貨店やスーパー等で行われる全国の駅売り弁当を取り揃えて展示販売する催し物の名称として普通に使用されている実情が、例えば、以下の新聞記事やインターネットにおけるウェブサイトの情報から十分に裏付けられるところである。
(1)「仕掛け人、百貨店バイヤー駆ける 物産展人気、秘密は 新年特集第6部【北海道】」の見出しのもと、「・・・阿部商店は東京・京王百貨店新宿店で66(昭和41)年から続く全国駅弁大会で、38年連続売り上げ個数の首位を誇る。」の記載。(2009.1.1 朝日新聞北海道朝刊 10頁 新年特集別刷02)
(2)「(もっと知りたい!)駅弁、駅で売れない?デパートの催事で人気に火」の見出しのもと、「駅弁がちょっとしたブームになっている。火付け役となったのは、電車の中づり広告や新聞の折り込みチラシなどでよく目にするデパートの催事だ。『全国駅弁大会』『全国 有名駅弁とうまいもんまつり』などなど。駅で売るより催事での販売個数が断然多い駅弁もあるというが、実体はどうなのか。駅弁は駅じゃ売れないのか。」の記載。(2008.2.9 朝日新聞東京朝刊 33頁 3社会)
(3)株式会社ジャパンフーズシステムのウェブサイトにおいて、「食イベント・企画」の見出しのもと、「全国駅弁大会企画 日本独自の文化でもある『駅弁』と言う付加価値ある商品を全国各地より取り揃え、販売することの出来る催事企画です。」の記載。(http://www.japanfoodssystem.co.jp/event_plan/ekiben.html)
(4)JCASTのウェブサイトにおいて、「全国の駅弁が一堂に集合『駅弁大会』京王百貨店」の見出しのもと、「京王百貨店新宿店は2008年1月10日から22日まで、通称『駅弁大会』として知られる『元祖有名駅弁と全国うまいもん大会』を開催する。駅弁大会は、全国各地の名物駅弁を一同に集めて催事場にて即売するイベントで、毎年、大勢の駅弁ファンでにぎわう。」の記載。(http://www.j-cast.com/mono/2008/01/02015197.html)
(5)クイーンズ伊勢丹のウェブサイトにおいて、「クイーンズ伊勢丹通信」の見出しのもと、「全国の有名な駅弁を取り揃えました。 駅弁大会 全国駅弁大会について」の記載。(http://www.queens.jp/saleinfo/event/img/2008/1022.pdf)
(6)佐賀新聞のひびのスタイルのウェブサイトにおいて、「『実演』弁当が人気-全国駅弁大会始まる、佐賀玉屋」の見出しのもと、「全国各地の駅弁や人気食品を集めた『全国有名駅弁とうまいもの大会』が17日、佐賀市の佐賀玉屋で始まった。」の記載。(http://www.saga-s.co.jp/life/topic/lifestylenews.0.1184351.article.html)
(7)ひろしま駅弁のウェブサイトにおいて、「弁当について」の見出しのもと、「実演販売も行っています ・・・また、京王百貨店等でおなじみの全国駅弁大会でも毎年実演販売を実施しております。」の記載。(http://www.ekibento.co.jp/box/)
(8)YAHOO!辞書のウェブサイトにおいて、「デパ弁(デパベン)」の見出しのもと、「デパートやスーパーなどの『全国駅弁大会』などで売られている駅弁。本来、駅で売られているものであるが、最近では日本全国のデパートなどで催される『駅弁大会』で調理実演して販売する方が多くなっている。」の記載。(http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&pagenum=1&index=2008000233)
(9)出羽桜酒蔵株式会社のウェブサイトにおいて、「2/11?16 藤崎(仙台)『第2回 全国駅弁大会とうまいもの市』開催」の見出しのもと、「2月11(金)?16日(水)の5日間、仙台市の藤崎において『第2回 全国駅弁大会とうまいもの市』が開催されます。日本中の美味しい駅弁や食品がこの物産展に集まって、大変活気にあふれる催し物です。」の記載。(http://www.dewazakura.co.jp/news/2005/event2005-1.htm)
以上よりすれば、「全国駅弁大会」の文字が、「全国の駅売り弁当を集めて展示販売する催事」を意味するものとして、一般的に認識されている事実が認められる。
そうとすれば、本願商標をその補正後の指定役務「全国の駅売り弁当を取り揃えて展示・販売する催し物に関する情報の提供」に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、単に役務の質を表示したものと理解するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、「本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない。」旨、主張しているが、それらの既登録例は指定役務において本願商標とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの既登録例に拘束される理由はない。
さらに、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、同号列挙のものは通常、商品や役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから、何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであるから一私人に独占を認めるのは妥当でなく、また、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を認めることができないものと解される。(社団法人発明協会発行 特許庁編「工業所有権法逐条解説(第17版)」参照)
そして、本願商標「全国駅弁大会」については、上記のとおり、取引者・需要者をして、役務の質を表示したものとして理解するにとどまるものであり、前記の趣旨からして特定人に独占させることは適切ではないものであるから、請求人の該主張は、採用することができない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-09-09 
結審通知日 2009-09-25 
審決日 2009-10-07 
出願番号 商願2006-118947(T2006-118947) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 稲村 秀子廣川 麻理恵堀内 真一 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 小田 昌子
久我 敬史
商標の称呼 ゼンコクエキベンタイカイ、エキベンタイカイ 
代理人 飯塚 義仁 

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