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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z33
管理番号 1208261 
審判番号 取消2008-301147 
総通号数 121 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-01-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2008-09-05 
確定日 2009-11-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第4385856号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4385856号商標(以下「本件商標」という。)は、「HITE」の文字を標準文字で表してなり、平成11年5月20日に登録出願、第33類「焼酎」を指定商品として、同12年5月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品「焼酎」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
1 理由
本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者である宇利物産株式会社によりその指定商品「焼酎」について継続的に使用されている。
(1)本件商標の通常使用権者について
本件商標は、平成11年5月20日に被請求人である金孝燮より登録出願されている(乙第1号証)。被請求人は、平成11年5月28日に宇利物産株式会社(現住所:東京都北区赤羽一丁目41番5号アマダス200号室)を設立し、平成20年1月31日まで代表取締役を務めていた(乙第2号証)。なお、乙第2号証の役員の項の、金孝燮が代表取締役であった時の住所と、被請求人の住所に相異があるが、乙第3号証に示す登録名義人の表示変更登録申請書のとおり、乙第2号証の住所は、乙第3号証の変更前の表示と一致している。故に乙第2号証の金孝燮と被請求人が同一人であることは明らかである。
宇利物産株式会社と被請求人である金孝燮との間には、本件商標につき通常使用権の設定契約がなされており、宇利物産株式会社は被請求人である商標権者の金孝燮から通常使用権の許諾を受けている唯一の通常使用権者である。
なお、我が国における中小企業の現実において、代表者個人が工業所有権の保持者となり、会社に使用許諾を行っている事例が多く、本件もその例外ではない。また、通常使用権は、専用使用権とは異なり当事者間の契約に基づいて発生する債権であるから、当事者間においては通常使用権の設定登録を必要とせず、契約成立の時からその効力が発生するものであり(乙第4号証)、商標登録原簿に通常使用権の登録がなされていないとしても、その商標使用権許諾の契約がなかったものと否定することはできない。
したがって、被請求人自身が設立して代表取締役であった宇利物産株式会社に対し、被請求人である商標権者の金孝燮が本件商標の使用につき通常使用権の許諾をしていることは容易に推認することができる。
(2)本件商標の使用について
(a)本件商標の社会通念上同一性について
乙第5号証ないし乙第6号証は、いずれも本件商標の通常使用権者である宇利物産株式会社(以下、「本件通常使用権者」という。)によって輸入販売されている「焼酎」のチラシ及びポスターである。乙第5号証ないし乙第6号証に掲載された「焼酎」のラベルには明瞭に「HITE」の欧文字が付されている。
本件商標は、「HITE」の欧文字を標準文字で表すものであって(乙第1号証)、乙第5号証ないし乙第6号証に表れる「HITE」の欧文字とは書体が異なるが、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標は、当該登録商標と同一と認められる(商標法第50条第1項かっこ書き)。
したがって、本件通常使用権者により使用されている商標が、本件商標と社会通念上同一のものであることは明白である。
(b)使用について
産経新聞メディックスの発行する雑誌「日本の酒・世界の酒 SAKE 2005年度版」及び「日本の酒・世界の酒 SAKE 2006年度版」に、本件通常使用権者の輸入販売する焼酎の記事が掲載されている(乙第7号証ないし乙第8号証)。これによると、「韓国焼酎 珍島物語」のラベルには、上述の乙第5号証ないし乙第6号証と同様に本件商標と社会通念上同一の「HITE」の文字が付されており、これを輸入販売しているのは本件通常使用権者であることがわかる。また、当該雑誌の発行はそれぞれ平成17年1月及び平成18年1月であることから、少なくとも本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者が指定商品について登録商標の使用をしているといい得るものである。
もちろん乙第5号証は、審判の請求の登録前3年よりも以前に発行されたものであるが、「2005年度版」として平成17年1月に発行されている本誌が、「知りたい酒がすぐわかる総合ガイド」と銘打っている以上、平成17年1月以降も日本で販売されている酒類の情報が掲載されているといい得よう。そして、翌年度版である乙第6号証にも、本件商標が付された焼酎の情報が掲載されているということは、本件通常使用権者が、平成17年から平成18年にかけて本件商標が付された焼酎を継続して取引に供していることを証左するものである。
また、当該「焼酎」が、少なくとも本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件通常使用権者により、継続して取引に供されている事実は、2005年5月31日付けないし2008年9月30日付け(各月末締め)の本件通常使用権者による国分株式会社宛て請求書(乙第9号証)より明らかである。乙第9号証によれば、各月請求書の品名の項に「珍島物語700ml焼酎甲類25℃」及び「珍島物語360ml焼酎甲類25℃」の記載が認められる。ここで、乙第9号証の請求書に記載された「珍島物語」は、乙第5号証ないし乙第8号証の本件商標「HITE」の上部に付された「珍島物語」と対応している。本件通常使用権者は、当該焼酎を「珍島物語(チンドモノガタリ)」と称して商品の受注を行っている。例えば、乙第5号証のチラシのキリトリ線より下は、チラシ掲載商品の申込書となっており、そこには「『珍島物語』申込書」の文字が読み取れる。すなわち、本件通常使用権者が本件商標「HITE」の付された焼酎を「珍島物語」と称して取引に当たっていた事実が認められよう。
してみれば、乙第9号証の請求書により、本件商標「HITE」の付された焼酎が、本件審判の請求の登録前3年以内である少なくとも2005年5月から2008年9月の間において、本件通常使用権者により継続的に取引に供されていることは明白である。
したがって、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件通常使用権者により、本件商標「HITE」を付した商品「焼酎」が譲渡(商標法第2条第3項第2号)されている事実が認められる。
2 むすび
以上述べたように、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件通常使用権者が、その請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていたことは明らかであるから、本件商標は、商標法第50条第1項に規定する要件を充足せず、その登録を取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る乙第2号証、乙第3号証及び乙第5号証ないし乙第9号証よりすれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第2号証は、平成20年9月30日付け宇利物産株式会社の「履歴事項全部証明書」であるところ、被請求人「金孝燮」が取締役であり、平成20年1月31日に辞任までの間、代表取締役であったことが認められる。なお、「履歴事項全部証明書」中の代表取締役「金孝燮」の住所は、乙第3号証の登録名義人の表示変更登録申請書の変更前の住所と一致している。
(2)乙第5号証ないし乙第9号証について
ア 乙第5号証及び乙第6号証は、「味わい物語。/伝説の香り。」の表題のある商品のチラシとポスターであるところ、乙第5号証のチラシの左部分に縦長の瓶2本の写真が表されており、その瓶のラベルに「KOREAN LIQUOR/CHINDO/珍島物語/HITE/ALC.25%/700ml/HITE DISTILLERS CO.,LTD」及び「KOREAN LIQUOR/CHINDO/珍島物語/HITE/ALC.25%/360ml/HITE DISTILLERS CO.,LTD」の記載、その右側に「『珍島物語』は韓国…の清らかな水と、HITE酒造(HITEビールの子会社)の酒精工場から生産された酒精を厳選してブレンドした高品質の焼酎です。…」の記載、及び「輸入元 宇利物産株式会社」の記載が認められる。
乙第6号証のポスターには、左側に、甲第5号証の700mlの商品写真と同一の写真があり、右側に甲第5号証と同様の商品説明の記載、及び「輸入元 宇利物産株式会社」の記載が認められる。
イ 乙第7号証は、平成17年1月、産経新聞メディックス発行の「日本の酒・世界の酒 SAKE 2005年度版」と題する雑誌であり、210頁に乙第5号証及び乙第6号証と同じ「珍島物語/HITE」の表示のあるラベルが貼られた瓶の写真が表されており、その右側に「韓国焼酎 珍島物語」、「生産者/HITE酒造」、「宇利物産」の各記載が認められる。
乙第8号証は、平成18年1月、産経新聞メディックス発行の「日本の酒・世界の酒 SAKE 2006年度版」と題する雑誌であり、192頁に「珍島物語/HITE」の表示のあるラベルが貼られた瓶の写真が表されており、その右側に「韓国焼酎 珍島物語」、「生産者/HITE酒造」、「宇利物産」の各記載が認められる。
ウ 乙第9号証は、2005年5月から2008年9月の間の宇利物産株式会社から国分株式会社宛て各月末締め請求書であり、各月請求書中に「珍島物語700ml焼酎甲類25℃」及び「珍島物語360ml焼酎甲類25℃」の記載が認められる。
2 以上の乙各号証を総合すれば、本件通常使用権者と認められる宇利物産株式会社が2005年(平成17年)5月から2008年(平成20年)9月まで、本件商標と社会通念上同一と認められる商標「HITE」を使用して、焼酎を販売していたことが認められる。
そして、請求人は、前記第3の被請求人の答弁に対し、何等弁駁するところがない。
3 してみれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定商品「焼酎」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を通常使用権者が使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-06-19 
結審通知日 2009-06-25 
審決日 2009-07-14 
出願番号 商願平11-43654 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z33)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 瀧本 佐代子 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 岩崎 良子
内山 進
登録日 2000-05-26 
登録番号 商標登録第4385856号(T4385856) 
商標の称呼 ハイト、ヒト、ヒート、ヒテ、ヒット 
代理人 保崎 明弘 
代理人 水野 勝文 
代理人 北村 周彦 
代理人 岸田 正行 
代理人 和田 光子 
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