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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X16
管理番号 1208237 
審判番号 不服2008-22738 
総通号数 121 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-09-04 
確定日 2009-11-18 
事件の表示 商願2007-50556拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「薄紅」の文字と「うすべに」の文字を上下二段に横書きしてなり、第16類に属する「紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」を指定商品として、平成19年5月22日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「薄紅」及び「うすべに」の文字を二段に書してなるところ、これは、うす‐べに【薄紅】#薄いべにいろ。また、その顔料。#薄くつけた化粧用の紅べに。「?をさす」([株式会社岩波書店 広辞苑第五版])のことであり、全体として色彩の一つを表すにすぎないものであるから、このようなものをその指定商品について使用するときは、単に商品の品質・色彩を表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、次に示すとおり、本願商標を構成する「薄紅」、「うすべに」の文字が、本願指定商品中の「コピー用紙,和紙,封筒,色鉛筆,クレヨン」等の商品について、該商品の品質(色彩)を表すものとして普通に使用されている事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成21年4月23日付け証拠調べ通知書を通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。

1.「コピー用紙,和紙」といった紙類に、「薄紅」または「うすべに」の文字が色彩を表す語として使用されている事実がある。
(a)インターネット上の「紙の温度」のホームページにおいて、「インクジェット・コピー・プリンター用紙-紙の温度」の見出しの下、「インクジェット・コピー・プリンター用紙」の「アシッドフリー」の項に、
品番37700102「IJ羽二重紙コピー用紙 薄紅 B5 (20枚入)」、品番37702304「IJ羽二重紙コピー用紙 薄紅 B4 (20枚入)」、品番37705602「IJ羽二重紙コピー用紙 薄紅 A4(20枚入)」、品番37702601「IJ羽二重紙名刺作成用シート 薄紅 A4 (10枚入)」との記載。
(http://www.kaminoondo.co.jp/goods/goods_list/inkjet.html)
(b)インターネット上の「プリントマート ネット通販サイト」のホームページにおいて、「羽二重紙 手紙用 薄紅」の見出しの下、「商品名 羽二重紙 手紙用 薄紅」、「商品説明 ●高級越前和紙●地色は全部で8種類、どんなプリンターでもOK!」との記載。
(http://www.printmart.co.jp/print/item.cgi?item_id=HA5510&ctg_id=wasi&page=1)
(c)インターネット上の「Amazon.co.jp」のホームページにおいて、「Amazon.co.jp:羽二重紙薄紅(うすべに)手紙用薄手:家電・カメラ」の見出しの下、「羽二重紙薄紅(うすべに)手紙用薄手」、「商品の仕様 ・A4ノーカット和紙 ・高級越前和紙 ・薄手タイプの手紙用(厚さ75グラム)」との記載。
(http://www.amazon.co.jp/HA-5510-%E7%BE%BD%E4%BA%8C%E9%87%8D%E7%B4%99%E8%96%84%E7%B4%85%EF%BC%88%E3%81%86%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%AB%EF%BC%89%E6%89%8B%E7%B4%99%E7%94%A8%E8%96%84%E6%89%8B/dp/B001FM3FJU)
(d)インターネット上の「ショッピングサーチ・アラジン」のホームページにおいて、「和紙・羽二重紙 カード用 薄紅 通販-アラジン」の見出しの下、「和紙・羽二重紙 カード用 薄紅」及び「羽二重紙A4うすべに10枚入り薄紅 カード用(厚手)」との記載。
(http://www.shopping-search.jp/item/detail/gid_221003600548)

2.「封筒,色鉛筆,クレヨン」といった文房具類に「薄紅」または「うすべに」の文字が色彩を表す語として使用されている事実がある。
(a)インターネット上の「伝票とラベルの通信販売コムニス」のホームページにおいて、「HA-8340:越前和紙 羽二重紙 角封筒 薄紅(うすべに) [通信販売コムニス]」の見出しの下、
「越前和紙 羽二重紙 角封筒 薄紅(うすべに)」との記載。
(http://www.comnis.jp/n_detail.asp?get_hinban=HA-8340)
(b)インターネット上の「ECナビ」のホームページにおいて、「トンボ鉛筆色鉛筆 1500 単色 薄紅色312p5601500-27 通販ショップの販売価格を比較/ECナビ」の見出しの下、
「トンボ鉛筆色鉛筆 1500 単色 薄紅色312p5601500-27」との記載。
(http://kakaku.ecnavi.jp/item_info/20846143643890.html)
(c)インターネット上の「YAHOO!ショッピング」のホームページにおいて、「色鉛筆 36色[三菱鉛筆]K88036CP 京都ベストビジネス-Yahoo!ショッピング」の見出しの下、
「色鉛筆 36色[三菱鉛筆]K88036CP」、「商品説明 ●・・・色彩表現を思いのままに。基本色をそろえた色鉛筆の36色セットです。鮮やかな発色で色ののりも良く、アートワークにも最適です。●色:白、黄、山吹、橙、黄緑、緑、深緑、水、群青、藍、赤紫、紫、白、山吹色、深緑、群青、赤紫、紅色、朱色、黄土色、赤茶色、ねずみ色、金色、銀色、藍色、灰みどり、こげ茶色、たまご色、レモン色、土色、エメラルド色、せいじ色、薄紫、濃い赤紫、薄紅色、灰色」との記載。
(http://store.shopping.yahoo.co.jp/kyotobest/23419.html)
(d)読売新聞 1994年6月13日 大阪夕刊 9頁において、「[ハーブティーをのみながら]色鉛筆に見る流行色」の見出しの下、
「社会人になってから、すっかりごぶさたしている色鉛筆。(略)今や色鉛筆は流行色の見本市。(略)例えば「ピンク」が好きな人は、桜色、薄紅、撫子(なでしこ)--。微妙で複雑な色を並べて、うっとり。」との記載。
(e)インターネット上の「YAHOO!ショッピング」のホームページにおいて、「クレパス 太巻き50色セット マエジム-Yahoo!ショッピング」の見出しの下、
商品説明の項に、「品番 VP50N クレパス太巻50色セット」、「カラー 紅色、エンジ色、赤、朱色、赤橙、橙色、杏色、みかん色、やまぶき色、黄色、レモン色、ぞうげ色、黄緑、灰緑、ウグイス色、緑、くじゃく緑、ふかみどり、青緑、うす緑、エメラルドグリーン、ビリジアン、ライトブルー、みずいろ、そらいろ、青、ぐんじょう色、藍色、明るい紫、紫、すみれ色、薄橙、ももいろ、紅梅色、薄紅色、くちば色、オリーブ、ぼたんねず、おうど色、きちゃ、あかつち色、茶色、こげ茶、セピア、白、灰色、暗い灰色、黒、金色、銀色(全50色)」との記載。
(http://store.shopping.yahoo.co.jp/e-maejimu/sakura-vp50n.html)

第4 職権証拠調べに対する請求人の意見の要点
1.本願商標が本願指定商品の品質を表示するものとして普通に使用されているとはいえない。
2.いつ更新、廃止されるかわからないインターネットのホームページ上での使用をもって、本願商標は自他商品識別力がないとして拒絶されることは、到底納得できない。
悪意の第三者が、競合他社の商標の登録を阻止するために、その識別力を弱めさせるためにホームページ上で当該商標を使用することも考えられる。
3.本願商標のように色彩を表示したものと暗示させると思われる語であっても、商品の品質を直接的かつ具体的に表したものでないことを理由に現に登録されている商標が多数存在している。

第5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであるとともに、商品の品質その他の特性については、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないことによるものと解される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事126号507頁参照)。
(2)これを本願についてみるに、前記第3 職権による証拠調べによれば、本願商標を構成する「薄紅」及び「うすべに」の語は、本願指定商品中の「コピー用紙,和紙,封筒,色鉛筆,クレヨン」等の紙類、文房具類を取り扱う業界においては、色彩表示の一つとして、新聞記事情報やインターネットホームページの通販情報に掲載されていることが認められ、これらの事実によれば、本願商標の査定時及び審決時において、「薄紅」及び「うすべに」の語は、商品の色彩名として、取引者、需要者を含め、一般に広く知られているものと認めるのが相当である。なお、「薄紅」及び「うすべに」の文字は、「広辞苑第六版(株式会社岩波書店)」によれば、「薄いべにいろ。また、その顔料。」等を意味する語であり、この他、例えば「色の名前事典(株式会社主婦の友社)」に色名の一つとして掲載されているなど、各種事典類にも掲載されている語である。
そうとすると、「薄紅」及び「うすべに」の語は、「コピー用紙,和紙,封筒,色鉛筆,クレヨン」等の紙類、文房具類を取り扱う業界においては、色彩表示の一つとして、取引者、需要者を含め、一般にも使用され、広く知られているものであるから、本願商標をその指定商品に使用する場合は、当該商品の品質(色彩)を表示するものとして認識されるものであり、自他商品識別機能を有するものとも認められないから、これを特定人に独占使用させることは公益上適当でないものというのが相当である。
(3)なお、請求人は、前記第4 職権による証拠調べに対する意見において、1、2、3のとおり述べているが、単に主張するのみで、具体的な証左を明らかにしていないものであり、また、請求人主張に係る登録例は、本願商標とはその構成文字や指定商品が相違しており、事例を異にするものであるから、それらの登録例に前記認定が左右されるものではない。そして、前記認定のとおり、本願商標は自他商品の識別機能を有しないものであること、その証拠に照らし明らかであるから、請求人の上記主張は、採用することができない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-09-01 
結審通知日 2009-09-04 
審決日 2009-09-25 
出願番号 商願2007-50556(T2007-50556) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X16)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今田 三男山田 正樹 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 板谷 玲子
岩崎 良子
商標の称呼 ウスベニ 
代理人 橘 哲男 

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