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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X031144
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X031144
管理番号 1208216 
審判番号 不服2009-2513 
総通号数 121 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-02-05 
確定日 2009-11-12 
事件の表示 商願2007- 84724拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「PLATINUM ION」の欧文字と「プラチナイオン」の片仮名文字とを上下2段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」、第11類「家庭用電気式美容機械器具,その他の家庭用電熱用品類」及び第44類「美容に関する指導及び助言,美容に関する情報の提供,その他の美容」を指定商品及び指定役務として、平成19年7月31日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『PLATINUM ION』、『プラチナイオン』の文字を書してなるところ、その構成中、『PLATINUM』、『プラチナ』の文字部分は『白金』を意味し、『ION』『イオン』の文字部分は『電子を帯びた原子』を意味する。そして、インターネット情報や刊行物等提出書によれば、その指定商品・役務に係わる業界においては、『プラチナイオン」を利用した化粧品、電気式美容機械器具、美容に係る商品、サービスが製造・販売・提供されており、その宣伝、広告等において、該文字は、品質・質などをいうときに普通に使用されていることが認められるから、これをその指定商品・役務中、例えば『マイナスイオン効果を有する化粧品,業務用電気式イオン導入機能付き超音波美顔・美容器,マイナスイオン濃度を高めた空間を利用した美容』に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品・役務が『プラチナイオンを利用したもの』であることを表示したものと理解するにすぎず、本願商標は、単に商品・役務の品質・質を表示したものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品・役務の品質・質の誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。

1 「PLATINUM」及び「プラチナ」の文字について
(1)「platinum」の項に、「白金,プラチナ:貴金属元素の一つ;酸化されにくく,融点がきわめて高い。;電極,宝石,触媒,熱電対などに用いる。」の記載がある。(ランダムハウス英和大辞典 小学館発行)
(2)「プラチナ」の項に、「白金。白色の貴金属元素。原子番号78.記号pt.」の記載がある。(コンサイスカタカナ語辞典第3版 三省堂発行)

2 「ION」及び「イオン」の文字について
(1)「ion」の項に、「イオン」の記載がある。(ランダムハウス英和大辞典 小学館発行)
(2)「イオン」の項には、「電気を帯びた原子,あるいは原子団。また分子が帯電した気体。正の電気を帯びたものを陽イオン,負の電気を帯びたものを陰イオンという。」の記載がある。(コンサイスカタカナ語辞典第3版 三省堂発行)

3 「プラチナ」の文字について
(1)「白金(プラチナ)ナノコロイド」の見出しの下に「白金を2ナノメートル(ナノは10億分の1を表す単位)のごく小さい粒径にした素材。肌のシワやたるみなど老化の原因になる活性酸素を取り除く物質として注目されている。・・・化粧品やサプリメントに配合するほか、白金ナノコロイドを含むスチームを生成する美容機器などがある。」との記載がある。(「現代用語の基礎知識2009 1225頁」2009年1月1日 株式会社自由国民社発行)
(2)「貴金属コスメはどんな効果があるのか?」の見出しの下に「貴金属が持つ蝕媒作用による抗酸化が期待されて使用されています 白金(プラチナ)や金、銀、実はこうした貴金属は、『触媒』作用という性質を持っています。・・・この貴金属の触媒作用がもっとも効果的に働くのが『抗酸化』 通常の抗酸化物質というのは、酸化される対象となる物質(例えば皮脂)に対して還元をしますので、相手を還元するとともに、同時にこの抗酸化薬剤自身が酸化され、いずれは活性を失ってしまうんですね。ですからその効果も、薬剤自身が酸化されてしまうまでの間という事になります。対して、触媒作用というのは、自分自身は全く酸化還元反応に直接関与しませんから永久的に働く。しかも、抗酸化作用を増幅するわけですから、効果も絶大というわけ。」との記載がある。(「コスメの真実・裏側 82頁ないし85頁」2008年12月3日 株式会社中央書院発行)
(3)「メガビューティLED&イオンスチーマー ナノケア プラチナ」の見出しの下に「お肌の敵、活性酸素を除去するといわれている『プラチナナノ微粒子』が含まれたプラチナナノスチームが角質層の奥に浸透し、肌にハリと弾力を与えます。」との記載がある。(「女性自身」平成18年12月26日 株式会社光文社発行)
(4)「『与えるより防ぐ美容』がプラチナから」の見出しの下に「そんな中、プラチナスチームを発生させる美顔器『イオンスチーマー ナノケア プラチナ』(ナショナル)が10月に発売されたと知り、・・・『プラチナは高級アクセサリーの材料となる貴金属として知られていますが、それをナノサイズ(1ナノメートル=10億分の1メートル)にまで微細化すると、活性酸素を除去する抗酸化作用があることがわかったんです』」との記載がある。(「女性セブン 86頁」 平成18年11月2日 株式会社小学館発行)
(5)「半永久的に働くイオンの力がシミ・くすみ・たるみの元を徹底排除!『プラチナ』成分で肌がグーンと若返る」の見出しの下に「そのプラチナをナノ化して分散させると、健康な体内の電位とほぼ同等の、マイナス40mvという電荷が得られます。この電位が、活性酸素の原因となる酸素のあぶれた電子と結びついて、発生そのものを阻止。しかもプラチナ自体は酸化しない不活性元素であるうえ、体内に吸収もされないため、半永久的に電子を供給し続け、抗酸化作用が続くことになります」との記載がある。(「女性セブン 90頁」 平成18年9月28日 株式会社小学館発行)

4 「プラチナ」と「イオン」の文字について
(1)「ビッグテールプランニング」のウェブサイトにおいて、「プラチナスキンジェル OP3」の見出しの下に「プラチナ粒子は、その一粒一粒がマイナス40mVの電位をもっており、これによって周りの水が引き寄せられ、内側に水分子のプラス、外側にマイナスの状態となり、連続でマイナスイオンを発生し続けます。【プラチナ粒子の特徴】瞬時にマイナスイオンを与え続ける!マイナスイオンが新陳代謝メカニズムに働きかけるマイナスイオンでブロック!(活性酸素を除去し続ける)」との記載がある。(http://www.big-tail.com/product/b_op3.html)
(2)「株式会社レスコ」のウェブサイトにおいて、「皮膚の活性酸素を除去してシミやシワ、ニキビの改善に著効を発揮するプラチナ美容液」の見出しの下に「ナノ化されたプラチナは、その電気二重層を修復し、補強することで、細胞を細菌や紫外線などから守り、減退した新陳代謝を再び活性化させるのです。また、ナノ化プラチナは水分子をイオン解離させ電子を送り続ける性質を持ち、その卓抜した抗酸化作用が、皮膚最大の敵・紫外線による様々な障害から守ります。」との記載がある。(http://www.resco-japan.com/only1/kyouju.html)
(3)「ビューティショップ ソフィア」のウェブサイトにおいて、「プラチナ・ディープトリートメント」の見出しの下に「プラチナには他の物質と混じり合わず、また変化せず身体の中の悪い成分を壊していく不思議な力があります。こうした作用を利用し、このプラチナをナノテクにより微粒子にする事で、お肌に有害な活性酸素(老化)を、除去することに成功しました。このナノ化したプラチナが、絶えずマイナスイオンを出し続け、ダメージを受けている肌の電子バランスを整え、本来肌が持っている細胞活性機能を補うことによって、正常なお肌の新陳代謝を保つのです。」との記載がある。(http://www.store-mix.com/ko-bai/product.php?pid=1247913)
(4)「レディオびゅうティ?」のウェブサイトにおいて、「『プラチナ配合全身シャンプー』オーガニックフォーム【詰め替え用】500ml」の見出しの下に「ナノ化した純金とプラチナを配合することにより人間の持つ体内電位と同じ電位をもたせ健康な状態に整えます。プラチナは抗酸化作用に優れ、活性酸素による細胞の酸化を防止します。同時にマイナスイオンを発生させ、肌荒れ等を解消するイオンバランスでみずみずしい細胞に整えます。また配合された4種類の植物エキスから抽出した植物プラセンタの成長因子が細胞増殖を促します。」との記載がある。(http://rxyxo.com/?pid=8433698)
(5)「シティ・ガスショッピング」のウェブサイトにおいて、「ヤーマン ホワイトミスト」の見出しの下に「●ヤーマン美顔器『ホワイトミストプラチナム』は抗酸化作用のあるアンチエイジングケア成分として話題のプラチナ(白金)に着目しプラチナミストを発生させる美顔器です。●ヤーマン美顔器の本体内のプラチナ電極板に電気的に電圧をかけることで放電を起こしプラチナをナノサイズに小さくし水の分子と一緒に放出させる方式です。・・・●ヤーマン美顔器は業務用スチーマーの技術を応用し、家庭でも気軽にエステ並みのケアができるイオンスチーマーです。」との記載がある。(http://www.citygas.co.jp/shop/2955.html)

5 「PLATINUM ION」「プラチナイオン」の文字について
(1)「化粧品」に関して
ア 「スマイル通販」のウェブサイトにおいて、「Le・VOOL PLATINUM ION Q&A」の見出しの下に「Q.24時間イオン導入できるって…本当? A.一度働くと抗酸化作用が無くなってしまう様な、他の抗酸化物質とは異なり、プラチナ(白金玄水)は、触媒の役割を果たし、抗酸化作用が半永久的に働き、体内に溜まっている間は、効果が持続するのです。商品説明および仕様-プラチナ(白金玄水) ナノサイズのプラチナは、乱れたお肌の電位バランスを整え連続してマイナスイオンを作り続ける事が出来る為、お肌が常にマイナスイオンを帯びた状態となり、(冒頭説明の)イオン導入と同じ効果が得られるのです。つまり…美容液を塗るだけで、美肌成分が肌の最奥までグングン浸透し、シワ・シミ・くすみを飛躍的に改善してくれます。もちろん、その力はイオン導入を可能にするだけに留まりません!驚異の還元パワーで、あらゆるトラブルの元凶である活性酸素を撃退し、いつまでも、白く輝く“サビない肌”でいさせてくれるんです。」との記載がある。(http://3016.jp/blue-lagoon/item.cgi?up_item5=572383)
イ 「株式会社 アロインス化粧品」のウェブサイトにおいて、「ブライトローション プラチナ」の見出しの下に「活性酸素を除去し、新陳代謝を促進する全身用ローション アロインスブライトローションは、お肌になじませるとすばやく浸透し、ベタつかず、サラっとした使い心地。輝く銀箔もすっとお肌になじみ、それは、まるで見えない光を全身に纏ったよう。目には見えない、ナノコロイド粒子がお肌を活性酸素から守り、新陳代謝を活発にしてくれます。配合成分 プラチナナノコロイド【プラチナイオン効果で、体内電子バランスを整える】プラチナ・ナノ粒子は-40mvというゼータ電位を持ち、肌に塗った瞬間から肌細胞に電気的なチカラを発揮し、表皮の基底層のケラチノサイトの細胞分裂を活性化し、ターンオーバーを正常化しながら、潤いのあるみずみずしいお肌を作ることが出来ます。」との記載がある。(http://www.aloins.co.jp/shop_detail_richcare02.html)
ウ 「マグナス株式会社」のウェブサイトにおいて、「PLATINUM ION ESSENCE」の見出しの下に「プラチナは古代エジプト時代から薬として使われてきました。プラチナには他の物質と混じり合わず、又変化せず身体の中の悪い成分を壊していく不思議な力があります。そのプラチナを微粒子ナノプラチナにすると過剰な活性酸素を除去する働きのあることがわかりました。ナノプラチナは絶えずマイナスイオンを出し続け、ダメージを受けている肌の電子バランスを整えます。そのため、肌自身が持つ細胞活性機能を補い、正常な新陳代謝を保つことが出来ます。」との記載がある。(http://www.magnusamerica.com/product.php?id=20)
エ 「IQメディラル」のウェブサイトにおいて、「『安心と納得』、これからのスキンケアは医学と美容が連携し、高い満足度を目指す。」の見出しの下に「スキンケアの目的は、皮膚を清潔に保ち、乾燥、紫外線から守ることにつきるが、細胞を賦活化させシミ、シワの改善や、にきびの防止なども期待される。IQ Mediralはこれらを、わずか2ステップで行おうと開発されたものである。コロイド化したナノサイズのプラチナイオンは、紫外線や種々のトラブルによって発生する活性酸素を除去する作用があり、炎症を抑え、老化を抑制する。同時に、皮膚表面の電位バランスの恒常性を保つことでバリア機能を修復し、保湿にも大きく貢献する。」との記載がある。(http://www.iq-m.com/at/concept/)
(2)「歯磨き」に関して
ア 「リラクゼーションセンター健康指圧工房」のウェブサイトにおいて、「マジカルベロッタナノトリプル」の見出しの下に「▼金・銀・プラチナが歯垢を溶かし出す。・・・【Pt(プラチナイオン)】歯周病の原因と言われる活性酸素を除去する効果があり歯肉炎や口内炎等にも非常に効果的です。ナノ化された・金・銀・プラチナだから歯の隙間、奥の奥まで汚れを落とす。この、超微細粒子が歯の隅々の汚れを逃さず歯垢・細菌類を抹殺!!金・銀・プラチナの成分が電流を作り出し歯垢を溶かし出す。金・銀・プラチナをナノ単位まで小さくすることにより電流(マイナスイオン)を発生させ歯の隅々の歯垢、黄ばみまで除去!!」との記載がある。(http://kenkou-siatu.jp/item/magicalBNT/index.html)
イ 「ソーシャルマーケットプレイス」のウェブサイトにおいて、「商品名:パーフェクト トゥースラスターホワイト」の見出しの下に「プラチナイオンの働きで着色や歯垢がつく歯表面のたんぱく質の膜まで分解します!研磨して白くするのと違いこちらは削らずに白い歯にしていきます!」との記載がある。(http://www.store-mix.com/ko-bai/product.php?afid=11307089&pid=696514&hid=145245&oid=311&aftype=pct02#productbox)
(3)「石けん」に関して
ア 「株式会社セブンシーズ」のウェブサイトにおいて、「プラチナ石鹸 PTアミノコア」の見出しの下に「塗った水を流すだけでピカ!!ピカ!!という宣伝文句をテレビCMなどでよく目にすることでしょう。あれが、電子(イオン)還元洗浄なのです。これは、マイナスイオンの電子エネルギーで汚れを分解して取り除く方法で、酸化した物質の凝固である汚れの元を一掃します。しかし、この技術を顔やボディに応用する為には、肌を痛めない、よりソフトな電子(イオン)還元を追及しなければなりません。それを可能にしたのがプラチナなのです。こうして、植物性コラーゲンで肌を癒しながら、同時にプラチナのマイナスイオン発生で汚れの塊を分解し、肌のうるおい成分や皮膚常在菌を残しながら超マイクロのコラーゲン&プラチナ発泡で肌を浄化する、実に理想的な作用を持つPTアミノコアが開発されてました。プラチナイオンを発生させながら、発生する泡の質は、超微粒子でおそらく世界最小の泡といわれていて、ナノメーター(10億分の1メートル)の世界の発泡なのです。この使用感は他に例えのない触感が得られます。そして、この泡を1?2分肌を包むことで、イオンクレンジングが行われ、深い汚れを分解する能力は、まさにクレンジング革命といわれるところです。」との記載がある。(http://www.7seas-jp.com/shop/aminocore.html#)
イ 「アマゾンジャパン株式会社」のウェブサイトにおいて、「デトックス プラチナソープ 100g」の見出しの下に「商品の説明 プラチナが低温度でもマイナスイオンを発生させる触媒作用があることが、1836年にスウェーデンの化学者ノベルゼリスルによって発表されました。その後1960年初めには、アメリカのローゼンバーグ博士が、プラチナは大腸菌を増殖させない、一種の解毒作用を持つことを突き止めたのです・・・その他にも、プラチナによる酸化物質に対する解毒作用の研究などが、さらに進められているのです。汚れのもとは、酸化した物質の凝固ですから、マイナスイオンの電子エネルギーで汚れを分解して取り除く方法で、この技術はトイレやタイル、配水管内部などの洗浄に応用されています。その技術を顔やボディに応用するためには、肌を痛めない、よりソフトな電子(イオン)還元を追及しなければなりません。それを可能にしたがプラチナなのです。植物性コラーゲンで肌を癒しながら同時にプラチナのマイナスイオン発生で汚れの塊を分解して、肌の潤い成分や皮膚常在勤を残しながら超マイクロのコラーゲン&プラチナ発砲で肌を浄化する、実に理想的な作用を持つデトックスPTソープが開発されました。プラチナイオンを発生させながら、発生する泡の質は超微粒子で、ナノメーター(10億分の1メートル)の世界の発泡なのです。」との記載がある。(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%87%E3%83%88%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%81%E3%83%8A%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%97-100g/dp/B000TUFWIQ)
(4)「ヘアドライヤー」に関して
2009年4月1日付け日経産業新聞の5頁には「パナソニックがドライヤー、紫外線で傷んだ髪、イオンでうるおい。」の見出しの下に「パナソニックはプラチナイオンを発生させる新タイプのヘアドライヤーを五月一日に発売する。紫外線で傷んだ髪のうるおいを保ち、枝毛や切れ毛を減らす効果があるという。高機能品として販売拡大を目指す。発売するのは『ナノケア EH?NA91』価格はオープンだが、店頭実勢で二万円前後を想定している。月産三万台が目標だ。新開発のプラチナ『ナノイー』システムを搭載した。プラチナ電極に電圧を加えると直径数ナノ(ナノは十億分の一)メートルのプラチナマイナスイオンが発生、髪の表面を覆うキューティクルをひきしめ、保水する効果があるという。髪を乾かしながら、紫外線による髪の傷みを軽減する。」との記載がある。
(5)「電気美顔器」に関して
「日本商工経済研究所」のウェブサイトにおいて、「プラチナパワーで年齢肌ケア、自宅で手軽にエステの本格スチーム美容」の見出しの下に「東京・江東区のヤーマン(株)(山崎貴三代社長)は、先端電子機器とともに美容・健康機器の製造・販売を行っている。同社の『ホワイトミストプラチナム温冷』は、プラチナイオンを含んだナノイオン温スチームとマイクロ冷ミストを発生させる年齢肌ケア美容機器である。プラチナ電極の間を通すことで、温スチームはナノサイズ化され、プラチナイオンと合体する。ナノのスチームミストは肌の角質層にも入り込める大きさで、浸透性が高く、角質層のすみずみまで潤いや美容成分を届ける。また、プラチナイオンには肌の老化やトラブルを起こす活性酸素を除去する効果がある。」との記載がある。(http://www.shokoken.co.jp/p34/p34_08_03.htm)
(6)「エアコンディショナー」に関して
「株式会社シンボリ エヌスリー」のウェブサイトにおいて、「H社の業界初のプラチナ・イオンミスト機能搭載プレミアム・エアコン」の見出しの下に「プラチナイオンミスト気流がカーテンにしみ込んだニオイまで強力脱臭ナノサイズのプラチナ粒子のイオンミストをお部屋のすみずみまで放出。空気中のニオイ、繊維にしみ込んだニオイも強力脱臭。空気中のウィルス・菌・カビ菌も約99.9%抑制します。」との記載がある。(http://www.nthree.jp/siyourei.html)
(7)「美容」に関して
ア 「溝の口 美容室」のウェブサイトにおいて、「プラチナ イオンカラーとは、」の見出しの下に「ヘアカラー施術時に、プラチナ還元イオン水を塗布し、ヘアカラー剤を乳液状に変え水分を保ちます。そして、毛髪内部再構築トリートメント(薬用・間充物質形成剤)を浸透させ髪を内部から蘇らせます。」との記載がある。(http://www.bt-life.com/platinum.html)
イ 「HAIR CREATION KAZ」のウェブサイトにおいて、「プラチナイオンウェーブ 9,450円(税込)」の見出しの下に「プラチナイオン水の力で、ふんわりとした、軽やかなクセ毛風パーマを実現。髪と頭皮に優しく、美しいウエーブが持続します。さらにKAZがオススメするヘアケアブランドCOTAのシャンプー&トリートメントを使用した施術で傷みの少ない健康的なウェーブを実現します。(シャンプー+カット+プラチナイオンウェーブ+トリートメント+ブロー)120分」との記載がある。(http://salon.yahoo.co.jp/salon/80920/)
ウ 「美容室 アーティ」のウェブサイトにおいて、「プラチナイオンパーマ始めました。」の見出しの下に「プラチナイオンパーマはカール施術の前にセラミド・保湿成分・油分配合のクリームを使い、栄養分をたっぷり補給してからカールを作るメニューです。気になるクセも伸び、髪のコンディションを整えてからカールを作るので弾力のあるキレイなカールが長持ちします。また、ダメージが少ないので、パサつきやチリつきがなくなめらかな手触りが続きます。」との記載がある。(http://www.hair-posh.com/arty/topics.html)
エ 「n.HAIR 」のウェブサイトにおいて、「☆プラチナイオンストレート(輝髪ストレート)キャンペーン☆」の見出しの下に「縮毛矯正を繰り返した、髪の毛がよみがえります☆・・・なんと薬剤とアイロンの両方にプラチナが配合され、ダメージ物質を分解・中和除去してくれます!さらにプラチナアイロンは、空気中の水分を集め、極小の蒸気還元水に変え、髪に閉じ込めます。蒸気による湿熱で髪を伸ばしますので、今までに体験保水再生毛を作り、熱変性も発生しません!!」との記載がある。(http://www.n-hair.net/campaign/index.html)

6 「プラチナイオン」の文字(語)が使用されている特許公報及び公開特許公報
(1)特許番号「特許第2695131号」には、「【発明の名称】半導体装置の製造方法 【特許請求の範囲】【請求項1】・・・(d)前記窓(6)を経て前記シリコン材料層(1,2)に制御されたドーズ量(D)のプラチナイオンを注入する工程と、(e)注入されたプラチナイオンを前記シリコン材料層(1,2)中に拡散させて、前記バイポーラトランジスタを構成するシリコン材料層中にプラチナイオンを均一に分布させ、この拡散プラチナイオンの濃度が、前記第1の面積(AD)にほぼ等しい開口面積を有する窓を経て前記ドーズ量(D)よりも遙かに低い等価ドーズ量(Deq)のプラチナイオンが注入された場合に得られる濃度に等しくなるようにすることを特徴とする半導体装置の製造方法。【請求項2】請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、前記プラチナイオンの制御されたドーズ量(D)が、工程(e)が行なわれた後のバイポーラトランジスタを構成する領域内部の所望のプラチナ濃度及び前記バイポーラトランジスタの第1の面積と少なくとも1個の窓(6)が占める第2の面積(Apt)との間の比に依存することを特徴とする半導体装置の製造方法。【請求項3】請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、前記プラチナイオンの制御されたドーズ量(D)及び前記バイポーラトランジスタの面積(AD)と少なくとも1個の窓(6)の面積(Apt)との間の比が、工程(e)の実施後に1012?1013原子/cm3 の範囲の濃度のプラチナイオンの均一分布が得られるような値となるようにする特徴とする半導体装置の製造方法。」との記載がある。
(2)公開番号「特開2006-314977」には、「【請求項10】上記ナノ球体の空隙に侵入堆積した金属は、プラチナイオン及びルセニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os) の中の一種又は一種以上のイオンを含んで混合したプラチナイオン混合物であることを特徴とする請求項9記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。」との記載がある。
(3)公開番号「特開2008-26058」には、「【要約】【課題】2-プロパノールを少量添加した4価プラチナイオン水溶液内に超音波照射することによって、4価プラチナイオンを金属プラチナへ還元しているが、同法のように2-プロパノールを添加しただけでは、超音波照射によって6価ウランを4価ウランへ還元するに足る還元力を得ることができない。【解決手段】本発明は、貴金属固体触媒を利用することにより超音波照射のもたらす還元力を増大し、水溶液中の6価ウランを4価ウランへの還元を達成するものである。」との記載がある。

7 本願商標は、「PLATINUM ION」の欧文字と「プラチナイオン」の片仮名文字とを上下2段に横書きしてなるところ、前記実情よりすれば、該文字は、「活性酸素を除去する作用のある、プラチナ(白金)が発するイオン」を表す語として、雑誌、新聞及びインターネット等において、一般に使用されている事実を窺い知ることができるものである。
してみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務中「プラチナ(白金)が発するイオンを用いたせっけん類・歯磨き・化粧品」、「プラチナ(白金)が発するイオンを用いた家庭用電気式美顔・美容機械器具・家庭用エアコンディショナー」、「プラチナ(白金)が発するイオンを用いた美容に関する指導及び助言・美容に関する情報の提供・その他の美容」に使用するときは、取引者、需要者は、商品の品質又は役務の質(内容)を表示したものと理解するにとどまり、自他商品又は自他役務の識別標識とは認識し得ないものというべきであるから、結局、本願商標は、商品の品質又は役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。
また、本願商標を前記商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。

第4 職権証拠調べに対する意見の要点
請求人は、「雑誌、新聞、インターネット等において『プラチナイオン(PLATINUM ION)』の文字が使用されている事実を窺い知ることができるとしても、その事実をもって、直ちに該文字が『活性酸素を除去する作用のある、プラチナ(白金)が発するイオン』を表わす語として普通に使用されているとは言い難いものである。してみれば、本願商標は、本願指定商品及び指定役務との関係において、識別標識としての機能を果たし得るものであり、本願に係る何れの指定商品・指定役務について使用しても、商品・役務の品質・質の誤認を生ずるおそれはない。」旨述べている。

第5 当審の判断
本願商標は、前記第1のとおり、「PLATINUM ION」の欧文字と「プラチナイオン」の片仮名文字とを上下2段に横書きしてなるところ、構成中の「PLATINUM」及び「プラチナ」の文字部分は、「白金。白色の貴金属元素」の意味を、また、「ION」及び「イオン」の文字は、「電気を帯びた原子,あるいは原子団。また分子が帯電した気体。」等の意味をそれぞれ有する語(いずれも、コンサイスカタカナ語辞典第3版 三省堂発行)として一般に親しまれているものである。
そして、前記第3の証拠調べ通知によって示したとおり、コロイド化したナノサイズのプラチナイオンは、肌の老化や様々なトラブルを起こす活性酸素を除去する作用、効果があることで知られており、指定商品(せっけん類・歯磨き・化粧品,家庭用電気式美顔・美容機械器具・家庭用エアコンディショナー)又は指定役務(美容に関する指導及び助言・美容に関する情報の提供・その他の美容)を取り扱う業界においては、「活性酸素を除去する作用のある、プラチナ(白金)が発するイオン」程の意味合いを認識させ、商品の品質又は役務の質を表示するものとして採択・使用され、取引等に資されている実情が認められる。
これらの事実に照らせば、「PLATINUM ION」及び「プラチナイオン」の文字よりなる本願商標は、全体として「活性酸素を除去する作用のある、プラチナ(白金)が発するイオンを利用した商品又は役務の提供」程の意味合いを極めて容易に理解、認識させるものである。
してみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務中「プラチナ(白金)が発するイオンを用いたせっけん類・歯磨き・化粧品」、「プラチナ(白金)が発するイオンを用いた家庭用電気式美顔・美容機械器具・家庭用エアコンディショナー」、「プラチナ(白金)が発するイオンを用いた美容に関する指導及び助言・美容に関する情報の提供・その他の美容」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質又は役務の質(内容)を表示したものと理解するにとどまり、自他商品又は自他役務の識別標識としては認識し得ないものであり、かつ、これを前記商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するというのが相当である。
なお、請求人は、上記第4において、「プラチナイオン(PLATINUM ION)」の文字が「活性酸素を除去する作用のある、プラチナ(白金)が発するイオン」を表わす語として普通に使用されているとは言い難い旨述べているが、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(東京高裁 平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日判決言渡)」から、たとえ、「PLATINUM ION」及び「プラチナイオン」の文字が、その指定商品又は指定役務を取り扱う業界において、商品の品質又は役務の質を表示するものとして一般に使用されているとまではいえないとしても、本願商標が商品の品質又は役務の質を表示するものであるとすることの妨げにはならないものである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2009-09-07 
結審通知日 2009-09-08 
審決日 2009-09-28 
出願番号 商願2007-84724(T2007-84724) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X031144)
T 1 8・ 272- Z (X031144)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 前山 るり子井出 英一郎 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 小畑 恵一
平澤 芳行
商標の称呼 プラチナイオン、プラチナ、イオン、アイオオエヌ 
代理人 柏原 三枝子 

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