• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
取消2008301500 審決 商標
取消200131465 審決 商標
審判199830769 審決 商標
取消2010300497 審決 商標
取消200231374 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 101
管理番号 1206640 
審判番号 取消2008-301502 
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-12-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2008-12-03 
確定日 2009-10-15 
事件の表示 上記当事者間の登録第1298676号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第1298676号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「ACCELERASE」の欧文字と「アクセラーゼ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、第1類「脱臭剤、防臭剤、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和48年4月24日登録出願、同52年9月12日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。また、指定商品については、平成19年6月27日に指定商品の書換登録がなされ、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」となったものである。
また、本件審判の請求の登録日は、平成20年12月19日である。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の指定商品中『化学品』についての登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第8号証を提出した。
1 請求の理由
(1)本件商標の商標権者である被請求人は、正当な理由がないにもかかわらず、本件商標を、継続して3年以上、日本国内において、第1類の「化学品」(以下「本件取消対象商品」という)について使用していないものである(本件商標の商標権者が本件商標を「薬剤」に使用している形跡はあるものの、本件取消対象商品については使用していない)。
本件商標の商標登録原簿(甲第1号証)を見れば明らかなとおり、本件商標には専用使用権の設定登録はなく、専用使用権者は存在していないため、専用使用権者による本件商標の使用は問題外である。
また、これも本件商標の商標登録原簿(甲第1号証)を見れば明らかなとおり、本件商標には通常使用権の設定登録もなく、登録された通常使用権者は存在していないため、登録された通常使用権者による本件商標の使用も問題外である。
登録されていない通常使用権者も存在していない様子であるが、仮に登録されていない通常使用権者が存在していると仮定しても、登録されていない通常使用権者は、正当な理由がないにもかかわらず、本件商標を、継続して3年以上、日本国内において、本件取消対象商品について使用していないものである。
(2)よって、商標法第50条の規定により、本件商標の指定商品中、本件取消対象商品については、その登録を取り消されて然るべきである。
2 答弁に対する弁駁
本件取消審判についての争点は、「本件商標『ACCELERASE/アクセラーゼ』と使用商標『アクセラーゼ』(以下「本件使用商標」という。)とでは、社会通念上同一視される商標であるのか」という点と「被請求人が本件使用商標を付して製造・販売している『浄化槽用し尿分解促進剤』または『浄化槽用し尿分解剤』なる商品(以下「本件使用商品」という)は国際分類第1類の『化学品』なのか」という点である。以下、後者を先にし、前者を後にして論じることとする。
(1)本件商標の使用商品「浄化槽用し尿分解剤」等について
ア 国際分類第5類の「薬剤」と国際分類第1類の「化学品」について
請求人は、すでに、審判請求書において、「・・・本件商標の商標権者が本件商標を『薬剤』に使用している形跡はある・・・」と申し述べているが、被請求人が本件使用商標を本件使用商品に使用していることについては、請求人は、審判請求前にすでに確認済であり、本件使用商品が商標法上はいったい何類の何の商品に該当するのかを検討した結果、本件使用商品は国際分類第5類の「薬剤」であって国際分類第1類の「化学品」ではないことを確認した上で、本件審判請求を行なったものである。
以下、本件使用商品が国際分類第5類の「薬剤」であり国際分類第1類の「化学品」ではないことの説明を述べる。
まず、国際分類の区分として、国際分類第1類の商品は、「工業用、科学用、写真用、農業用、園芸用及び林業用の化学品・・・食品保存用化学剤・・・」であり「・・・第1類には、主として、工業用、科学用及び農業用の化学品(他の類に属する商品の製造に用いられるものを含む。)を含む。・・・この類には、特に、次の商品を含まない。・・・医学用化学品(第5類)・・・殺菌剤・・・(第5類)・・・」となっている(甲第2号証)。
他方、国際分類第5類の商品は、「・・・薬剤及び獣医科用剤・・・医療用の衛生剤・・・消毒剤・・・殺菌剤・・・」であり「・・・第5類には、主として、薬剤及び他の医療用剤を含む。この類には、特に、次の商品を含む。家庭用衛生剤(化粧品を除く。)防臭剤(身体用のものを除く。)・・・」となっている(甲第2号証)。
これを受けて、商標登録の先例では、「工業用の消臭剤」、「工業用の防臭剤」、「工業用の脱臭剤」については、国際分類第1類の「化学品」とされているが、他方、「消臭剤(工業用及び身体用のものを除く)」、「防臭剤(工業用及び身体用のものを除く)」、「脱臭剤(工業用及び身体用のものを除く)」、「家庭用脱臭剤」、「脱臭剤(工業用のものを除く)」については、国際分類第5類の「薬剤」とされており、商品の区分を異にしている(甲第3号証ないし甲第5号証)。
なお、ここでいう「工業用の消臭剤・防臭剤・脱臭剤」とは、例えば、工場内で、金属を溶接するときに生じる溶接金属棒が溶解する臭い、高速回転機械の軸・歯車に注入され回転に伴なって気化した機械油の臭い、化学製品の製造過程において生じる酸などの反応から生じる臭い、化学製品の製造過程において生じたアルカリなどを含む廃液の臭い、といったものについては、そのまま外部に放出すれば悪臭公害となってしまうため、消臭・防臭・脱臭してから外部に排出することとなるが、そのために用いられる類の「消臭剤・防臭剤・脱臭剤」が「工業用の消臭剤・防臭剤・脱臭剤」である。
イ 被請求人提出の乙各号証に係る本件使用商品について
「悪臭の発生防止に」(乙第1号証の表紙)、「悪臭公害を防ぎ」(乙第1号証の2頁目)、「悪臭問題・・・がおこりません。」(乙第1号証の3頁目)、「悪臭防止」(乙第1号証の4頁目)、「(悪臭問題・・・がおこりません)」、「機能悪化時(悪臭・・・)の回復剤として・・・」(いずれも乙第2号証のパッケージの裏の記載)、「悪臭問題・・・がおこりません」、「機能悪化時(悪臭・・・)の回復剤として」(いずれも甲第6号証)という記載からして、本件使用商品は「消臭剤・防臭剤・脱臭剤」の類の商品であることが判明する。
ちなみに、本件商標の登録時においては、指定商品は「脱臭剤、防臭剤、その他本類に属する商品」となっており(甲第1号証)、被請求人が長年に亘り製造・販売してきている本件使用商品が「脱臭剤、防臭剤」の類の商品であることは、被請求人自身熟知していると解される。
ところで、本件使用商品が、工業用であるか、家庭用であるか、の問題であるが、以下(ア)ないし(オ)のとおりである。
(ア)本件使用商品は、インターネットの楽天市場でも販売されていて、一般消費者向けに販売されていることからして家庭用である(甲第6号証。工業用のものであれば、メーカーと当該商品を必要とする工場等を有している会社とが直接に取引をするので、インターネットの市場で販売されることはありえない)。
(イ)分量も、1箱の内容量は500グラムであり、少量であることからして家庭用である(乙第2号証、乙第3号証の1ないし乙第3号証の7、甲第6号証。工業用のものであれば、キログラム単位やトン単位で販売されている筈である)。
(ウ)価格も、メーカーである被請求人の卸売の価格で1箱500円から900円(乙第3号証の1ないし乙第3号証の7の請求書に記載の金額から計算)であり、小売価格で1箱2100円(消費税込。甲第6号証)であることからして家庭用である(工業用のものであれば、数万円とか十数万円の単位で売買されている筈であって、このような安価にはならない筈である)。
(エ)本件使用商品の使用方法の図(甲第6号証)に「マンホール(汲み取り口)」との記載があるとおり、本件使用商品「浄化槽用し尿分解促進剤」又は「浄化槽用し尿分解剤」とは、家庭の「汲み取り式便所」の「大便・小便を溜める浄化槽」用の「脱臭剤、防臭剤」の類の商品であって、家庭用である(工業用のものであれば、本件使用商品の使用方法の図(甲第6号証)には、「トイレ・台所・風呂場」といった「家庭の図」が描かれている筈はない)。
(オ)本件使用商品の使用法として「1人槽当り・・・」との記載があり(乙第2号証のパッケージの裏の記載、甲第6号証)、小口の使用を前提にしていて、家庭用である(工業用のものであれば、もっと大規模の使用であり、例えば「50人槽当り」とか「100人槽当り」といった記載になる筈である)。
ウ 本件使用商品が国際分類第5類の「薬剤」であることについて
(ア)本件使用商品は、「微生物がはたらく」(乙第1号証の表紙)、「配合微生物により・・・」(乙第1号証の2頁目)、「・・・微生物剤です」(乙第2号証のパッケージの裏の記載)、「活性微生物の働きにより・・・」(甲第6号証)との記載からして「微生物を利用したし尿処理用脱臭剤・防臭剤」であるところ、商標登録の先例によると、「微生物を利用した脱臭剤(工業用のものを除く。)」は、第5類の「薬剤」とされており(甲第5号証)、また、「し尿処理用防臭剤」は、第5類の「薬剤」とされていること(甲第7号証)からすれば、本件使用商品「微生物を利用したし尿処理用脱臭剤・防臭剤」は、第5類の「薬剤」となる。
(イ)本件商標は昭和34年法のもとで登録になった登録商標であるところ、昭和34年法第1類の「薬剤」の中に「公衆衛生用薬剤」というカテゴリーが存在し(甲第8号証)、「し尿処理」を用途とする本件使用商品は、当該カテゴリーに含まれる商品であると判断され、昭和34年法第1類「薬剤」を国際分類に引き直せば、国際分類第1類の「植物成長調整剤類」と国際分類第5類の「薬剤」とに分かれ、「公衆衛生用薬剤」は国際分類第5類の「薬剤」に該当する(決して国際分類第1類の「化学品」とはならない)。
(ウ)本件使用商品の効能を示す写真(甲第6号証)の解説文に「薬剤無添加時に比べ・・・」とあり、また、本件使用商品の使用方法の図(甲第6号証)にも「薬剤」と記載してあって「マンホール(汲み取り口)」に投入するように矢印が記載されている上、本件使用商品の使用上の注意(乙第2号証のパッケージの裏の記載、甲第6号証)にも「他の薬剤・・・と使用しない・・・」と記載されていることからして、被請求人の認識も、本件使用商品は「薬剤」である。
上記(ア)ないし(ウ)からして、本件使用商品は、明らかに国際分類第5類の「薬剤」に該当する商品「家庭用脱臭剤・防臭剤」であって、国際分類第1類の「化学品」の商品ではないと断定できる。
エ まとめ
上述のとおり、本件使用商品は、国際分類第5類の「薬剤」であり、本件審判請求の取消請求対象の指定商品は国際分類第1類「化学品」であるから、被請求人が「薬剤」について使用を証明したところで国際分類第1類「化学品」についての登録の取消を免れられるわけではない。
(2)本件商標「ACCELERASE/アクセラーゼ」と本件使用商標「アクセラーゼ」とが社会通念上同一視される商標であるのか否かについて
本件商標は、上段に欧文字の大文字にて「ACCELERASE」と記載し、下段にカタカナ文字にて「アクセラーゼ」と記載した2段併記の態様の商標であり、いずれも無意味の造語であるところ、上段から生じる自然な称呼は「アクセレラーゼ」又は「アクセレラーセ」である。
もしも上段の欧文字表記が「ACCERASE」であったならば、その自然な称呼は「アクセラーゼ」又は「アクセラーセ」であり、それならば、使用商標が「アクセラーゼ」のみであっても社会通念上同一視される標章と言えるであろうが、現実には、欧文字表記中には「LE」が存在しているのである。
よって、本件商標の使用であると社会通念上同一視されるためには、「アクセラーゼ」の使用だけではなく、これに加えて、「ACCELERASE」、「アクセレラーゼ」又は「アクセレラーゼ」のいずれかの使用も行なっていなければならないものであるところ、被請求人が証拠を提出して使用しているとしているのは「アクセラーゼ」のみであるから、これでは社会通念上同一視される標章を使用している、とはならない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。なお、枝番号をまとめて引用するときは枝番号を省略する。)を提出した。
(1)被請求人(商標権者)は、以下に示す各証拠資料(乙各号証)の如く、本件商標と社会通念上同一視される商標を、指定商品中の本件取消対象商品である「化学品」について、本件審判請求前3年以上継続して日本国内において使用しており、現在も継続して使用している。
すなわち、乙第1号証は、商標権者が「浄化槽用し尿分解促進剤」の販売のために使用・頒布しているパンフレットである。これには明確に「アクセラーゼ」の文字が表記されている。
乙第2号証は、商標権者が販売・納入している「浄化槽用し尿分解剤」の写真であって、商品を包装袋に封入した状態で包装箱に収納されており、これを梱包用段ボール箱に収納・梱包して顧客(商社・問屋など)に販売・納品(納入)しているのである。これら包装箱及び梱包用段ボール箱には明確に「アクセラーゼ」の文字が表記されている。
乙第1号証及び乙第2号証においては、「浄化槽用し尿分解促進剤」及び「浄化槽用し尿分解剤」と表記は異なっているが、配合されている微生物のはたらきによって、し尿を処理・機能を発揮させる微生物剤で実質的に同一の化学剤である。
これらの乙第1号証及び乙第2号証に表記されている「アクセラーゼ」の文字は、本件商標と社会通念上同一視される商標であると思料する。
よって、本件取消対象商品である「化学品」について使用していることは明らかである。
なお、乙第3号証は、顧客に対して商品を納入した際の納品書及び請求書のコピーであり、これらにも「アクセラーゼ」の文字が表記されている。多数ある顧客及び多期間にわたる取引の内から、本件審判の請求の登録前3年以内のものから無作為に抽出した数点を提出するものであり、商品取引は、これらに限定されるものではない。
そうとすれば、本件商標は、その登録を取消される理由がないものと確信する。
(2)以上述べたとおり、本件商標は、その指定商品中「化学品」に属する「浄化槽用し尿分解促進剤」について、被請求人によって、本件審判の予告登録日前3年以内に使用されていたことが明白であるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取消されるべきでない。

第4 当審の判断
1 乙第1号証ないし乙第3号証及び甲第6号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)共通する記載内容
ア 乙第1号証ないし乙第3号証には、本件商標の権利者の住所「東京都足立区江北2丁目8番6号」及び名称「無臭元工業株式会社」の記載がある。
甲第6号証には、「製造元 無臭元工業株式会社」の記載がある。
イ 乙第1号証、乙第2号証及び甲第6号証には、本件使用商品「浄化槽用し尿分解促進剤」及び「浄化槽用し尿分解剤」に本件商標を構成する「アクセラーゼ」の文字が使用されている。
(2)乙第1号証について
乙第1号証は、本件使用商品「アクセラーゼ」のパンフレットであるが、本件使用商品の働き、使用法、使い方が、次のように記載されていることが認められる。
ア 「アクセラーゼのはたらき」の項には、「“アクセラーゼ”は、浄化槽の機能を100%発揮させる微生物剤です。」「通常の維持管理剤として----悪臭問題・放流水悪化がおこりません。」の記載がある。
イ 「アクセラーゼの使用法」の項には、「新設・清掃時 1人槽当り50gを腐敗槽に4、酸化槽に1の割合で散布してください。」「通常の維持管理 3ヶ月に1回1人槽当り50gを便器又は腐敗槽へ投入してください。」「機能悪化時 直ちに1人槽当り100gを腐敗槽上部マンホールより投入してください。機能回復時まで毎月1回、上記量を継続使用してください。(腐敗槽上部に固まりがある時は、くだいてから投入してください)」「曝気型浄化槽 月1回、1人槽当り25gを便器より投入してください。機能悪化時は1人槽当り50gを投入してください。」の記載がある。
ウ 「浄化槽の使い方」の項には、「放流水は必ず殺菌消毒してから流してください。(固形消毒剤が便利です)」「力及びハエの発生防止に心がけてください。(蒸散殺虫剤が便利です)」「放流水の水質基準」「し尿単独処理の場合 放流水の水質基準(BOD)90ppm以下」「合併処理の場合 放流水の水質基準(BOD)60ppm以下」「放流先が、山間へき地又は、外海であるとき 放流水の水質基準(BOD)120ppm以下」の記載がある。
エ 「アクセラーゼはこんなところにはたらきます」の項には、「基準型(角形) 全曝気式(活性汚泥方式) 低床式(丸形) 分離曝気式(活性汚泥方式) 単純曝気式 蒸発散式」の記載がある。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は、「アクセラーゼ」の納品書及び請求書であるが、販売商品の規格、数量、単価、金額等が、次のように記載されていることが認められる。
ア 「三興商事(株)大垣営業所御中」「商品名 アクセラーゼ」「規格500g×20個」「数量 3.00ケース」「単価 14,000.00」「金額 42,000」「納品日 2008/01/15」「2008/01/11(納品書の伝票日付)」(乙第3号証の6(1枚目))の記載がある。
イ 「三興商事(株)本社御中」「商品名 アクセラーゼ」「伝票日付 2008/01/11」「規格 500g×20個」「数量 3.00ケース」「単価 14,000.00」「金額 42,000」「請求書2008年01月31日 締切分」(乙第3号証の6(2枚目))の記載がある。
ウ 「(有)イデアル御中」「商品名 アクセラーゼ」「規格500g×20個」「数量 10.00ケース」「単価 16,000.00」「金額 160,000」「納品日 2008/03/06」「2008/03/05(納品書の伝票日付)」(乙第3号証の7(1枚目))の記載がある。
エ 「(有)イデアル御中」「商品名 アクセラーゼ」「伝票日付 2008/03/05」「規格500g×20個」「数量 10.00ケース」「単価 16,000.00円」「金額 160,000」「請求書2008年03月31日 締切分」(乙第3号証の7(2枚目))の記載がある。
(4)甲第6号証について
甲第6号証は、楽天の「アクセラーゼ」のネットショッピングの画面写しであるが、価格、使用上の注意が、次のように記載されている。
ア 「浄化槽用し尿分解促進剤 アクセラーゼ」の見出しで、「価格2,000円(税込2,100円)送料別」「品名 アクセラーゼ」「内容量 500g」「用途 浄化槽用し尿分解促進剤」「製造元 無臭元工業株式会社」の記載がある。
イ 「使用上の注意」の項には、「・食べられません」「・子供の手の届かないところに保管してください。」「・用途以外に使用しないでください。」「・他の薬剤、洗浄剤と使用しないで下さい。」「・直射日光、高温多湿を避けて保管してください。」「・衣類に付くと、着色することがあります。」「・皮膚に付いたり、目に入った場合は多量の水で洗い流し、異常があれば、医師の診察を受けてください。」「・飲み込んだ場合は、医師の診察を受けてください。」の記載がある。
ウ その他
乙第1号証と同様に「アクセラーゼのはたらき」「使用方法」等の記載がある。
2 本件使用商品が、第1類「化学品」又は第5類「薬剤」に属するか否かについて
(1)商標法上の商品の分類について
商標法上の商品の分類については、特許庁商標課編「商品及び役務区分解説〔国際分類第9版対応〕」(2007年11月30日発行)によれば、商品区分第1類「化学品」及び第5類「薬剤」については、次のように記載されている。
ア 第1類「化学品」について、【注釈】の項には、「この類には、主として、工業用、科学用及び農業用の化学品(他の類に属する商品の製造に用いられるものを含む。)を含む。」との記載がある。そして、【解釈】の項には、「化学品 この概念には、一般に“無機工業薬品”“有機工業薬品”“界面活性剤”と呼ばれる商品及び化学的製品を用途的にとらえた“化学剤”の大部分が含まれる。」、「<化学剤> この概念には、主として化学的製品を用途的にとらえたものが含まれる。」との記載がある。
イ 第5類「薬剤」について、【注釈】の項には、「この類には、主として、薬剤及び他の医療用剤を含む。」との記載がある。
そして、【解釈】の項には、
「 薬剤 この概念には、次のものが含まれる。
(1)薬事法(昭和35年法律第145号)の規定に基づく“医薬品”の大部分
“医薬品”とは、次に掲げるものをいう。
1)日本薬局方に収められている物
2)人又は動物の疾病の診断、治療は又は予防に使用されることが目的とされている物であって、器具器械(歯科材料、医療用品及び衛生用品を含む。以下同じ。)でないもの(医薬部外品を除く。)
3)人又は動物の身体的の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、器具器械でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く。)
(2)同法にいう“医薬部外品”の一部
(省略)
(3)農薬(薬事法にいう“医薬品”には含まれない。)の大部分
(省略) 」、
「 <蚊取線香 乃至 防腐剤> 『殺菌剤』:水稲殺菌、園芸殺菌等の農業用に使用される殺菌剤及び水道殺菌、衣料殺菌、器具殺菌等、公衆衛生を目的として用いられる殺菌剤である。」との記載がある。
(2)本件使用商品と第1類「化学品」について
ア 本件使用商品は、前記1で認定した事実からすると、活性微生物を利用して、浄化槽のし尿を分解することにより、水質を改善し、BOD(Biochemical oxygen demand:生物化学的酸素要求量)を基準値以下にすることを主たる目的、用途とする商品である。
そして、その補助的な効果として「悪臭の除去」(消臭)の効果が得られる商品とみることができる。
し尿浄化槽には、スカム(浄化槽の腐敗槽などで発生するガスによってできる分厚い層のようなものであり、細菌、大腸菌、尿素分解菌、懸濁物質、繊維質、油脂質、炭酸ガスが浮遊物とともに浮上して、気泡がスポンジ質の厚い膜状になったもの。以上、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)が発生して、し尿の浄化機能は低下する。
本件使用商品は、このスカムを活性微生物により分解処理するための「し尿分解剤」、「し尿分解促進剤」と認められるものである。
また、本件使用商品は、例えば「消臭剤・防臭剤・脱臭剤の類」である「微生物を利用したし尿処理用脱臭剤・防臭剤」とは、用途を異にするものであって、たとい、一般の需要者に販売されるものであるとしても、該商品は、し尿浄化槽の大きさに応じて使用量を加減することによって、家庭用に使用が限定されるものではなく、し尿の処理方式の異なるし尿処理槽に使用でき、また、放流するためのBOD基準値は家庭用し尿処理槽であっても同じであるから、「工業用のし尿処理剤」とその成分、用途、用法が全く異なるということはできない。
そうとすれば、本件使用商品は、その原材料、成分が明らかでないが、微生物を利用した、化学的成分の物質により、化学的にし尿を分解する化学剤とみるのが相当である。
してみれば、本件使用商品は、第1類「化学品」の範ちゅうの「化学剤」に属するものということができる。
イ これまでに商標登録され、公表された第1類の指定商品には、例えば、次のように本件使用商品の表示と近似する表示のものが認められる。
(ア)登録第1502174号商標は、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和53年6月15日登録出願、同57年2月26日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。また、指定商品については、平成16年6月30日に指定商品の書換登録がなされ、第1類「し尿浄化促進剤、その他の化学品、のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)、植物成長調整剤類」及び第2類ないし第5類の商標登録原簿に記載の指定商品となったものである。
(イ)登録第4408281号商標は、第1類「排水・汚水の浄化・消臭用の微生物応用処理剤、消臭用の微生物応用処理剤、その他の化学品」を指定商品として、平成11年7月30日に登録出願、同12年8月11日に設定登録されたものである。
(ウ)登録第4411275号商標は、第1類「汚水浄化用微生物配合液剤」を指定商品として、平成11年6月16日に登録出願、同12年8月25日に設定登録されたものである。
(エ)登録第4670807号商標は、第1類「微生物を利用した工業用消臭剤、微生物を利用した水質浄化剤、微生物を利用した悪臭除去剤、その他の化学品」を指定商品として、平成14年2月21日に登録出願、同15年5月16日に設定登録されたものである。
(オ)登録第5110725号商標は、第1類「微生物を利用した廃水処理において用いられる微生物活性化剤、微生物を利用した水質浄化剤」を指定商品として、平成19年8月22日に登録出願、同20年2月8日に設定登録されたものである。
(3)本件使用商品と第5類「薬剤」について
医薬品等に関して、薬事法第50条及び第59条においては、「医薬品」及び「医薬部外品」には、記載しなければならない事項が定められている。
それは、医薬品の直接の容器又は直接の被包に、例えば、「名称(日本薬局方に収められている医薬品にあっては日本薬局方において定められた名称、その他の医薬品で一般的名称があるものにあってはその一般的名称)」、「日本薬局方に収められていない医薬品にあっては、その有効成分の名称(一般的名称があるものにあっては、その一般的名称)及びその分量(有効成分が不明のものにあっては、その本質及び製造方法の要旨)」等を記載すること、そして、医薬部外品の直接の容器又は直接の被包に、例えば、「医薬部外品」の文字、名称(一般的名称があるものにあっては、その一般的名称)等を記載することが義務づけられている。
これを本件使用商品についてみるに、前記1で認定した事実によれば、本件使用商品の包装容器等(乙第1号証ないし乙第2号証及び甲第6号証)には医薬品、医薬部外品であると認められる記載は見当たらない。
また、第5類「薬剤」が「農薬(薬事法にいう“医薬品”には含まれない。)の大部分」を含むものであるとしても、本件使用商品は、微生物を利用して、し尿を分解処理するための商品であって、第5類に属する「殺菌剤、殺そ剤、殺虫剤、防臭剤(身体用のものを除く。)」とは、その主たる用途、使用する場所を異にするから、農業用薬剤又は公衆衛生用薬剤(公衆衛生を目的として用いられる殺菌剤)の範ちゅうに属するものとはいえない。
3 商品の二面性について
商標法における商品の区分の二面性については、以下のとおりである。
「しかしながら、もともと、旧商標法における商品類別ないし現行商標法における商品区分は、市場で流通する膨大な種類の商品を、商標登録出願に際しての出願人の便宜及び審査の便宜を図るという行政的見地から分類したものであり、もとより、いずれの分類に属するか判断の極めて困難な商品も存する(現行の商標法施行規則第3条の別表のいわゆる小分類に掲げる商品は例示であり、当然、右小分類のいずれにも属しない商品もありうるし、例えば同別表第一類化学品中の「硫酸アンモニウム」と第二類肥料中の「硫安」のように、実質的に同じ商品でありながら、用途の違いにより二つの商品区分に挙げられているものもある。)のみならず、時代の推移とともに右分類のなされた当時には存在しなかつた種類の商品が出現することは見易い道理であり、右分類自体、現実の流通市場の実態に合わせるべく改定されてきたところであること等に鑑みれば、右分類のいずれか一つに属するとは決し難い商品が出現した場合、不使用取消審判の場で、商品は常にいずれか一つの分類に属すべきものであつて、二つの分類に属することはありえないとするのは相当でなく、登録商標の使用されている当該商品の実質に則して、それが真に二つの分類に属する二面性を有する商品であれば、当該二つの分類に属する商品について登録商標が使用されているものと扱つて差支えないというべきであり、このように解しても、前記のような商品類別ないし商品区分の趣旨に反することにはならない。」(東京高等裁判所昭和57年(行ケ)第67号事件昭和60年5月14日判決参照)。
これを本件使用商品についてみると、本件使用商品は、家庭用し尿浄化槽で使用される「し尿分解剤」、「し尿分解促進剤」であって、悪臭防止の効果があり、ネット上で、一般の消費者が容易に購入でき、そして、その取り扱いも簡単なものと認められる。
そうとすれば、仮に、本件使用商品が、「ニース協定に基づく商品・サービスの国際分類[第8版]」の「類見出し及び注釈」の項に、「第5類『防臭剤(身体用のものを除く。)』」(甲第2号証)の範躊に属するものとしても、本件使用商品を、第1類「化学品」の範ちゅうの「化学剤」に属するものと認めても差し支えないということができる。
4 前記1ないし3で認定した事実を総合すると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内である2008年(平成20年)1月ころから継続して、本件使用商品を販売していたと認められるところであり、本件使用商品は、化学剤である「し尿分解剤」、「し尿分解促進剤」と認められるものであるから、本件請求に係る「化学品」の範躊に属する商品と認められる。
5 本件使用商標が登録商標としての使用であるか否かについて
本件使用商標が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるか否かについてみるに、前記認定のとおり、本件商標は、「ACCELERASE」の欧文字と「アクセラーゼ」の片仮名文字を上下二段に書してなるから、片仮名文字部分から「アクセラーゼ」の称呼が生じ、構成中の語頭の欧文字「ACCELER」の文字部分は、英語「accelerant(アクセラント)」(促進する人[物])の発音に倣い、同じく構成中末尾の欧文字「ASE」の文字部分は、加水分解酵素「アミラーゼ(amylase)」の発音に照らして、全体として「アクセラーゼ」の称呼を生ずると判断するのが相当である。
したがって、本件商標と本件使用商標とは、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって、同一の称呼を生ずる商標というべきであるから、社会通念上同一の商標と認められる。
6 むすび
以上のとおり、被請求人は、請求に係る指定商品中の第1類「化学品」に属する「し尿分解剤」又は「し尿分解促進剤」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたことを証明したと認め得るところである。
したがって、本件商標の指定商品中の第1類「化学品」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
別掲 別掲
(本件商標)



審理終結日 2009-05-20 
結審通知日 2009-05-25 
審決日 2009-06-05 
出願番号 商願昭48-67029 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (101)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 井出 英一郎
小畑 恵一
登録日 1977-09-12 
登録番号 商標登録第1298676号(T1298676) 
商標の称呼 アクセラーゼ、アクセレラーゼ 
代理人 堀内 香菜子 
代理人 吉村 悟 
代理人 細井 貞行 
代理人 小橋 立昌 
代理人 吉村 仁 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ