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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y09 審判 査定不服 外観類似 登録しない Y09 |
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管理番号 | 1205219 |
審判番号 | 不服2008-3059 |
総通号数 | 119 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-11-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-02-08 |
確定日 | 2009-10-02 |
事件の表示 | 商願2006-105685拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「CIS Suspension」の欧文字を横書きしてなり、第9類「配線付きディスクドライブ用サスペンション」を指定商品として、平成18年11月14日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、原審における平成19年11月13日付け手続補正書により、第9類「配線付きハードディスクドライブ用サスペンション」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第4944086号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成17年9月12日に登録出願され、第9類「ビデオカメラ・その他の電気通信機械器具,ビデオカメラを用いた遠隔監視装置,監視ビデオカメラを操作するためのコンピュータ用プログラムを記憶させた記録媒体・その他の電子応用機械器具及びその部品,工業用内視鏡及びその部品並びに附属品」を指定商品として、平成18年4月14日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 本願商標は、上記1のとおり、「CIS Suspension」の文字よりなるところ、該文字は、全体として特定の意味合いを有する成語として知られているものではなく、これを常に一体不可分のものとして把握しなければならないとする格別の事由も認められないものである。 しかして、本願商標の構成中、後半部の「Suspension」の文字は、本願の指定商品(ハードディスクドライブ等)を取り扱う業界においては、「ハードディスクの磁気ヘッド用のサスペンション」を指称する語として普通に使用されている実情があり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない文字部分と認め得るものである。 そうとすれば、本願商標において、自他商品の識別標識としての機能を果たす文字部分は、語頭部の「CIS」の文字部分であり、これより「シイアイエス」の称呼をもって商取引に資される場合も決して少なくないとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、その構成文字全体から生ずる「シイアイエスサスペンション」の称呼のほか、自他商品の識別機能としての機能を果たす「CIS」の文字部分を捉えて、これより、単に「シイアイエス」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。 他方、引用商標は、別掲のとおり、ややデザイン化された「CiS」の文字よりなるものであるところ、その構成文字は、普通に用いられる域を脱しない程度の方法で書してなるものであって、無理なく「CiS」の文字を認識できものであるから、該文字に相応して「シイアイエス」の称呼を生ずるものである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において差異が認められるとしても、それぞれより生ずる「シイアイエス」の称呼を共通にする類似の商標であり、また、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。 なお、請求人は、過去の判決例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨を主張しているが、これらの判決例は、本願とは事案を異にするものであるから、必ずしも本件に適切なものとはいえないものである。 さらに、請求人は、「本願の指定商品は、本願の出願人の特許製品であり、他社が取引できるものではなく、本願の出願人が独占して企業と直接取引しているので、本願商標と引用商標は、誤認混同が生ずることはない。」旨主張している。 しかしながら、商標の類否判断にあたって考慮すべき取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なそれをさすものであって、単に該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的・限定的なそれを指すものではない(最高裁 昭和47年(行ツ)第33号判決参照)と解すべきであるから、現時点における商標の具体的使用態様等の将来変動する可能性もある個別事情は、商標の類否判断に当たって必ずしも重視することを要しないというべきである。 これを本願の指定商品についてみると、本願の指定商品は、引用商標にかかる指定商品に含まれるものであり、また、請求人の主張する特許製品による取引の特殊性についても、特許権消滅後は何人にも実施が予定されているものであって、将来変動し得るものであるから、引用商標が使用されたときに、本願商標との間に、商品の出所について混同を生ずるおそれがあることを否定することはできないというべきである。 よって、これらの点に関する請求人の主張は採用することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(引用商標) |
審理終結日 | 2009-08-07 |
結審通知日 | 2009-08-10 |
審決日 | 2009-08-21 |
出願番号 | 商願2006-105685(T2006-105685) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(Y09)
T 1 8・ 261- Z (Y09) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大塚 正俊、薩摩 純一、馬場 秀敏 |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
久我 敬史 豊瀬 京太郎 |
商標の称呼 | シスサスペンション、シイアイエスサスペンション、シス、シイアイエス |
代理人 | 清水 定信 |