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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X3543
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X3543
管理番号 1205217 
審判番号 不服2008-32684 
総通号数 119 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-12-25 
確定日 2009-10-01 
事件の表示 商願2007-93911拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおり「お好み焼」及び「本舗」の文字を上下二段に表してなり、第29類、第30類、第35類及び第43類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年9月3日に登録出願されたものである。
その後、指定商品及び指定役務については、原審の同20年5月7日付け及び当審の同年12月25日付け提出の手続補正書によって、最終的に第35類「広告,フランチャイズシステムに基づく経営の診断及び指導,フランチャイズ事業の管理,フランチャイズ事業の管理に関する情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,広告用具の貸与,求人情報の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施設の貸与」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『お好み焼』『本舗』の文字を二段に普通に用いられる方法で表示してなるところ、構成中『お好み焼』の文字は、『水で溶いた小麦粉に、桜えび・いか・肉・野菜など好みの材料を混ぜて、熱した鉄板の上で焼いて食べる食べ物。』の意味を有し、『本舗』の文字は、『ある商品を作って売り出しているおおもとの店。製造元。店名に添えて用いることも多い。』(大辞林 第二版 (三省堂))の意味を有することから、本願商標全体よりは『お好み焼を製造しているところ、お好み焼の販売場所、お好み焼を提供する店』程の意味合いを理解させる。そうとすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用したときは、これに接する取引者・需要者は、単に上記意味を認識するに止まり、自他商品(役務)の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記に照応する商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは、商品の品質、役務の質の誤認を生じるおそれがあり、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり「お好み焼」及び「本舗」の文字を上下二段に表してなるものであり、その構成中「お好み焼」の語は、「水で溶いた小麦粉に、桜えび・いか・肉・野菜など好みの材料を混ぜて、熱した鉄板の上で焼いて食べる食べ物。」を意味し、「本舗」の語は、「ある商品を作って売り出しているおおもとの店。製造元。」を意味する語である。
また、「本舗」の文字については、本願商標の指定役務中「飲食物の提供」との関係において、例えば別掲(2)のとおり、提供する商品名を冠して「○○○(商品名)本舗」と用いられている事実がある。
これらの事実からすれば、「お好み焼(商品名)」と「本舗」の文字からなる本願商標は、これをその指定役務中「飲食物の提供」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は当該文字を「お好み焼を提供する店」であることを表わしたもの、すなわち、役務の提供の場所及び役務の質を表わしたものと理解するにとどまるものと判断するのが相当であるから、本願商標は、自他役務の識別標識として機能を有するものとは認められず、かつ、お好み焼きを提供する店以外に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
ところで、請求人は、「原審で認定する『お好み焼を製造しているところ、お好み焼の販売場所、お好み焼を提供する店』程の意味合いを表す語としては、『お好み焼き屋』の語が実際に使用されている(甲第2号証)から、本願商標に接した需要者は、これを当該意味を暗示させる造語と認識すると考えるのが自然であり、審査においても同様の判断がなされていると類推される。」旨主張し、登録例を示している。(甲第3号証(枝番1ないし12)、甲第5号証(枝番1ないし7))
しかしながら、本願商標が、全体として「お好み焼きを提供する店」という役務の提供の場所及び役務の質を表したものと理解されるにとどまるものであることは前記のとおりである。また、請求人が示した登録例については、その多くが「商品」を指定したものであるか、商標の構成中に識別力を有する部分があるばかりでなく、それらの商標と本願商標とは構成態様を異にするものである。そして、商標が自他商品・役務の識別標識としての機能を有するか否かの判断は、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるものであるから、それらの登録例によって、本件の判断が拘束されるものではない。
さらに、請求人は、本願商標「お好み焼本舗」の使用実態について、インターネットの検索結果を示し、「そのほとんどが、出願人とそのフランチャイズ店のものであった(甲第4号証-1、2)から、本願商標は、その語の意味から自他商品・役務の識別力が認められるだけでなく、実際の使用実態から考えても自他商品・役務の識別力があるとみるのが商取引の実体に合っていて自然である。」旨主張する。
しかしながら、請求人の使用する標章は、本願商標の構成文字と他の構成要素からなるものであって、本願商標とはその態様が相違するものであるから、例え、それがある程度は知られているとしても、本願商標の構成のみで、取引者、需要者の間において請求人の業務を表示するものとして広く認識されているとまで認めることはできない。
そして、その他、本願商標が取引者、需要者の間において請求人の業務にかかる商品又は役務であることを認識できるに至っていると認め得る客観的かつ具体的な証拠(例えば、「売上高等営業規模を示す資料」等)は提出されていない。
よって、請求人の前記主張はいずれも採用できない。
なお、原査定においては、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶したものであるが、当審における判断は「本願商標は、『お好み焼きを提供する店』であることを表わすにすぎないものであって、自他商品・役務の識別標識としての機能を有するものではなく、同法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠く商標に該当する」という共通の結論にいたるものであって、その内容において、原査定と相違するものではないから、請求人は原審及び審判請求において、実質的に反論しているものと認められる。
したがって、原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲

(1) 本願商標



(2)「本舗」の文字が「○○○(商品名)+本舗」と用いられている例

1.「ぐるなび」神奈川版と称するホームページの「鹿児島産黒豚しゃぶしゃぶ本舗 まん 関内店」の項に「鹿児島産黒豚しゃぶしゃぶ本舗」との記載。(http://r.gnavi.co.jp/a114900/)
2.「ぐるなび」東京版と称するホームページの「ホルモン本舗 輪倶(RIN-KU) 浜松町駅前店」の項に「ホルモン本舗」との記載。(http://r.gnavi.co.jp/b839400/)
3.「ぐるなび」東京版と称するホームページの「おさかな本舗 たいこ茶屋」の項に「おさかな本舗」との記載。(http://r.gnavi.co.jp/g847100/)
4.「ぐるなび」東京版と称するホームページの「ぎょうざ本舗・中華 北京」の項に「ぎょうざ本舗」との記載。(http://r.gnavi.co.jp/g293400/)
5.「ぐるなび」埼玉版と称するホームページの「焼肉本舗 土門」の項に「焼肉本舗」との記載。(http://r.gnavi.co.jp/e407000/)
6.「焼肉本舗(谷九店)」と称するホームページに「焼肉本舗」との記載。(http://www.yakinikuhonpo.net/)
7.「ぐるなび」東京版と称するホームページの「ちゃんぽん本舗 池袋 長崎や」の項に「ちゃんぽん本舗」との記載。(http://r.gnavi.co.jp/p477200/)
8.「西屯田通りスープカレー本舗」と称するホームページに「スープカレー本舗」との記載。(http://sfc.n43.ne.jp/index.html)。
9.「ラーメン本舗。」と称するホームページに「ラーメン本舗」との記載。(http://homepage2.nifty.com/ra-menhonpo/)
10.「焼鳥本舗/サントリーグルメガイド」と称するホームページの「焼鳥本舗」の項に「焼鳥本舗」との記載。(http://gourmet.suntory.co.jp/shop/0112237677/index.html)
11.「北海道のジンギスカン あづまジンギスカン本舗の市原精肉店」と称するホームページに「あづま成吉思汗本舗」との記載。(http://azuma-j.net/index.html)
12.「食べログ(北海道)」と称するホームページの「岩見沢ジンギスカン本舗」の項に「岩見沢ジンギスカン本舗」との記載。(http://r.tabelog.com/hokkaido/A0107/A010708/1006999/)
13.「食べログ(東京)」と称するホームページの「東京ジンギスカン本舗 大森店 」の項に「東京ジンギスカン本舗」との記載。(http://r.tabelog.com/tokyo/A1315/A131502/13036248/)
14.「Nishi-Azabu.com」と称するホームページの「西麻布ジンギスカン本舗」の項に「西麻布ジンギスカン本舗」との記載。(http://www.nishi-azabu.com/S4256.html)
15.「Woman excite.ブログ」と称するホームページの「ほっとする手作りの味、肉まん本舗おかだママ」の項に「肉まん本舗おかだママ」との記載。(http://woman.excite.co.jp/gourmet/oishii/sid_37388/)




審理終結日 2009-08-03 
結審通知日 2009-08-04 
審決日 2009-08-17 
出願番号 商願2007-93911(T2007-93911) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X3543)
T 1 8・ 13- Z (X3543)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 信彦津金 純子 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 小畑 恵一
馬場 秀敏
商標の称呼 オコノミヤキホンポ 
代理人 山本 典弘 
代理人 鈴木 一永 
代理人 鈴木 正次 
代理人 涌井 謙一 

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