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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X06 審判 査定不服 外観類似 登録しない X06 |
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管理番号 | 1205129 |
審判番号 | 不服2008-14004 |
総通号数 | 119 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-11-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-06-05 |
確定日 | 2009-09-14 |
事件の表示 | 商願2007- 22122拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「セパ」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料、金属製荷役用パレット、荷役用ターンテーブル、荷役用トラバーサー、金属製人工魚礁、金属製養鶏用かご、金属製の吹付け塗装用ブース、金属製セメント製品製造用型枠、金属製の滑車・ばね及びバルブ(機械要素に当たるものを除く。)、金属製管継ぎ手、金属製フランジ、キー、コッタ、てんてつ機、金属製道路標識(発光式又は機械式のものを除く。)、金属製航路標識(発光式のものを除く。)、金属製貯蔵槽類、いかり、金属製ビット、金属製ボラード、金属製輸送用コンテナ、かな床、はちの巣、ワイヤロープ、金網、金属製包装用容器、金属製のネームプレート及び標札、犬用鎖、金属製のきゃたつ及びはしご、金属製郵便受け、金属製帽子掛けかぎ、金属製貯金箱、金属製家庭用水槽、金属製工具箱、金属製のタオル用ディスペンサー、金属製建具、金庫、金属製靴ぬぐいマット、金属製立て看板、金属製の可搬式家庭用温室、金属製の墓標及び墓碑用銘板、つえ用金属製石突き、アイゼン、カラビナ、ハーケン、金属製飛び込み台、拍車、金属製彫刻」を指定商品として、平成19年3月14日に登録出願され、その後、指定商品については、同20年1月8日付け手続補正書により、第6類「コンクリート型枠構築用金属製間隔保持具」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、本願の拒絶の理由に以下の(1)及び(2)の登録商標を引用し、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。 (1)登録第4272822号商標(以下「引用商標1」という。)は、「セパジョイント」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成9年9月5日登録出願、第6類「建築・構築専用金属製継手材」を指定商品として、同11年5月14日に設定登録され、その後、同21年5月19日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 (2)登録第4537506号商標(以下「引用商標2」という。)は、「セパ」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成12年6月19日登録出願、第6類「金属製ちょうばん」を指定商品として、同14年1月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標2との類否について 本願商標は、「セパ」の片仮名文字からなり、その構成文字に相応して、「セパ」の称呼が生ずるものであり、特定の意味合いを理解させるものではないから、造語と認められるものである。 一方、引用商標2は、前記2(2)のとおり、「セパ」の片仮名文字を横書きしてなるところ、その構成文字より「セパ」の称呼を生じ、特定の意味合いを想起させることのない造語と認められるものである。 そうすると、本願商標と引用商標2とは、ともに特定の観念を有さない造語であるから、比較できないものの、「セパ」の称呼を同じくするものであり、いずれも「セパ」の片仮名文字を標準文字で表してなるから、外観についても同じくするものと認められる。 したがって、本願商標と引用商標2とは、観念を比較できないとしても、外観、称呼を同じくする同一の商標といわなくてはならず、かつ、その指定商品も類似するものである。 (2)請求人の主張について 請求人(出願人)は、「引用商標2の商標権者の取り扱いに係る具体的な商品は『窓、戸、家具』等を用途とするもので、『建築用又は構築用』のものではない。そして、本願指定商品『コンクリート型枠構築用金属製間隔保持具』と引用商標2の指定商品『金属製ちょうばん』とは、生産者、販売者、取引経路、原材料、機能、用途等を全く相違するから、互いに抵触する関係にない。」旨主張する。 しかし、引用商標2の指定商品「金属製ちょうばん」について、「ちょうばん」の文字は、「ちょう(蝶)番 ちょうばん →丁番」、「丁番 ちょうばん フロントとテンプルをつなぐ開閉機能をもった部品」(「JIS工業用語大辞典 第5版」2001年3月30日 財団法人日本規格協会発行)、「ちょうばん 丁(蝶)番 (ちょうつがい)開戸・開窓・箱のふたなどを支え、その開閉をつかさどる金具。」(「建築用語辞典 第二版」1999年2月25日 技報堂出版株式会社発行)などのように、その漢字表記は「丁番」、「蝶番」等があるが、その読み方が異なるだけで、ちょうつがいと同じ意味を表す語である。そして、「商品大辞典」(1996年4月15日 東洋経済新報社発行)によれば、「丁番(ちょうつがい)」は、建築用金物の建具用金物の項に、「開き戸の開閉の軸として用い、建具の種類、重さ、使用場所などを考えて選ぶ。」と記載されており、また、産業上の諸統計の作成に使用されるほか、各企業、業界における商品コードの基準としても利用されている「日本標準商品分類(総務庁編集、財団法人全国統計協会連合会 平成8年9月第3版発行)」によれば、その序説に記載の如く、商品の用途、機能、材料、成因を基準として類似するものごとに集約し、中分類番号を基本コードとしているところ、「中分類?金属加工基礎製品」の中に「金物」として、「丁番」が記載され、本願の指定商品「コンクリート型枠構築用金属製保持具」は同一の表示は認められないまでも、「中分類?金属加工基礎製品」の中の「その他の建設用金属製品」の中に「コンクリート用わく板」等の商品があることから、「その他の建設用金属製品」に属する商品と認められる。 そうすると、商品「丁番」は、建築用金物の一つであり、引用商標2の指定商品「金属製ちょうばん」とは同じ概念の商品であって、その「丁番」と「コンクリート型枠構築用金属製保持具」は、同じ「金属加工基礎製品」の範ちゅうに属する商品であるといい得るものである。 ところで、「商標法第4条第1項第11号において、指定商品が相互に類似するか否かを判断するに当たっては、それぞれの商品の性質、用途、形状、原材料、生産過程、販売過程及び需要者の範囲など取引の実情、さらに、仮に、同号にいう『類似する商標』が、両商品に使用されたと想定した場合、これに接する取引者、需要者が、商品の出所について誤認混同を来すおそれがないか否かの観点を含めた一切の事情を総合考慮した結果を基準とすべきである。」(平成19年(行ケ)第10042号判決 平成19年9月26日判決言渡)とし、また、「指定商品が類似のものであるかどうかは・・・商品自体が取引上誤認混同の虞があるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認される虞があると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互いに誤認混同を生ずる虞がないものであっても、それらの商標は商標法・・・にいう類似の商品にあたると解するのが相当である。」(昭和33年(オ)第1104号判決 昭和36年6月27日判決言渡)、「両商品は互いに品質・形状・用途を異にするものであっても、それに同一または類似の商標を使用すれば同一営業主の製造または販売にかかる商品と誤認混同されるおそれがある場合には、これらの商品は、前記にいう類似の商品にあたると解すべきこと・・・は、すでに当裁判所の判例とするところである。(昭和39年(行ツ)第54号判決 昭和43年11月15日判決言渡)と判示されている。 これらの判示を踏まえて検討するに、本願商標の指定商品と引用商標2の指定商品とは、用途などにおいて同一とはいえないまでも、建築工事の際に使用される商品で、原材料は同じ金属製であるから、生産、販売部門も同じくする場合があり、両商品の需要者は、主に建築業者であるなどの共通性を有するものである。そうすると、両商品は、その原材料、生産部門、販売部門、需要者等を同じくする場合のある類似の商品と判断するのが相当であり、それぞれの商品の形状・用途は異にするものであるとしても、これらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあるものといわなくてはならない。 さらに、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標は登録されるべきで あるとも主張するが、該登録例は、商標の構成等において本願とは事案を異にするものであり、それらの登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切ではない。 したがって、上記、請求人のいずれの主張も採用することはできない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標と引用商標2とは、観念について比較できないとしても、外観、称呼において同一であり、両者の指定商品は類似するものであるから、本願商標とその余の引用商標との類否について判断するまでもなく、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当すると認められる。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-05-29 |
結審通知日 | 2009-06-19 |
審決日 | 2009-07-09 |
出願番号 | 商願2007-22122(T2007-22122) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(X06)
T 1 8・ 261- Z (X06) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 土井 敬子 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
末武 久佳 清川 恵子 |
商標の称呼 | セパ |
代理人 | 宮田 金雄 |