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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X2526353740 審判 全部申立て 登録を維持 X2526353740 審判 全部申立て 登録を維持 X2526353740 |
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管理番号 | 1203952 |
異議申立番号 | 異議2008-900416 |
総通号数 | 118 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-10-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-10-20 |
確定日 | 2009-09-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5153098号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5153098号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5153098号商標(以下「本件商標」という。)は、「あも」の平仮名文字を標準文字で表してなり、平成19年7月20日に登録出願、第25類、第26類、第35類、第37類及び第40類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年6月10日に登録査定、同年7月18日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標の取消理由に引用している商標は、次の2件の登録商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第561703号商標(以下「引用商標1」という。)は、「Amo」の欧文字を横書きしてなり、昭和34年10月13日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同35年12月10日に設定登録されたものであり、その後、商標登録の取消審判により、指定商品の一部について取り消すべき旨の審決がされ、平成9年1月21日にその確定審決の登録がされ、更に、平成14年7月10日に指定商品を、第24類「布製身の回り品」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,運動用特殊衣服,マラソン足袋,地下足袋」とする書換登録がされたものである。 (2)登録第4336646号商標(以下「引用商標2」という。)は、「AMO’S STYLE」の欧文字と「アモ スタイル」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成10年8月24日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年11月19日に設定登録されたものである。 (以下、一括していうときは「引用各商標」という。) 3 本件登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標及び引用商標1からは、ともに「アモ」の称呼を生ずる。 また、引用商標2の構成中、「STYLE/スタイル」の語は、「?風、?型」を表す語として第25類の指定商品の分野では識別力が極めて弱いため、引用商標2からも「アモ」の称呼が生じる。 したがって、本件商標と引用各商標とは称呼を同一にする類似の商標であり、本件商標の第25類の指定商品と引用各商標の指定商品とは抵触する。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人は、ドイツの女性用下着メーカーであり、世界140カ国に販売拠点、55力国に製造拠点を持ち、我が国においては、申立人の日本におけるグループ会社であるトリンプ・インターナショナル・ジャパン(以下「トリンプ・ジャパン」という。)が引用商標2に係る下着の販売を行っている。 トリンプ・ジャパンは、季節ごとに通信販売のカタログを販売し、有名タレントを起用した広告キャンペーンを行い、女性向け雑誌で宣伝・広告を行い、全国220以上の店舗で営業を継続した結果、引用商標2は、申立人及びトリンプ・ジャパンの営業に係る商品を表すものとして若い女性を中心とする需要者において周知となった(甲第6号証ないし甲第9号証)。 そして、本件商標と引用商標2とは、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり、本件商標の指定商品である「ずきん,すげがさ,げた,草履類」と引用商標が主として用いられている「下着」とは、ともに第25類に属する商品であり、販売部門や需要者の範囲が一致する可能性の高い商品である。 したがって、商標権者が本件商標をその指定商品に使用すれば、申立人の業務に係る商品であるかの如く誤認混同を生じるおそれが極めて大きい。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標は、前記のとおり、「あも」の文字よりなるものであるから、該構成文字に相応して、「アモ」の称呼を生ずるものであり、岩波書店発行の広辞苑(第6版)によれば、上代東国方言ではあるが「はは」の意味を有するものであることが認められる。 他方、引用商標1は、前記のとおり、「Amo」の文字よりなるものであるから、該構成文字に相応して「アモ」の称呼を生ずるものと認められる。 してみれば、本件商標と引用商標1とは、称呼を共通にする類似の商標ということができる。しかしながら、本件商標の指定商品である「ずきん,すげがさ,げた,草履類」等の商品と引用商標1の指定商品である「下着」を始めとする種々の商品とは、その生産部門、販売部門、流通経路、需要者等を異にするものであって、互いに非類似の商品というべきものである。 したがって、本件商標と引用商標1とは、称呼を共通にする類似の商標であることは認められるとしても、両者の指定商品は類似するものとは認められない。 イ また、引用商標2は、前記のとおり、「AMO’S STYLE」及び「アモ スタイル」の文字よりなるところ、構成各文字は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、その読みを特定したものと無理なく理解される、下段の片仮名文字部分から生ずる「アモスタイル」の称呼もよどみなく一気一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「STYLE/スタイル 」の語が「?風、?型」といった意味合いを表す場合があるとしても、かかる構成においては特定の商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語として認識し把握されるとみるのが自然であり、他に構成中の「AMO/アモ」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせない。 そうとすれば、引用商標2は、その構成文字全体に相応して「アモスタイル」の一連の称呼のみを生ずるものといわなければならない。 してみれば、本件商標と引用商標2とは、称呼において明らかな差異を有するばかりでなく、本件商標は平仮名文字からなるのに対して、引用商標2は欧文字と片仮名文字からなるものであるから、その外観においても判然とした差異を有するものである。また、本件商標からは「母」なる意味合いを想起させる場合があり得るのに対して、引用商標2は造語と認められるものであるから、観念の点においても紛れるおそれは認められない。 したがって、本件商標と引用商標2とは、互いの指定商品において同一又は類似する商品のあることは認められるとしても、商標において類似するものとはいえない。 ウ まとめ したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 上記したとおり、本件商標と引用商標2(使用に係る商標を含む)とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない別異の商標というべきものであり、他に混同を生ずるとすべき格別の事情も見出し得ないから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標2を連想又は想起させるものとは認められず、また、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-08-19 |
出願番号 | 商願2007-81427(T2007-81427) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X2526353740)
T 1 651・ 262- Y (X2526353740) T 1 651・ 264- Y (X2526353740) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 渡口 忠次 |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
野口 美代子 小川 きみえ |
登録日 | 2008-07-18 |
登録番号 | 商標登録第5153098号(T5153098) |
権利者 | 青山きもの株式会社 |
商標の称呼 | アモ |
代理人 | 加藤 義明 |
代理人 | 山崎 和香子 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 田中 二郎 |