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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y293043
審判 全部申立て  登録を維持 Y293043
審判 全部申立て  登録を維持 Y293043
管理番号 1203950 
異議申立番号 異議2007-900542 
総通号数 118 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-10-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-11-08 
確定日 2009-09-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第5069185号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5069185号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5069185号商標(以下「本件商標」という。)は、「pinkberry」の欧文字を標準文字により書してなり、平成18年8月14日に登録出願され、第29類「ヨーグルト,その他の乳製品」、第30類「菓子及びパン,コーヒー及びココア,サンドイッチ,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、平成19年6月5日に登録査定され、同年8月10日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第19号、同第7号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである旨主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし第53号証(枝番号を含む。)及び平成20年7月31日付け上申書において追加の甲第1号証ないし第9号証(以下、甲第54号証ないし第62号証と読み替える。)を提出している。
(1)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、米国において周知の商標「pinkberry」(以下「使用商標」という。)と同一であって、商標権者は、使用商標に化体した申立人の信用、名声、顧客吸引力等にただ乗りして自己の業績及び信用を上げようとの不正の目的をもって使用するものである。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、申立人が保有する米国において周知の使用商標の名声に便乗して出願されたものであり、本件商標の指定商品及び指定役務について使用することは、公正な商取引の秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものとして、公序良俗を害するおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人の使用商標と同一であって、申立人の業務に係る商品及び役務と混同を生ずるおそれがある。

3 当審の判断
(1)使用商標の周知性について
申立人は、使用商標「pinkberry」が、申立人の業務に係るフローズンヨーグルトの提供の役務について使用され、米国の需要者の間に広く認識されていたものである旨主張しているところ、たとえ、商標法第4条第1項第19号に該当する商標であっても、本件商標の出願時(平成18年8月14日)において該当し、かつ、査定時においても該当しなければならないと規定されているので、以下、この点について判断する。
ア 甲第1号証は、2007年4月27日付け日経BP社の記事であるが、本件商標の出願時におけるフローズンヨーグルトの売上げ数量及び販売金額、総店舗数、同業他社の市場占有率など、量的に周知性を判断するために必要な情報の記載はない。
また、記事中には、「はじまりは、ブログから・・・ 学生や食専門ブロガーたち、有名人の口コミによって人気が広がった。・・・そして最初に『ピンクベリー』について書いたのは、2006年春。」との記載があることから判断すると、仮に「2006年春」が2006年4月とすれば、ブログに最初に書かれて以降、口コミも含めて本件商標の出願時までの約4月間で、使用商標が、申立人の業務に係る役務を表示する商標として、ロサンゼルスを中心とした地域だけでなく、少なくともカリフォルニア州とその近接州の需要者の間にも広く認識されるものとなっていることが必要とされるが、その証拠も記載もない。
イ 甲第2号証は、2005年8月15日付けのロサンゼルス発のインターネット配信による「ニュースレター」であるが、単にウエスト・ハリウッド所在の「ピンクベリー」という店名のフローズンヨーグルト店を紹介しているにすぎず、かつ、このニュースレターが、世界で120万人の読者を持つという証拠にしても、単に甲第1号証に書かれているだけであるから、全米でどれ位の人に読まれているかは不明と言うほかなく、この記事をもって使用商標の周知性が証明されるものではない。
ウ 甲第3号証の1は、2006年6月19日付けの「ロサンゼルス・ビジネス・ジャーナル」紙のコピーであるが、本件商標の出願日のわずか2月前の記事であって、かつ、その記事の内容にしても、「今年、ピンクベリーは・・・100万ドルの収益を達成するでしょう」との予測が書かれている程度であり、使用商標が、出願時に米国において周知となっていたとの記載や証明はなく、また、この新聞がロサンゼルス地域で読まれているとしても、米国で広く読まれていたとする証拠の提出もない。
エ 甲第4号証の1は、2006年(平成18年)8月4日付けの「ロサンゼルス・タイムズ」紙のコピーであるが、記事中に「翌週ピンクベリー2号店が・・オープンする予定です。」との記載及び「ピンクベリー3号店は、9月初めに・・オープンします。」との記載から判断して、本件商標の出願日直前において、全米のピンクベリー店は、事実上、ウエスト・ハリウッド所在の1店しか存在しなかったことになる。
また、この新聞記事が、同所ピンクベリー店の周辺で深刻な違法駐車の問題を引き起こしていることを一度だけ、話題(記事)として取り上げただけで、この新聞が広く米国西部(の州)で読まれているとしても、これをもって、使用商標が、出願日の直前10日前から急に米国西部で周知になったとは認め難いものであり、かつ、この記事が出願時点で使用商標がすでに周知になっていたことを証明しているものでもない。
オ 甲第5号証の1及び2は、「Los Angeles Times」紙に関することだけであって、ピンクベリー店に関する記載は一切ない。
カ 甲第6号証は、ピンクベリー店の正面写真とみられるところ、記事中に「ウエストハリウッドの・・、今月、韓国街でオープン予定・・」と書いてあるだけであり、この証拠では使用商標の周知性を証明したことにはならない。
キ 甲第7号証ないし第10号証は、全てウエスト・ハリウッド所在のピンクベリー店について書かれたものであるが、その記事内容も商品の紹介等であって、具体的・客観的に使用商標の周知性を証明しているものは一つもない。
ク 甲第11号証ないし第53号証は、雑誌の発行部数、テレビ放送による新しくオープンした店についての話題(会話)、米国特許商標庁における登録の記録、本件商標の商標権者に関する情報、本件商標の出願日以降の日付のブログ記事及び千件以下のヒット数しかないインターネットの検索結果、その他、甲第28号証以降についても、大部分がブログのコメントや商標権者についての情報であり、また、甲第53号証は全て本件商標の出願日以降の証拠である。いずれにしろ、どの証拠も具体的・客観的に、米国における使用商標の周知性を証明しているものはない。
ケ その他、申立人は、申立書中で「申立人は『pinkberry』についてほとんど広告を行っていない。」旨述べているとおり、宣伝・広告等を行った結果による使用商標の周知性の証拠はない。
(2)不正の目的について
商標法第4条第1項第19号の「不正の目的」とは、同号括弧書きにあるように、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正な目的をいうところ、たとえ、出願時点において、「商標権者の登記簿謄本、商標権者のホームページ及び帝国データバンク企業信用調査報告書」において、商標権者がヨーグルトや菓子などを扱う業務の記載がなく、実際、業務も一切行っていなかったとしても、これをもって、本件商標に不正の目的があったと認めなければならない合理的な理由はない。
また、申立人は、平成20年9月10日付け上申書において、「買い取る旨提案したところ、JEC(商標権者)から法外な金額を要求された。」旨を上申しているが、その実際の金額も、その事実を証明する証拠の提出もない。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
ア 前記(1)の証拠を総合勘案すると、本件商標の登録出願時(平成18年8月14日)において、請求人のピンクベリー店は、全米で、事実上、ウエスト・ハリウッド所在の1店舗しかなかったことになる。また、本件商標の出願時の店舗数に関する資料の提出も、その旨述べるところもない。
そうすると、仮に、店に来る客が1日1300人から1600人いたとしても、来訪者の大部分はリピーターも含め、ウエスト・ハリウッド所在の店舗の周辺地域に住む人に限られるから、結局、その周知性は極めて地域限定的なものになるといわざるを得ない。
イ 本件商標の出願時に、同店における商品の販売数量及び販売額、同種の商品(フローズンヨーグルト)を扱う米国における市場占有率及びその売上げ順位等の資料の提出はなく、量的にも使用商標の周知性を推認することはできない。
ウ 申立人は、テレビ、ラジオ、新聞等で、ピンクベリー店の宣伝・広告等は行っていないと述べているから、たとえ、ある新聞、あるテレビ番組等でスポット的に取り上げられたことがあったとしても、それらのテレビ聴取者・新聞購読者の全員が、そのテレビ番組や新聞紙上の全ての記事に接したものとは到底考えられないから、むしろ、食に関心のある人、偶然にタイミングが合った人などに限定されると考える方が自然である。
したがって、それらのマスメディアに取り上げられたことをもって、それらのテレビ聴取者・新聞購読者の全員が、本件商標の出願時までに、使用商標が周知であったと理解、認識していたものと認めることはできない。
エ 申立人は、本件商標が使用商標と同一であり、不正な目的を持って使用するものと推認されるべきと主張し、前記(2)で、「買い取る旨提案したところ、JEC(商標権者)から法外な金額を要求された。」旨を上申しているが、その実際の金額がいくらなのかも、その事実を証明する証拠の提出もないことは、先に述べたとおりである。
その他、商標権者が、高額で買い取らせるために先取り的に出願したものであるとか、代理店契約締結を強制する目的で出願したなど、不正の目的を持って出願されたものであることを示す証拠の提出はない。
オ 申立人は、「pinkberry」の文字は、申立人が試行錯誤の上創作した造語である旨主張するが、我が国では、該文字とほぼ同一の登録商標が平成5年に登録されている事実、また、マニキュアや口紅、香水などの化粧品に欧文字や片仮名文字によって使用されている事実があり、たとえ、該語が辞書等には掲載されていない造語であるとしても、顕著な特徴を持つ造語とは認められないものであって、むしろ、我が国においては「ブルーベリー」や「ブラックベリー」の語に倣って、「ピンク色のベリー(果実)」程の意味合いを看取させるにすぎないものといえる。
カ したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するものとは認められない。
(4)本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
前記(1)のとおり、使用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして本件商標の出願時、米国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものとはいえず、また、本件商標を採択・使用することが、米国又はその国民を侮辱したり、国民感情を害するものともいえないことからすれば、本件商標が、使用商標と同一又は類似のものであるとしても、本件商標をその指定商品に使用することが、直ちに公正な商取引慣習、社会公共の利益又は国際信義に著しく反するものとはいえない。
そして、本件商標の構成自体は、きょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
(5)商標法第4条第1項第15号について
前記(1)のとおり、使用商標は、我が国において、申立人の業務に係るフローズンヨーグルトの提供の役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、本件商標の指定商品の取引者、需要者が、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品又は役務の出所について混同を生ずるほどに広く一般に認識されていたとはいえないものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第19号、同第7号及び同第15号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2009-08-14 
出願番号 商願2006-75844(T2006-75844) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (Y293043)
T 1 651・ 271- Y (Y293043)
T 1 651・ 222- Y (Y293043)
最終処分 維持 
前審関与審査官 福島 昇 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 野口 美代子
久我 敬史
登録日 2007-08-10 
登録番号 商標登録第5069185号(T5069185) 
権利者 株式会社ジェイイーシーインターナショナル
商標の称呼 ピンクベリー、ベリー 
代理人 中山 俊彦 
代理人 押久保 政彦 
代理人 松田 三夫 
代理人 三木 茂 
代理人 下坂 スミ子 
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