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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 119
管理番号 1203836 
審判番号 取消2008-301210 
総通号数 118 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-10-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2008-09-22 
確定日 2009-08-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第2192334号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2192334号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2192334号商標(以下「本件商標」という。)は、「BOMBRIL」の文字を横書きしてなるものであって、昭和62年10月28日に登録出願、第19類「台所用品(電気機械器具、手動利器および手動工具に属するものを除く)日用品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、平成元年11月28日に設定登録がされたものである。
当該商標権は、同12年1月11日に存続期間の更新登録がされて、現在、存続期間中であり、また、本件審判の予告登録は、同20年10月7日にされた。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁、並びに上申書を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第18号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが登録商標を使用していない。
2 弁駁の理由
被請求人は、乙第1号証に係る「食器洗い用スポンジ」の現物を提出するとともに、当該証拠の真正性に関する疑義を晴らすに足る再答弁を行なうべきである。
(1)バーコードナンバーについて
乙第1号証に係る「食器洗い用スポンジ」(以下「使用商品」という。)には、「4509876543216」のバーコードナンバーが付番されているが、この13桁からなる該ナンバーは、JANコードと呼ばれる国際標準規格に従って作成されており、冒頭2桁の「45」は日本の国番号を、続く7桁の「0987654」はメーカーコードを、続く3桁の「321」は商品アイテムコードを表している。末尾の「6」はチェックデジットと呼ばれ、バーコードナンバーの正誤を確認するための番号である。
国番号とチェックデジットは必然的に定まる番号だが、本件ナンバー中の「0987654」の部分(メーカーコード)は、商標権者(被請求人)が任意に選択して使用できるものではなく、財団法人流通システム開発センター(以下「流通開発センター」という。)に登録して使用しなければならない。
JANコードの使用者は、メーカーコードの登録を前提として、メーカーコードに続く3桁の商品アイテムコードに999品目までの商品コードナンバーを任意に付番して登録することができる。
そして、取引者は、JANコードナンバーに商品の種類・メーカー名・価格等のデータを対応させたうえで、レジやPOSシステムでの読み取り、在庫管理、受発注等を行なっている(甲第1号証ないし甲第3号証)。
そこで、請求人が流通開発センターに問い合わせたところ、本件ナンバーは、同センターに登録されていないことが確認された。
そうすると、国際標準のJANコードの規格を利用して未登録のバーコードナンバーを使用することには大きな危険が伴い、そのようなバーコードナンバーを商品に付して販売する卸売業者も、そのような商品を購入する小売業者も、通常は存在しない(甲第4号証)。
以上のことから、乙第1号証の真正性には疑義がある。
(2)商品の包装について
乙第1号証に撮影されている使用商品は、プラスチック袋のようなもので包装されている。この包装袋をみると、「BOMBRIL\ボムブリル」と大きく表示された面(表面)と品質表示がされている面(裏面)の両面のいずれにも(計2ヶ所)、中央よりやや上部に横方向に延びる開ロ部らしき部分が確認できる。
また、それら開口部らしき2ヶ所の部分は、セロハンテープらしきもので接着されているように見える。このように極めて不自然な包装を施された商品が実際に販売されているとの主張には疑義がある。
(3)使用商品の製造から最終需要者への販売に至る過程について
ア この点に関し、以下の事実が確認される。
(ア)乙第1号証によれば、商品の品質表示の欄における「表示者」は商標権者(被請求人)である。すなわち、商標権者は、家庭用品品質表示法第2条に定める表示業者として、使用商品の製造業者又は販売業者から委託を受けて、使用商品の品質を表示している(甲第5号証、甲第6号証)。
(イ)商標権者(被請求人)の主要業務は、各種商品の輸出入(卸売)であり、商標権者のグループ企業のいずれも、各種商品の輸出入を主業務としている(甲第7号証、甲第8号証)。このため、商標権者は、使用商品の製造設備を自ら所有していない可能性が高い。
(ウ)JANコードナンバーは、原則としてブランド所有者が自らの商品に付番しなければならず、卸売業や小売業の段階で付番することはできないが、卸売業者や小売業者がオリジナルブランドやプライベートブランドの商品を持っている場合には卸売業や小売業も付番できる。OEM製造のように、製造の受託のみを行なう企業は、JANコードナンバーを付番することはできない(甲第9号証)。
(エ)乙第2号証及び乙第3号証によれば、商標権者(被請求人)は、6個入りで1パックの使用商品を、少なくとも10,100パック、アメリカンディールスコーポレーション株式会社(以下、「アメリカンディールス社」という。)に販売しているが、同社は、商標権者のグループ企業である(甲第7号証)。
(オ)アメリカンディールス社の主業務は、日用品の輸入販売であり、同社が開設するウェブサイトをみる限り、同社が販売する商品中に国産品は殆ど含まれていないか、或いは全く含まれていない(甲第10号証)。
(カ)アメリカンディールス社が仕入れた商品を販売する得意先としては、「プラザスタイル」、「ドン・キホーテ」、「紀ノ国屋」、「ユニオンネックス」、「スズキヤ」などが挙げられる(甲第11号証)。これらの得意先は、いずれも最終需要者に商品を提供する小売店である。
イ 以上の事実から、未登録のJANコードナンバーが付番された乙号証商品を、小売店が購入して最終需要者に販売しているとすれば、かかる事実は信じ難く、また、仮に、使用商品の販売が、グループ企業どうしである商標権者とアメリカンディールス社の間のみ行なわれており、最終需要者に販売されていないのなら、そのような販売形態において本件商標を使用したとしても、取消を免れるに足る使用とは認められない。
(4)再答弁について
請求人は、被請求人に対し、使用商品の現物の提出を求めるとともに、以下の事項を明らかにすべく、被請求人による再答弁を求める。
ア 使用商品の製造者
イ 未登録のJANコードナンバーを使用している理由
ウ 家庭用品品質表示法に従い商標権者(被請求人)に対して商品の品質表示を依頼した製造業者又は販売業者
エ 使用商品の小売店名への販売状況及び小売店名
オ 本件ナンバーが未登録であることをアメリカンディールス社及び同社が使用商品を販売する小売店は承知しているのか
カ その他、乙第1号証の真正性に関する疑義に対する足る再答弁
(5)乙第2号証及び乙第3号証について
乙第2号証(納品書(控))及び乙第3号証(物品受領書)に対する反駁は、被請求人による再答弁後、必要に応じて行なう。
3 上申の理由
(1)乙第1号証の非真正性を立証する証拠の追加
ア 請求人は、念のため、当該バーコードナンバーが流通開発センターに登録されていない事実を立証するための証拠(甲第12号証ないし甲第18号証)を追加提出する。
本件ナンバーのような、国際標準規格(JAN コード)に基づくバーコードナンバーは、それが実際に登録されていれば、流通開発センターが提供するデータベース(「グローバルコード情報提供サービス」(GEPIR))に基づき、当該ナンバーから企業情報を検索可能である(甲第12号証ないし甲第16号証)。
しかし、被請求人が提出した乙第1号証に係るバーコードナンバー(「4509876543216」)を検索した結果、当該バーコードナンバーを登録している企業は存在しない(甲第17号証)。
以上のことから、乙第1号証に係るバーコードナンバーは、流通システム開発センターに登録されていない。
イ なお、乙第1号証に係るバーコードナンバーが登録されているか否かを判断するにあたり、当該バーコードナンバーを構成する数字の配列(「4509876543216」)が極めて不自然である点も考慮されたい(甲第18号証)。
乙第1号証に係る本件ナンバー中、冒頭2桁(「45」)と末尾1桁(「6」)は必然的に定まり、中間10桁(「0987654321」)は、偶然に左右されて定まる。そして、本件ナンバーが流通開発センターに実際に登録されているとすれば、バーコードナンバーの中間10桁に関し、商標権者(被請求人)は、流通開発センターから偶然に「0987654」又は「09876」のコードを付与され、かつ、乙第1号証に係る商品に振り当てた番号が偶然に「321」又は「54321」であったことになる。もしも、本件ナンバーの中間10桁が、上記のような偶然の結果として「0987654321」という配列になったというなら、極めて不自然である。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
1 請求に対する第1答弁
(1)商標権者(被請求人)は、本件商標をその指定商品中「食器洗い用スポンジ」について本件審判請求の登録前3年以内に使用している。
ア 乙第1号証は、商標権者が販売している「食器洗い用スポンジ」の商品写真である。
ここから、本件商標「BOMBRIL」が商標権者により実際に使用されていることが明らかである。
イ 乙第2号証は、本件商標の使用に係る「食器洗い用スポンジ」の納品書(控)、乙第3号証は、乙第2号証に対応した物品受領書である。
乙第2号証及び乙第3号証中の品名欄には「ボムブリル」と記載されており、これは乙第1号証の商品写真中の表示と一致していること、また、「ボムブリル」は、本件商標「BOMBRIL」から自然に生じる称呼であり、「BOMBRIL」と「ボムブリル」は社会通念上同一と認められる商標であること等から、乙第2号証の納品書(控)及び乙第3号証の物品受領書は乙第1号証と同一の「食器洗い用スポンジ」についてのものであることが明らかである。
よって、乙第2号証及び乙第3号証により、商標権者は、平成19年3月19日及び同年11月19日付にて本件商標を使用した「食器洗い用スポンジ」をアメリカンディールス社に販売(納品)した事実が立証される。
(2)以上の乙各号証により、商標権者(被請求人)は、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標をその指定商品について使用していることが立証されるものである。
2 弁駁に対する第2答弁
請求人は、商標権者(被請求人)が提出した乙第1号証に係る「食器洗い用スポンジ」の真正性には疑義がある旨主張されているが、その根拠は乙号商品に付番されているバーコードナンバー(JANコードナンバー)が未登録であることに帰結するものと思料する。
そこで、係る事態の原因を究明すべく被請求人が調査したところ、乙第1号証のバーコードは使用商品のラベルを印刷所が誤って付したものであることが判明した。係る事実を証すべく、乙第4号証として印刷所「小池アート印刷紙工」からの証明書を提出する。
これにより、使用商品に付されたバーコードはラベルの印刷段階で誤って表示されたものであることが明らかであるが、係る事実が本件商標の使用の事実について直接影響を与えることはない。乙第2号証、乙第3号証の納品書及び受領書からも明らかなように、本件商標の使用に係る商品が実際に取引されているものである。
ちなみに、使用商品の販売ルートとしては、(1)卸売業者を通じた販売(卸売)(2)小売店への直接(卸売)(3)通信販売(4)展示即売会等が販売ルートとして挙げられる。
なお、現在はバーコードが付されていない、新しいラベル(乙第5号証)に付け替えて販売することを続けていることを付言する。

第4 当審の判断
本件審判は、本件商標をその指定商品への不使用を理由として、その登録の取消を求めているところ、提出された乙第1号証ないし乙第5号証によって、被請求人(商標権者)が取消請求に係る指定商品への所定の使用を証明し得たものかについて判断する。
1 提出された乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は、透明のプラスチックフィルム様の包装紙により包装された商品の写真であって、その1葉目は表面を撮影したものであり、左上に赤の欧文字で「BOMBRIL」、黒字で「食器洗いスポンジ」、白字の顕著な片仮名文字で「ボムブリル」及び「6個セット」の各表示がされている。
そして、上記使用に係る「BOMBRIL」の文字は、赤色で表示されてはいるものの、このような使用は通常社会通念上同一の商標の使用と認められるものである。
また、同じく2葉目の同裏面に貼付のラベルには、「抗菌・防臭加工 ボムブリル食器洗いスポンジ」の表示がある。同じく「品質表示」欄には「材質」、「耐熱温度」及び「表示者」の欄が設けられ、当該表示欄には、商標権者(被請求人)と認められる「日本アイ・アンド・オーシー株式会社」が記載されている。その他に「MADE IN JAPAN」の表示や用途、バーコードラベル等が表示されていることが認められる。
しかしながら、被請求人は、前記の使用商品の裏面に表示されている「バーコードナンバー」付きのラベルは、印刷所が誤って付したものである旨、主張している。
そうとすれば、乙第1号証の商品(写真)は、実際に取引された商品とは認められない。
(2)乙第2号証は、品名を「ボムブリル6個セット 食器洗い用スポンジ」とする平成19年3月19日及び同年11月19日付けの右上に「No.A19-0311」と「No.A19-0505」の通し番号が記載された、アメリカンディールス社宛の商標権者により作成された2葉からなる「納品書(控)」とする取引書類とされるものである。
(3)また、乙第3号証は、上記「納品書(控)」をカーボン・コピーした商標権者宛のアメリカンディールス社の「物品受領書」とする取引書類とされるものである。
2 使用商品の真正性について
被請求人は、請求人の弁駁及び上申に対して、現在はバーコードラベルのない添付ラベル(乙第5号証)を使用しているから、納品書(乙第2号証)及び受領書(乙第3号証)からも明らかなように、本件商標の使用に係る商品が実際に取引されているものである旨主張している。
確かに、被請求人とグループ会社「アメリカンディールス社」との間では、使用商品をバーコードナンバーを付けず取引している場合があるとしても、乙第5号証の添付ラベルをいつ印刷したのかが不明であり、そして、実際にバーコードラベルのない使用商品が販売された事実や、バーコードナンバーを必要としなかった理由等を説明すべきであるが、何ら答弁していない。
また、乙第5号証のラベルに付け替えて使用商品を販売している旨の主張もされているが、本来、実際に使用していた商品のラベルであれば、証拠として直ちに提出されるものであるが、特に重要なバーコードラベルを誤って付して、取引したなどということは到底理解できる取引事実とは思えないものであって、被請求人の主張は、信用することができない。
そして、甲第8号証によれば、被請求人は、「他の一般機械器具卸」、「その他の食料飲料卸」を業務としているが、取引に係る使用商品とは関連がない。
甲第10号証によれば、アメリカンディールス社は、日用品の輸入業者と認められるから、取引に係る日本製の使用商品を通常では取り扱っていない。
甲第7号証によれば、被請求人とアメリカンディールス社とはグループ企業であって、被請求人は、電動工具関連製品、繊維製品、コンピュータ関連部品を輸出し、飲料水、飲料関連原料、土壌改良剤、洗濯洗剤を輸入している。一方、アメリカンディールス社は、日用品雑貨、洗濯洗剤等の輸入販売を行っている。
そうとすれば、両者が通常取り扱っている上記の輸出・輸入に係る商品であるから、両者間で使用商品が取引されたとするのは不自然である。
乙第2号証及び乙第3号証によれば、被請求人とアメリカンディールス社間で使用商品を取引したとするが、グループ企業間でこのような取引が通常行われるとは認めがたい。
以上のとおり、被請求人の提出に係る乙各号証は、信憑性に乏しいものと言わざるを得ない。
その他、本件商標が、本件審判請求の登録前3年以内に、その指定商品について使用されていたことを認めるに足る証拠はない。
3 結語
そうすると、被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標がその指定商品について使用をしていることを証明していないものといわざるを得ない。
また,その使用をしていないことについて正当な理由があると被請求人が述べるものでもない。
したがって,本件商標は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても,その指定商品について使用をされていないものであるから,商標法第50条第1項の規定に基づき,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2009-06-29 
結審通知日 2009-07-02 
審決日 2009-07-14 
出願番号 商願昭62-121618 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (119)
最終処分 成立 
前審関与審査官 飯山 茂 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 鈴木 修
井出 英一郎
登録日 1989-11-28 
登録番号 商標登録第2192334号(T2192334) 
商標の称呼 ボムブリル 
代理人 穂坂 道子 
代理人 水野 勝文 
代理人 岸田 正行 
代理人 保崎 明弘 
代理人 和田 光子 
代理人 村上 晃一 
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