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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X35 |
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管理番号 | 1203795 |
審判番号 | 不服2008-24621 |
総通号数 | 118 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-10-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-09-25 |
確定日 | 2009-09-11 |
事件の表示 | 商願2007-67126拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第35類「加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成19年6月26日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(4)のとおりである。 (1)登録第1383922号商標(以下「引用商標1」という。)は、「花結び」の文字を横書きしてなり、昭和50年10月3日に登録出願され、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和54年6月29日に設定登録されたものであるが、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成21年7月29日に第29類、第30類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 (2)登録第1707517号商標(以下「引用商標2」という。)は、「花むすび」の文字を横書きしてなり、昭和56年8月11日に登録出願され、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和59年8月28日に設定登録されたものであるが、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成17年7月6日に第29類、第30類、第31類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 (3)登録第2021137号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和60年11月20日に登録出願され、第29類「茶」を指定商品として、昭和63年2月22日に設定登録されたものであるが、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成19年11月7日に第30類「茶」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 (4)登録第4701684号商標(以下「引用商標4」という。)は、「はなむすび」の文字と「花結」の文字を上下二段に書してなり、平成14年12月24日に登録出願され、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年8月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 本願商標は、別掲1のとおり、五つに区切られた横長の長方形の左半分に「華」の文字、右半分の4等分された正方形の中に「む」「す」「び」の平仮名文字及びおむすびと思しき図形を配した構成よりなるものである。 そして、「華」の文字部分が「む」「す」「び」の文字部分に比して顕著に大きく表されている上、前記したとおり、両文字は別々の枠内に表されていることから視覚上分離して看取されるばかりでなく、ほかにこれらを常に一体不可分のものとして看取、把握しなければならない特段の事情も見出せない。 また、構成中の「むすび」の文字は、「握り飯、おむすび」の意味を認識させるものであり、指定役務「加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」との関係においては、役務の質を表示したものとして認識されることから、該文字部分は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないか、または、極めて弱い部分といわざるを得ない。 そうとすれば、これに接する取引者、需要者が、顕著に書されており、自他役務の識別標識としての機能を果たす「華」の文字部分に着目して取引に資する場合も少なくないというのが相当である。 してみれば、本願商標からは「華」の文字に相応して「ハナ」又は「カ」の称呼を生ずるものである。 他方、引用商標1は「花結び」の文字を横書きしてなり、引用商標2は「花むすび」の文字を横書きしてなり、引用商標3は「花結び」の文字を縦書きしてなり、引用商標4は「はなむすび」の文字と「花結」の文字を上下二 段に書してなるところ、それぞれの文字に相応して、「ハナムスビ」の称呼を生ずるものと認められる。 そこで、本願商標と引用商標1ないし4(以下、一括して「引用商標」という。)の称呼についてみるに、両称呼は、構成音数及び音構成において顕著な差異を有するものであるから、本願商標と引用商標とは、称呼上互いに区別し得るものである。 次に、外観についてみるに、本願商標と引用商標はそれぞれ前記したとおりの構成よりなるものであるから、外観において、明らかな差異を有するものである。 また、観念についてみるに、本願商標からは「はなやかなこと」の観念が生ずるのに対し、引用商標からは「調度・衣装などの飾りにするため、糸をいろいろの花の形に結ぶこと。」(岩波書店発行「広辞苑第六版」)程の観念が生ずるものと認められることから、本願商標と引用商標とは、観念上相違するものである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標) 別掲2(引用商標3) |
審決日 | 2009-08-31 |
出願番号 | 商願2007-67126(T2007-67126) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(X35)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 今田 三男、原田 信彦 |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
久我 敬史 小田 昌子 |
商標の称呼 | ハナムスビ、ハナ、ムスビ |
代理人 | 右田 登志男 |
代理人 | 千且 和也 |
代理人 | 内田 佐江子 |