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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X07
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X07
管理番号 1202041 
審判番号 不服2008-12404 
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-05-15 
確定日 2009-07-27 
事件の表示 商願2007- 50075拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「スーパーフラットノズル」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第7類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年5月21日に登録出願されたものであるが、その指定商品については、原審における同20年2月26日付けの手続補正書により、第7類「耕うん機械器具(手持ち工具に当たるものを除く。),栽培機械器具,収穫機械器具,植物粗製繊維加工機械器具,飼料圧搾機,飼料裁断機,飼料配合機,飼料粉砕機,乗物用洗浄機,消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。),農薬散布機用ノズル」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『超・・・』『より優れた』を意味する『スーパー』の文字と、『平らなこと,平面』を意味する『フラット』の文字、さらには『管・ホースにつける先の細まった管』を指す『ノズル』の文字を、一連に『スーパーフラットノズル』と書してなるものであり、その全体からは、ノズルの部分の形がフラット状であることを強調した言葉として看取されるにとどまるものであるから、これをその指定商品中、『各種ノズル』又は『ノズル部分を有する機械器具』に使用しても、単にその商品の品質、形状等を表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知(要旨)
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、「フラットノズル」の文字等について、以下の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成21年1月8日付けで、証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。

本願商標は、「スーパーフラットノズル」の文字を標準文字で表してなるところ、「スーパー」の文字は、「super」の表音文字であり、「超、上、一流」などの意味を表す語として、一般的に使用されている文字である。
そして、「フラットノズル」の文字及びノズルに関する「フラット」の文字の使用の有無について証拠調べを行った結果、以下の事実が認められる。
1.「フラットノズル」の文字について
(1)「社団法人農林放送事業団」のウエブサイトにおいて、「環境にやさしい防除作業機 -丸山製作所-」の見出しのもと、「散布ノズルには『コーンノズル』と『フラットノズル』という種類があり、ブームスプレヤーにはコーンノズルが適しているといわれている。その理由は、コーンノズルで噴射された霧には巻き返しが発生し、これを有効に使って葉の裏まで薬剤を付着させることができる。フラットノズルは、多量に低圧で散布することができるが、巻き返しが少なく、表面にしか散布できない。」との記載がある。 (http://www.agriworld.or.jp/nitinoki/column/column_15/column1507/menu.html)
(2)「独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構」のウエブサイトにおいて、「ドリフト低減ノズルの特徴と選択について」の見出しのもと、「はじめに 液剤散布における散布ノズルは、安全性、均一性、付着性、省力・省エネ、適期適量散布などの性能を左右する重要な器具の1つである。以前より弊社では、散布作業者への安全性を重視した飛散低減型の「キリナシノズル」を開発してきたが、近年、環境や食の安全・安心への関心の高まりから、ドリフト(漂流飛散)を低減したそれらのノズルが特に注目されている。(中略)今回は、動力散布機に使用される散布ノズルの基本性能や特長及びその選択について紹介する。
1.ノズルの噴霧パターンによる分類・・・4)フラットノズル(扇形ノズル)〔図4〕ノズル内部の案内溝に沿って流れる薬液がぶつかり合い孔から噴出されるため、扇状(フラット)に噴霧粒子が発生する。細長の噴霧パターンとなり、ホロコーンノズルに比べ勢い(打力)が強く到達性もある。」との記載がある。(http://www.naro.affrc.go.jp/ET/h18/21/21-03.pdf)
(3)「株式会社共立」のウエブサイトにおいて、「ポジティブリスト制度と共立の対応」の見出しのもと、「農薬散布時には、ドリフトを低減させるための基本的な散布操作(1.風の弱い時に風向に注意して散布する 2.散布の方向や位置に注意する 3.適切なノズルを用い、適切な圧力で散布する 4.適正な散布量で散布を行う 5.タンクやホースの洗浄の徹底)を励行していただくことでドリフトはかなり減らすことができますが、作物・圃場・作業等に合せ、さらに積極的な対策をご活用いただいて効果的なドリフト低減を図ってください。共立は、このドリフトを低減するために基本技術と更に進めた共立独自技術の両方で対応を進めています。以下、共立の代表的なドリフト低減技術をご紹介いたします。」及び「乗用管理機・ブームスプレーヤ用」の項のもと「ブーム用Dカットノズル 共立ブーム用Dカットノズルでの散布は、散布粒子が大きいことにより、風の影響も少なく、更に、地面や作物からの跳ね返りや空気中に漂う粒子も減少しますから薬液の飛散が低減されます。Dカットノズルは、噴霧パターンが扇形のフラットノズルです。図-1のように、Dカットノズルは、それぞれの霧がぶつからないように、散布角度を調整しています。」との記載がある。(http://www.kioritz.co.jp/news/06/dorifuto.htm)
2.ノズルに関して「フラット」の文字について
(1)「株式会社 永田製作所」のウエブサイトにおいて、「除草剤専用ノズルの製品一覧」の見出しのもと、「ランドタイプ25LA-1」の項のもと、「発砲式で粒子が大きく、風等による飛散がほとんどありません。また、フラットタイプで少量散布用ができます。除草剤専用噴口です。」との記載がある。(http://www.nagataseisakusyo.co.jp/kind%20jyosoutestgo.htm)
(2)「株式会社麻場」のウエブサイトにおいて、「プロダクト」の見出しのもと、「ウィードノズル・ウィードスズラン 2頭口?5頭口 フラットタイプ」の項のもと、「フラットタイプの少量散布用、発砲ノズル。特徴 ○フラットタイプの発砲ノズル ○大粒子径のため、風等による目的物以外への飛散がほとんどない。」との記載がある。(http://www.asaba-mfg.co.jp/jpn/product/W_2.html)
(3)「アリスタライフサイエンス株式会社」のウエブサイトにおいて、「北海道におけるテンサイの少量散布防除技術」の見出しのもと、「1.散布装置について」の項のもと、「(1)薬剤散布装置 使用されている農薬散布機はトラクタ直装型のブームスプレーヤが一般的で、低圧少量散布装置の噴霧ノズルはフラットタイプ(扇を広げた形状に噴霧)が使用され、ノズルの取り付け間隔は50cm前後、散布圧力は2?5bar(2?5kg/cm2、または0.3?0.5 MPa)である(第3図、第1表)。これに対し北海道で使用されている標準的なブームスプレーヤの噴霧ノズルは、コーンタイプ(円錐状に噴霧)やフラットタイプが使用され、ノズルの取り付け間隔は30cm、散布圧力は10?20kg/cm2(1.0?2.0 MPa)である。」との記載がある。(http://www.agrofrontier.com/guide/t_100i.htm)
(4)「ポンプ屋ドットコム」のウエブサイトにおいて、「スプレーノズル各種(ガーデニング、農業機械、害虫駆除に)」の見出しのもと、「 スーパー25人力用1頭口」の項のもと「特徴・除草剤ラウンドアップ専用ノズル発泡ノズルだから飛散無し、散布後が白く見えます。・フラットタイプの少量散布用、発泡ノズル。わずか25Lでらくらく10a」との記載がある。(http://shop.pumpya.com/shopdetail/003000000004/)

第4 証拠調べ通知に対する意見
上記第3の「証拠調べ通知」に対して、請求人からは、何らの意見、応答はなかった。

第5 当審の判断
本願商標は、前記第1のとおり、「スーパーフラットノズル」の片仮名文字を横書きしてなるところ、その構成中前半の「スーパー」の文字は、「超、上、一流などの意味を表す。」(「コンサイス カタカナ語辞典」 第3版 株式会社三省堂 2005年10月20日発行)の意味を有する平易な外来語であって、商取引においては「上等の」「飛び切りの」「特等品の」等の意味で商品の品位、品質の優秀なことを誇示する語として広く使用されているものである。また、中間の「フラット」の文字は、「平面的な、平たいさま」(前掲「コンサイス カタカナ語辞典」)の意味を有する平易な外来語であり、さらに後半の「ノズル」の文字は、「筒口、気体や液体を噴出させるために細くしたもの」(前掲「コンサイス カタカナ語辞典」)の意味を有する平易な外来語であって、補正後の指定商品の表示でも「農薬散布機用ノズル」のように使用されている商品の一般的名称である。
そして、本願の指定商品中には、「農薬散布機用ノズル」や「消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。)」が含まれているところ、前記第3の証拠調べに示した事実によれば、近年、環境や食の安全・安心への関心の高まりから、農薬散布時に、薬剤のドリフト(漂流飛散)を低減するためのノズルが特に注目されており、このようなノズルのことを、「フラットノズル」又は「フラットタイプ」と称していることが認められるものである。
そうすると、本願商標は、「スーパーフラットノズル」の片仮名文字を普通に用いられる方法で表示してなるにすぎないものであるから、これをその指定商品中「フラットノズル(フラットタイプのノズル)を用いた消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。),農薬散布機用フラットノズル(フラットタイプのノズル)」について使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該「フラットノズル」の文字に「スーパー」の語を冠したものと認識するにすぎないから、単にその商品の品質を誇示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識として認識し得ないものというべきである。また、本願商標を前記商品以外の「消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。),農薬散布機用ノズル」について使用するときは、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-05-26 
結審通知日 2009-05-29 
審決日 2009-06-15 
出願番号 商願2007-50075(T2007-50075) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X07)
T 1 8・ 13- Z (X07)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 土井 敬子 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 田村 正明
榎本 政実
商標の称呼 スーパーフラットノズル、スーパーフラット、フラットノズル、フラット 
代理人 風早 信昭 

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